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(社)日本建築学会 阪神大震災緊急報告まとめる
1995.03.01 11:39
(社)日本建築学会では兵庫県南部地震災害調査の緊急報告をまとめた。
これによると建物被害の特徴として、RC系建物では中層あるいは低層の建物を中心に最下層が破壊された例が多かった。また5層以上10数層建物の中間層の柱のほとんどが破壊させ、層崩壊を生じた例も目立っている。
鉄骨系建物においても、柱梁接合部の損傷とともに、柱のぜい性破壊の例も見られたという。
建物の「形」の点からみた被害状況では、やはり1階部分が店舗、駐車場、駐輪場などピロティー形式になっているものに被害が目立つ。例えば西宮、尼崎、伊丹、宝塚の4市で倒壊・大破したRC構造の物件34棟のうち30棟で1階が崩壊し、そのうちおよそ8割にあたる23棟は1階がピロティ、あるいは店舗という作りであった。
この他、コンクリート系構造のものでは、壁の偏在によるねじれ崩壊や帯筋量の不足、外周帯筋のみのため柱断面拘束が不十分であったことなどによる被害が多く、一方、鉄骨構造では柱脚部アンカー破壊、外壁や内部間仕切りなどの骨組み変形などによる被害が、それぞれ目立った。