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ウィズコロナへ啓発ポスター無料ダウンロードを実施

2020.05.25 12:32

 新型コロナウイルス感染症拡大対策で政府が発令した緊急事態宣言は、5月中にも解除の方向へ向かっている。今後は第二波を防ぐためにソーシャルディスタンスや定期的な換気が奨励されるなど「ウィズコロナ」へと突入することになる。
 そのなかでノベルティの製造・企画を事業とする企業が感染予防対策を啓発するポスターデータを無償で配布している。
 実施しているのはユニファースト(東京都台東区)だ。ポスターデザインは社内の若手デザイナーが制作。明るい色を中心にカラフルな配色は、暗くなっている世相を明るくしたいという思いから。そしてイメージキャラクターのカエルは「無事帰る」、「良い方向へ帰る」、また前にしか飛ばないこと、すなわち「仕事運アップ」など縁起が良い動物とされているという。すでにいくつかの公立学校や、市役所及び商店、また同社の取引先などで使用されているという。
 代表取締役社長の橋本敦氏はこのような取り組みについて「感染症拡大のなかで、当社としても何かできることはないかと考えて、今回のアイデアにつながりました」と明かす。
 実はこの「前段」とも言える取り組みがある。4月21日に、同社の本社のある浅草橋エリアに立地する「イチホテル浅草橋」にTシャツとパーカーを150着提供していた。
 「実は5月に社員旅行でホノルルに行くことを予定していて、そこでお揃いの服を着ようと用意していたものでした。今回の新型コロナウイルスの影響で中止となり、お蔵入りとなってしまいました。寄付することを考えるなかで、『イチホテル浅草橋』で医療従事者の方に宿泊場所として提供されていることを拝見しました。その方たちが寝間着や着替えなど自由に使ってほしいと思って寄付することにしました」
 そして5月7日に始まったポスターデータの無料配布。利用しているところからは「ほかに良いのがなかったから助かる」などの声も届いている。「新しい生活様式」に沿ったマナーの啓発に一役買った形だ。橋本氏は「このような取り組みを通して、当社の認知度の拡大につながれば」と事業拡大に寄与することにも期待する。
 ロックダウンを段階的に解除している欧米や中国でも感染拡大第二波への警戒感は高まっている。ビルオーナーにとっても再度の緊急事態宣言となればダメージは測り知れない。プロが制作したポスターを用いることが感染を防ぐ社会づくりの一歩になるかもしれない。

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