不動産トピックス

今週の一冊

2021.08.03 10:35

不動産市場の潮目はどこに

激震!「コロナと不動産」価値が出るエリア、半額になる物件
著者:榊 淳司
発行日:2021年1月10日
発行所:廣済堂
価格:860円(税別)

 コロナ禍で2度目の夏は感染急拡大にもかかわらず、4度目の緊急事態宣言という状況だ。過去最多の感染者数と共にオリンピック金メダルのニュースが流れる日本。コロナに慣れたのか諦めか、人々の反応も変わり今や繁華街の人出は減る気配もない。感染者が一人出たからといって、感染者が勤務する企業入居の1棟全館消毒するビルはもはやあるまい。面倒なのだろう、建物入口の消毒スプレーを素通りする人々も増えたようだ。
 さて本書は不動産ジャーナリストが「2020年の東京の住宅市場で何が起こったのか、そして2021年以降は何が起こるのか」を多角的に分析・考察を行った一冊。2021年も後半に入った今、オフィス街はシェアハウスばかりになったのか、既に縮小期である東京の郊外ショッピングモールは賑わっているか、大学のオンライン授業は賃貸市場に影響はあったのか、著者の様々な予測は果たしてどう展開しただろうか。自身の揺れ動いたコロナ禍の価値観を振り返りつつ、今後を改めて考えてはどうか。週刊SPA!のルポも掲載されており読み応えあり。
 なお、著者がコロナ禍のビジネス社会を眺めて気づいたことは「社風が合理的で社員のレベルや意識が高い企業ほど、リモートワークが向いている」ことだという。働き方の激震も要注目だ。

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