不動産トピックス

【第28回不動産ソリューションフェア&シンポジウムみどころ】セミナー「信託による不動産承継と遺留分対策~共有名義を防ぎ、資産価値を次世代へつなぐ~」

2026.09.29 10:46

10月15日(木)F会場 15時30分~15時55分
講師 東京新宿法律事務所 信託事業部 コンサルタント 石橋正則氏

 今年の不動産ソリューションフェア&シンポジウムでは、信託に関するセミナーが行われる。東京新宿法律事務所(東京都新宿区)信託事業部の石橋正則氏による「信託による不動産承継と遺留分対策 ~共有名義を防ぎ、資産価値を次世代へつなぐ~」だ。
 「不動産は一つ、相続人は複数」。不動産オーナーの相続において、多くの関係者が直面するのがこの問題。オーナーの高齢化が進むなか、相続発生後に不動産が共有名義となり、売却や建替え、資産活用などの重要な意思決定が滞ってしまうケースは少なくない。共有者間で意見が一致しなければ、好立地の不動産であっても有効活用が進まず、資産価値の低下や収益機会の喪失につながるおそれがある。こうした問題はオーナーの一族のみならず、不動産管理会社や仲介会社、開発事業者にとっても大きな課題となっている。
 一方、相続対策として遺言書を作成していても、遺留分への配慮が必要となるケースでは、必ずしもオーナーの希望どおりの承継が実現できるとは限らない。特に収益不動産を中心とした資産構成の場合、「公平な相続」と「円滑な事業承継」を両立させることは容易ではない。
 こうした課題への選択肢として注目されているのが「民事信託」。信託を活用すると、不動産の管理・処分に関する権限と、収益を受け取る権利を分離して承継させることが可能となる。生前にオーナーが不動産を信託し、管理・処分の権限を受託者に集約することで、相続後も一体的な運用を維持することが可能になる一方、収益だけは相続人の間で公平に分けることが可能。いわば、「不動産は一つのまま、利益だけを公平に分ける」という設計だ。
 特に、所得分散による節税を兼ねて、後継者が設立した不動産管理会社に建物だけを保有させている、いわゆる「建物の法人化」を行った場合には、土地がオーナー名義のままが多い。この土地を信託し相続人には地代の受取りを可能とする信託受益権を承継させることで、共有名義化の防止と遺留分への配慮を両立させるスキームには有効性がある。
 本セミナーでは、不動産オーナーの実例をモデルケースとして、民事信託を活用した承継対策の考え方や実務上のポイントを分かりやすく解説。「不動産は一つ、相続人は複数」という難題に、信託がどのような解決策をもたらすのか。承継対策に悩む不動産オーナーや、そのオーナーを支える不動産管理会社など、不動産オーナーの関係者にとっては多くのヒントが得られる内容である。

<週刊不動産経営9月28日号紙面より>




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