不動産トピックス

クローズアップ 空きスペース活用編

2010.05.28 15:35

 昨今は土地活用・空室活用の手法が随分と多様化している。収益を生まない空室や未活用地を付加価値の高い収益不動産として活用しようとする事例も増えてきた。ここの挙げた3社はレンタル収納スペース。都市型賃貸ガレージ、結婚式場と言った形での不動産の有効利用を提案している。

エスクリ 空室を結婚式場として活用
 結婚式・披露宴の企画や運営などのブライダル事業を手がけるエスクリ(東京都港区)は超都市型ブライダルの経営戦略と題し、東京23区と政令指定都市駅徒歩圏のビルや商業施設の空きスペースを対象に結婚式場や披露宴会場として活用する事業を展開している。
 例えば昨今の代表事例を挙げると今年4月に開業した東京都中央区の高層ビル「京橋創世館」8、12、13階をコンバージョンした「ラグナヴェール TOKYO」があるが、各フロアにバンケット、チャペル、さらには厨房が用意され、オフィス街の平日の喧騒とは打って変わった休日の静寂の中での都心ならではのスタイリッシュなブライダルを提案している。もしくはもともと古いビジネスホテルだったものをリノベーションして「ラグナスイートホテル&ウエディング」として再生物件化した事例もある。休日はゲストがそのまま宿泊できるホテル形式ブライダル場として利用でき、平日は旅行者やビジネスマン向けの駅至近ビジネスホテルとして高い人気を誇っている。リノベーション前に4割程度だった稼働率がリノベーション後は7割以上に解消され、立地条件や建物天井高などの問題が解決されていれば収益性に優れたビジネスモデルを活用できる。平成23年春には新しく現在建設中の大阪ステーションシティ内のノースゲートビルディング28階にも開業する予定である。

押入れ産業 ショッピングセンター内のレンタル収納スペース
 全国主要都市でレンタル収納スペース事業を展開している押入れ産業(東京都港区)はイオンリテールと出店契約を締結し、イオンが運営する西東京市のショッピングセンター「マックスバリュ田無芝久保店」内にレンタル収納スペースを5月28日よりオープンしている。ショッピングセンター内にレンタル収納施設が入店するのは業界初であるが、同社は今後も状況を把握しながらまずは5店舗ほどの店舗展開を目指し、その後全国各地のイオングループの施設においてRSS事業を拡大していくことを模索している。
 「ショッピングセンターは消費者が定期的に利用する場所であり、また車で施設を訪れるケースも多いため元々レンタル収納スペースを設置するには最適な立地です。既存に展開していたトランクルーム事業では倉庫事業者が中心のため保管場所が住宅地から遠いことや営業時間等の制限があることに課題がありましたが、それらの問題を解決しています」
 IDカード認証システムやWEBカメラを利用した遠隔監視システムの導入、セコムとの連携の強化等万全のセキュリティ体制が取られており、また確かなマーケティング調査とネットワークを生かした提案がなされている。

ライゼ 趣味を楽しむ都市型賃貸ガレージ
 首都圏や京阪神を中心に360店舗のレンタル収納スペース「ライゼボックス」を展開するライゼ(大阪市北区)が、現在土地活用の提案として力を入れているのが趣味を楽しむ都市型賃貸ガレージのライゼホビーシリーズである。
 無垢材フローリングや天然木サイディングを効果的に使った内外装など素材やデザインにもこだわって建設される同施設のラインアップは全部で4種類ある。1階のシャッターガレージと2階のフリースペースを個別階段でつないだ「メゾネットタイプ」、ガレージに天然木のロフトスペースをプラスした「ロフト付きガレージタイプ」、床、壁、天井などの室内の材料や仕上げにもこだわった「大型ラージスペース」、そして天然木のシェイク素材やアルミ電動オーバースライドガレージドアなど高グレードな装備をふんだんに使用し、熱交換塗料や壁面緑化などエコロジーにも対応したカスタムメイド・高級タイプのガレージ「ライゼ・パーソナル」が用意されている。車やバイク、アウトドア用品等、趣味のコレクションを収納するだけでなくアトリエやクラフト工房的にコレクションのディスプレイを楽しむスペースとして、自宅以外にもゆとりのある趣味空間を求める新時代のニーズに応えている。ガレージにプラスアルファの価値を付帯する新しいタイプの賃貸スペースが利用者に好評で、新規利用希望者が確実に増え続けているという。

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