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ヘッドスプリング 中小ビル向け・総合エネマネシステムを構築

2022.12.19 10:54

 次世代パワー半導体を活用した高機能な電力変換器の開発などを行うヘッドスプリング(東京都品川区)は、IoT技術を活用したビル監視システムなどの開発を行うネットワーク・コーポレーション(横浜市都筑区)との業務提携を開始した。ヘッドスプリングが開発した電力融通システムとネットワーク・コーポレーションのエネルギーマネジメントシステムを連携させ、中小ビル向けの総合エネルギーマネジメントシステムとして展開する狙いがあるという。
 今回の業務提携では両者の技術の連携に加え、ネットワークインフラの施工などを行うサンコムテクノロジ(東京都北区)の施工サービスを組み合わせることで、中小ビルに対して総合的なエネルギーマネジメントソリューションを提供する。2020年、菅政権(当時)が掲げた「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に基づき、オフィスビルではこれまで行われてきた省エネ化に加えて創エネや蓄エネの積極的な活用が求められる。一方でカーボンニュートラルの実現に向け、ビル単位で何を取り組めばよいか分からないというオーナー側の声があるというのが実情だ。
 3社によるソリューションでは、オフィスビルの省エネ(空調、照明)に創エネ(太陽光)、蓄エネ(蓄電池)、EV(電気自動車)充電などを組み合わせて最適運用することで、大幅な節電を実現できるシステムの構築をコンサルティングから設計、施工、管理までワンストップで対応する。
 ネットワーク・コーポレーションのエネルギーマネジメントシステムは設備運用の実態に柔軟に対応できるモジュール型を採用しており、既存ビルでの導入や運用中の機能の追加等にも適している。ヘッドスプリングの代表取締役社長CEO・星野脩氏は「当社の電力融通システムを連携させることで、ビル内の各種電気設備の最適運用による電力消費の削減と同時に、蓄電池を用いた電力のピークシフトを行い、電気料金低減とカーボンニュートラルに貢献します」と述べる。電気料金の負担増はテナントビルに入居する企業にとっても大きな課題であり、賃料値下げ交渉の一因にもなり得るだけにオーナー側の対応も求められている。今回の新サービスは、カーボンニュートラルという社会的要請だけでなく、入居企業への負担軽減をも提案する。

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