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ティファライフ 無光触媒を新型コロナ対策に推進

2020.05.25 12:30

 賃貸物件の仲介と清掃を手掛けるティファライフ(東京都葛飾区)は、新型コロナウイルス対策に無光触媒(リン酸チタニア)の導入を推進する。管理部部長の石塚一典氏は「去年から清掃工程に無光触媒を導入し、今年から葛飾区内では当社が初となる専門代理店になった」と話す。
 無光触媒とは消臭・抗菌・防汚効果の高いコーティング剤。YOOコーポレーション(大阪府藤井寺市)が大阪市立工業研究所(大阪府大阪市)と共同開発・特許取得した溶剤で、関西では既に施工業者に広く普及。多くのホテルや公共施設に導入されている。しかし、関東では知名度が低く、導入が殆ど進んでいないのが現状。特許商品であることから一般販売されておらず、専門代理店または代理店契約を結んだ業者しか使用できないという障壁の高さが一因だった。耐用年数も約10年と、類似のコーティング剤である光触媒の約20年に比べて短い。しかし、光触媒が活性化に光励起を必要とするのに対し、無光触媒の活性化は空気中の水分子による酸化還元で足りる。そのため、暗所でも高い効果を発揮するという特長がある。導入のコストも光触媒に比べると施工が簡易なため安く、無色透明で経年による着色・変色・退色もない。生物にも無害で、植物やあらゆる素材に噴霧することもできる。
 石塚氏は「場所と時間を問わず効果を発揮して、優れた抗菌性能から空気感染リスクを抑制できる。4月に千葉県内の保健施設で無光触媒を導入した後にルミノメーターで計測したところ、生菌数の減少が実際に確認されている。葛飾区と江戸川区の公共施設を中心に、既に導入を検討して頂いている」と強調した。

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