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シンドラーエレベータ、日本市場に本腰 組織再編し営業力強化 今春より東日本と西日本、2つの事業本部制に

1995.03.01 11:36

 三菱、日立、東芝の大手3社が、がっちりと市場を押さえているとされるエレベーター業界。そこへ切り込みを図るべく、世界第2位のシンドラーグループの日本拠点、シンドラーエレベータが今春より組織を再編成し、営業強化に取り組んでいく。
 シンドラーエレベーター(東京都中央区、天沼隆彦社長)が4月より日本国内での営業力強化に向け組織の再編成を行い、社内に東日本と西日本、2つの事業本部を設ける。
 同社はスイスに本拠を置く世界第2位のエレベーター・エスカレーターメーカーであるシンドラーグループの日本拠点。関西新空港にエレベーター15基を納入するなど昨秋より本格的な日本市場参入に乗り出した。しかし郊外型ショッピングセンターからの受注が好調な動く歩道部門や世界第1位のシェアを誇るエスカレーター部門はともかく、最も市場規模の大きいエレベーター市場への食い込みは今ひとつ。今回の再編成を受け、全国の中でもエリアターゲットをまずは首都圏と関西地域に絞り、ゼネコンや設計事務所を主対象として、これまで以上に密度の濃い営業活動をスタートさせる。
 同社は元々日本エレベーター工業に資本参加する事で日本進出を果たしたという経緯があるため、これまで日本市場は日本エレベーター製品が商品構成の上で比重を占めていたが、今後は段階的にシンドラー工場生産のものへ移行を進め、また現在、ウィーン康応からの輸入でまかなっている供給体制についても、静岡県袋井にある国内工場への生産に切り替えていく。
 同社は昨年、サービス拠点を増設し全国に32拠点体制を敷設。保守要員についても約100人程度増員を図るなど、国内体制作りも進めている。




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