週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

「NANT仙台南町」開業 鹿島建設が仙台市青葉区に11階建て賃貸オフィスビル

2025.08.18 12:35

 鹿島建設(東京都港区)は7日、仙台市青葉区で開発していたオフィスビルが6月16日に竣工し、「NANT(ナント)仙台南町」として開業したと発表した。
 「NANT仙台南町」の立地は仙台市青葉区中央。JR「あおば通」駅から徒歩4分、同「仙台」駅西口から徒歩7分の南町通と東二番丁通りの結節点に位置する。
 建物は敷地面積約1347㎡、延床面積約1万1657㎡、賃貸面積約8158㎡、地上S造(柱CFT造)、地下RC造、地上11階地下1階建ての賃貸オフィスビル。
 オフィスフロアは基準階床面積約258坪で、天井高さ2・8m、OAフロア高さ10cmの無柱空間(一部除く)を生かしたフレキシブルなレイアウトが可能。1フロアは最小賃貸面積約21坪、最大5分割まで可能で小規模区画への入居ニーズにも対応。EVホールなど共用部の壁面には大きな開口を設け、窓から差し込む柔らかな自然光による明るさと、自由に往来可能な屋内階段により快適かつ開放的なワークプレイスを実現した。
 基準階は専有部入口のセキュリティに加え、エレベーターの不停止制御機能を搭載した2段階セキュリティを採用。来客時には1階のインターホン呼び出し機能を利用し、一時的にエレベーター不停止制御機能を解除できる。
 BCP対策としては鹿島建設の制震技術「ハニカムダンパ」を採用し、地震時の揺れを最小限に抑える構造とした。さらに連続で最大72時間稼働する非常用自家発電設備を設置し、停電時にすべてのテナント専有部内に15VA/㎡の非常用電力を無償提供する計画となっている。
 ウェルネスや環境負荷低減への施策としては、LED照明等の導入をはじめとする省エネルギーへの取り組みや、環境負荷の少ない資機材の使用などといった環境配慮に加え、室内の快適性や景観にも配慮。こうした点が評価され、「CASBEE-新築」と、「CASBEE-スマートウェルネスオフィス認証」Sランクを取得。また「BELS」認証の「ZEB Ready」も取得した。
 南町通と東二番丁通りが交わる角地には公開空地を設け、1階店舗や2階オフィスに直接アプローチが可能。また公開空地には高さ約7・5mの開放的なピロティを整備し、郷土種を中心とした多種多様な植栽を配置。外装材には同社東北支店の建替え工事で構造材として使用する予定の鹿島グループ社有林のカラマツ材の端材を全面に活用。また休憩用として、宮城県登米産ヒノキを使ったベンチを設置した。




週刊不動産経営編集部  YouTube