不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2010.05.24 16:49

三菱樹脂 防火意識の高まりに対応した広告下地材・内装壁材を発売
 三菱樹脂(東京都中央区)は、サインメーカーや自動車販売、外食店に使用可能なアルミ樹脂積層板「アルポリック/fr AD」を発売。
 同製品は、両面の金属と芯材のポリエチレンから成る三重構造の「アルポリック」の芯材に水酸化アルミニウムが加えられ、防火性を高めた「アルポリック/fr」の新グレード版である。防火性能が求められるエリアの広告物や内装壁にも安心して使うことができる外照式の複合材となっている。
 従来品では、広告看板向けの下地材と表面仕上げ材は個別に不燃材料の認定を取得したものが用いられていたが、同社は大手フィルムメーカーと連携の上、「アルポリック/fr」に特定のデジタルプリント用粘着シートを貼り合わせた同製品を開発。下地材と表面仕上げ材が一体化した状態において、国土交通大臣の不燃材料の認定を取得している。
 複合材事業部の規格品営業グループのマネージャーである沢登誠治氏によれば、「同製品は、アルミ樹脂分野に関して、一体化した状態で不燃材の認定を受けたのは初めてのケースとなっています。今後、法律などの改正により規制が強化され、一体化した状態での不燃材料の認定が義務づけられることも考えられますので、先を見据えた商品となっております」と語る。
 厚さは3mm、サイズが1220mm×2440mm。設計価格が3万2780円(税別)。

竹中工務店 食品廃棄物や排水をエネルギーとして再利用
 竹中工務店(大阪市中央区)は、神鋼環境ソリューション(神戸市中央区)、テラル(広島県福山市)と共同で、「都心型バイオガスシステム」を開発。平成26年に開業予定の高層複合施設「阿部野橋ターミナルビルタワー館(仮称)」での実用化が決定している。
 同システムの概要として、生ごみを計量後、ディスポーザーに投入して粉砕し圧送。生ごみの計量は、ディスポーザーと連動して実施されるシステムとなっており、排出者毎の食品廃棄物の量が見えるようになっている。必要に応じて、途中でポンプ圧送するなど長距離の横引き配管が可能。管路輸送された生ごみは厨房排水、中水処理汚泥とともに固形分と液分に分解される。固形分はメタン発酵槽においてバイオガスを生成し、液分などは下水道放流基準に適合処理後、下水道へ放流される。発生バイオガスは精製後、都市ガスと混合し、ガスエンジン、ボイラーなどのガス利用機器のエネルギー源として再利用することができる。
 従来と比べて、同システムでは、各階に設置したディスポーザーに生ごみを投入するだけで処理が可能なため生ごみ処理の手間を省き、外部処理施設の運搬にかかるCO2や人件費を削減。また、メタン発酵は食品リサイクル法の再生利用に該当し、同システムの導入により食品リサイクル法に対応することができる。
 今後、同社では百貨店、ホテル、レストランなどの複合ビルや再開発物件をはじめ、高層建物以外でも食品廃棄物や排水処理を必要とするショッピングセンター、食品工場などにおいて同システムの稼働を目指している。

ABC商会 CO2排出量を抑える外装エコルーバー
 ABC商会(東京都千代田区)は、ヒートアイランド現象の緩和、CO2排出量の抑制に貢献できる外装エコルーバー「エーラインエコシステム」を発売。
 同製品の特徴として、建物の外装を覆うため直射日光を遮り、日除け効果が高い。そのため断熱性が向上し、室温の上昇を制御。空調使用量が低減することにより省エネ性を実現している。
 また、専用小型減速機(幅75mm、高さ140mm、出幅200mm)はシンプルな構造のためコンパクトになり、わずかなスペースで設置が可能。フィンの角度は、上下65度(計130度)まで可動し、簡単なハンドル操作により採光、遮光、目隠しを自由自在に調整することができる。その他にもバリエーションとして、両端固定ルーバー「エーライン」との組み合わせが可能となっており、外装意匠の幅が広がっている。
 主な施工場所は住宅、低層用ビル、マンション、病院、老健施設などを予定。参考価格(税別)は、品番「フィンS3515」が11万6600円/㎡~、品番「フィンR3915」が11万7200円/㎡~、品番「フィンZ4815」が11万4000円/㎡~。

ヤマトプロテック 3.5kgタイプ(10型)の粉末消火器 能力単位で「A-4]「B-12」を達成
 総合防災メーカーのヤマトプロテック(東京都港区)は、6kgタイプ(20型)と同等の消火能力を実現した、3・5kgタイプ(10型)の粉末(ABC)消火器の新製品として、「高能力粉末(ABC)消火器/YAXー10」を6月1日より発売する。
 同製品の特徴として、高能力消火薬剤の使用により消火能力が向上している。そのため消火薬剤量3・5kgの消火器で初めて、能力単位でAー4、Bー12を達成。既存品と比べると、A(普通)火災ではAー3からAー4へ、B(油)火災ではBー7からBー12へと、大幅にアップした能力単位で国家検定を取得している。消火器の能力としてBー10以上が要求されるLP(液化石油)ガス、工場、危険物取扱所、高圧ガス施設、コンビナート施設などの設置に最適である。また、既存品の20型粉末(ABC)消火器に比べて質量比4・7kg減少し、持ち運びやすさ、設置スペースにおいて貢献している。
 その他に、消火器の用途や仕様をアイコンで表現する「ワールドワイドデザイン」を採用。 文字を読まずに目で見てすぐに理解することが可能である。使いやすさを高め、迅速な消火活動に寄与している。また、放射圧力源に環境に配慮した地球温暖化係数ゼロの窒素ガス(N2)を使用しているため、気温に左右されずマイナス30℃でも安定した消火能力を発揮。指示圧力計の指針が緑色範囲内〔7・0~9・8(×10ー1MPa)〕にあればいつでも使用が可能になっている。
 全国の販売代理店、防災店を通じて発売され、初年度の販売目標本数は2万本(発売日から1年間)を予定。販売価格は、2万2575円(税込)である。

パナソニック 年間消費電力量62kWh/年を実現
 パナソニック(大阪府門真市)の国内コンシューマー部門であるアプライアンス・ウェルネスマーケティング本部は、待機時温度の低減により省エネ性が向上した温水洗浄便座「ビューティ・トワレ」WDシリーズを7月1日より発売する。
 同製品の特徴として、新開発の高出力の「マイクロチュービングヒーター」を便座に搭載。熱伝導率の良いアルミ合金を使用しており、昇温スピードに優れている。また、使うときに瞬時に便座を温める「瞬間暖房便座」と、使うときだけ浄シャワーを温める「瞬間湯沸しシャワー」の組み合わせにより待機時の保有消費電力を抑える「W瞬間方式」を採用。待機時の保有消費電力を抑えることが出来るようになっている。入室の約6秒後に便座が温められるように人の入室や室温の変化を感知する「エコナビ」が搭載されており、最適な保温温度に制御し自動で節電運転を行うことが可能である。従来の瞬間式GTシリーズにおいて年間消費電力量177kWh/年、年間電気代3890円であったが、同製品では、年間消費電力量62kWh/年、年間電気代1360円を実現している。
 その他に、においを脱臭する「お出迎えオート脱臭」、男性小用時に便座外への飛び散りを抑えるための光の的で表示する「エチケットポイント」機能などがある。
 品番は、「DLーWD60」、「DLーWD50」、「DLーWD40」、「DLーWD20」の4タイプ。「DLーWD60」、「DLーWD50」のみに自動車や建築物の塗装材料に利用されるマイカフレークを活用した便ふたの成形方法を採用し、キズが目立ちにくく高級感ある質感となっている。また、シャワー洗浄後の温風乾燥機能が備わっている。

大林組/ジャパンエナジー 潜熱蓄熱材使用のビル空調用蓄熱システムを開発
 大林組(東京都港区)とジャパンエナジー(東京都港区)は、パラフィン系潜熱蓄熱材「エコジュール(R)」を用いた、ビル空調用の「タンク式中温冷水潜熱蓄熱システム」を共同開発した。
 同商品の主な特徴として、設備のコンパクト化がある。蓄熱量が多い「エコジュール(R)」を利用することにより、従来の水蓄熱方式と比べて40%の容積で同じ能力を発揮。蓄熱槽の容器を屋上や室内で設置が可能なタンク式を実現している。また、冷房システムでは、13℃~19℃程度の比較的高い中温冷水を用いて蓄熱するため、昼間と比べて外気温度が下がる夜間に運転することで、ヒートポンプチラーなど熱源機の高効率な運転が可能である。蓄熱を行わない熱源方式と比較して、約25%のCO2排出量の削減に寄与。その他に、蓄熱運転に安い夜間電力を利用することで、蓄熱システムを使用しない場合と比べて、約70%のランニングコストの低減を図るとともに、電力負荷の平準化に貢献。
 なお、乾燥剤(desiccant)を用いて除湿を行うデシカント空調、天井や床パネルなどの表面温度と人体温度との差による放射で人体熱を除去する放射空調などの潜熱顕熱分離型空調と組み合わせて利用することができるようになっている。

PAGE TOPへ