不動産トピックス

クローズアップ オフィス内装編

2021.08.03 10:33

 「いかに社員にとって働きやすい空間を作り上げるか」が重視される昨今。特にシェアオフィスやコワーキングスペース、貸し会議室など賃室の効果的なレイアウト変更は、ある種オフィスへの付加価値にも繋がりうる。

木材活用の「EDO会議室」廃棄コスト削減にも寄与
 バルテック(東京都新宿区)は、オフィス内装のリノベーションプラン「EDO会議室」の提供を開始する。「EDO会議室」は今年の1月から同社が販売している木製の個室ワークスペース「EDOブース」の開発ノウハウを生かした、木材を広く使用した会議室へのリノベーションプランとなる。
 ICT機器の開発や企画等を得意としてきた同社が、会議室のリノベーション事業に参入するのは今回が初。「EDO会議室」へリノベーションを行うメリットとして、まず第一としてコスト削減につながることが挙げられる。インテリアデザイン室マネージャーの星川裕介氏は、「一般的なオフィスレイアウトにはスチールやアルミのパーティションが多く用いられますが、金物などの部材の使用量をできる限り抑え、国産の木材と海外産の建具を併せて取り入れることで、15%~50%のコストカットが期待できます」と話す。
 昨今各社がSDGsへの意識の高まりを見せる中、環境保全やワーカーへの心理的効果等の観点から、木材をオフィスに取り入れる向きがみられ始めている。内装を木調化することで、従業員のモチベーションアップや活気あふれるコミュニケーションの推進、人が集まる場所としてのオフィスの付加価値提供など様々な観点から期待がされている。
 「EDO会議室」は木調化へのリノベーションに終始せず、木材を用いた壁面やパーテーションなどの各パーツを、自由に組み合わせることが可能となる。用途や規模に合わせパーツを組み替えることで繰り返し使うことができるため、オフィスの移転やレイアウト変更に伴い不要になってしまうオフィス家具を再活用することができ、資源の循環化、廃棄コスト削減にもつながる。 
 機能面では、同社が提供を進めるスマートロックシステムとの連動ができる点も大きな特徴となる。自社会議室の予約・管理ほか、レンタルルームの時間貸し・クレジット決済、セキュリティゲートとの連携も可能であるため、無人管理のサポートとしても活躍する。
 「スマートロックシステムとの連動で管理者が会議室の利用状況を一元管理することが可能です。フレキシブルな働き方が進み、最近は会議室を一人で利用されるケースも散見されます。会議室の空き状況を確認するために現地までわざわざ足を運ばずとも、遠隔で利用状況を見ることができます。また、空き物件を収益化したいオーナー様にも、レンタルブースの無人運営に対応した使い方が可能になっています。このスマートロックシステムも自社で開発・提供を進める製品ですので、施工と併せて一括でご提案できる点も当社の強みです」(星川氏)。  『EDO会議室』は現在問い合わせを受け付けている段階で、具体的な施工は順次進めていく予定だという。都心を中心に新型コロナ禍がさらに広がりを見せる中、オフィス移転やそれにともなう内装工事へのニーズはまだまだ高まりを見せそうだ。SDGsならびにスペース管理の業務効率化にも特化した「EDO会議室」は、今後さらにニーズが増えていくだろう。

「アウトレットリノベーション」提供開始 余った材料で格安リノベを実現
 建築内装業、店舗・オフィスなどの内装工事を手掛ける優健工業(東京都江戸川区)は、企画事業を展開するMEGAホン(東京都港区)と、建築現場で余った新品の材料を活かして格安でリノベーションができる『アウトレットリノベーション』の本格提供を開始する。 建設現場で余った建築材料を買い取りリノベーションに活かす、日本初のサービスとして期待される。余った資材を廃棄せずにすむのでゴミにもならず、コストが最大70%カットもできる点も魅力的だ。
 優健工業は22年以上建設現場に関わってきた中で、建築現場で出るゴミの中に使われなかった余った新品の建築材料が含まれることに着目し、余った資材をどうやって生かすかについて考えていた。
 約7割の顧客が「どれくらい費用がかかるのか」と心配して相談に来る現実がある中で、コロナ禍により受注が減少。新しいことにチャレンジしたいという想いと『もったいない』をなくし顧客のコストに対する不安もなくしたい、という現状を変えるべく、建築現場で余って捨てるはずの新品材料を低価格で買取りをし、アウトレット価格で顧客に提供することでコストを抑えた「アウトレットリノベーション」サービスの開発に至った。建築材料を相場の約50%OFFで購入も可能である点やアウトレット建材の実物を見て決めることができる点、アウトレット建材を使ってコストを抑えたリノベーションを提案できる点が同サービスの大きなメリットとなる。
 同社はこのサービスを通じて、価格面でリノベーションを諦めていた方たちに低価格でできるリノベーションで住みやすい住環境を提供していくとともに、「ゴミを減らす活動」を行いながら、余ったアウトレット建材を使用した「職人の技術を体験」や「地域の子供達へものづくり体験」など不要なものをゴミとして捨てるのではなく、「活かして使う」活動も展開していきたいとしている。

吸音パネル「OTTO R」壁面の6%に貼付で反響音を改善
 リブグラフィ(大阪市中央区)は “オフィス環境を快適に”をテーマに開発したインテリア吸音材「OTTO R(オットー・アール)」を6月29日より販売開始した。
 「OTTO R」は、同社は販売中の家庭向けインテリア吸音材「OTTO」をオフィスシーンと調和するようにデザインを一新。壁面の6%に貼るだけでオフィスのざわつきやハウリングなどの音の悩みを改善できるため、昨今注目される働き方改革の一環としても期待される。
 「OTTO R(オットー・アール)」の特長として、材料には工業用の高性能吸音材を使用。表皮フェルトと高密度極細繊維の2層構造で効率的に音を吸収することで、音は壁に当たると反射し、「声が聴き取りづらい」、「ざわざわしている」フロア内のざわつきやハウリングを抑えることができる。昨今増えているWEB会議での反響音による聞き取りづらさ等、オフィスにおける音問題を解決する。
 また、壁に貼るだけの簡単設置が可能。付属のマグネットまたは両面テープで壁に貼り付けるのみとなるため、誰でも簡単に施工可能ができ、マグネットタイプならレイアウト変更も容易となる。加えてオフィスに調和するデザインも魅力で、表面にR加工を施し、立体的なデザインに仕上げています。また、馴染みやすい落ち着いたカラー展開でオフィスらしさはそのままに、モダンな雰囲気を演出する。

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