不動産トピックス
【1/12号・今週の最終面特集】不動産業界NEXTブレイク注目の製品

2026.01.12 10:36
環境貢献・安全安心に資する次世代の商品 大手企業も導入し採用実績増加
人手不足やエネルギー問題をはじめ多くの克服すべき課題を抱えつつも、2026年の不動産業界はさらなる発展を目指す。今回は成長企業が手掛けるアイディアあふれる商品を紹介。これらのアイテムが未来の業界のスタンダードとなるかもしれない。
機能性とデザイン性を両立 高輝度蓄光ユニット販売
humorous(ユーモラス、東京都目黒区)の田村勇気社長は、大手広告代理店で長年にわたりエンターテイメント業界に携わってきた経歴を持つ。2022年に独立して立ち上げた同社はテクノロジーとエンタメの融合による新たな価値の提供に取り組んでおり、昨年は東京都と日本デザイン振興会が主催する「TOKYO BUSINESS DESIGN AWARD2025」の技術企業に選出されるなど、成長著しいスタートアップ企業として注目を集めている。
同社が手掛ける高輝度蓄光ユニット「ナイトコンシェルジュ」は、機能性とデザイン性を両立した商品。津波避難誘導標識システム「JISZ9097」の基準を満たしており、発光開始から12時間経過後も1㎡あたり3ミリカンデラ以上の明るさを保持する。田村氏は「従来の蓄光製品の大半は防災・保安目的で開発され、標識としての役割をもって流通しています。一方、『ナイトコンシェルジュ』は蓄光による空間演出を新たなメディアととらえ、高い機能性も持ちつつも人と空間のコミュニケーションを目的に開発された点が、従来製品と大きく異なる点です」と話す。防犯・誘導灯や案内サインなどでは、空間を照らすことを前提としたLED照明が用いられる例が多い。「ナイトコンシェルジュ」は照明設備の代替を目的とするものではなく、非点灯・非電力の蓄光によって、暗闇を保ったまま人の動線や存在を穏やかに可視化する新しいサインのあり方を提案している。
製品はシートタイプの「GRAPHIC SKIN(グラフィックスキン)」、階段専用の蓄光ユニット「Cutting Edge(カッティングエッジ)」、蓄光ボードと吸着フィルムが一体となったユニット「ALTERNA(オルタナ)」などをラインアップ。「グラフィックスキン」は、躯体の表面に直接貼ることのできるステッカータイプで、ガラス面や曲面にも対応。企業ロゴなどのグラフィックデザインを発光させることが可能だ。「Cutting Edge」は階段の際に設置することで、利用者に安全な誘導を促す蓄光ユニットである。製品の端部が鋭角な形状となっており、組み合わせを変化させればデザインの自由度を広げることができる点が特徴となっている。また「ALTERNA」はボード・フィルム一体型の蓄光ユニットで、従来製品は1つのデザインにつき1製品を製作する必要があったところ、「ALTERNA」は表面のシートを張り替えることで何度でもデザインの変更が可能である。建築工事中の仮囲いを利用したアート企画や、墨田区の公園での施設案内サインなどでの実績を多く持ち、夜間の安全確保だけでなく空間演出にも大きく貢献する。このほか、平面のみならず立体形状の蓄光ユニットの販売も行っているとのことだ。
田村氏は「『ナイトコンシェルジュ』を導入いただいた施設へのアンケートでは、施設利用者の85%が『安心を感じた』と回答し、94%の方が『施設に好感を持った』と回答しました。暗い環境下での安全性の向上や、災害等における避難誘導、施設の魅力向上と、さまざまな面において『ナイトコンシェルジュ』は効果をもたらします」と自信をみせる。
ガラス用遮熱・断熱塗料で快適な住まい環境を支援
住宅支援機構(東京都港区)は、住宅の最長60年保証や住宅設備の最長15年保証など、中小のハウスメーカーや工務店、不動産会社の後方支援を行うサービスを展開している。代表理事の堰口新一氏は「大手のハウスメーカーは自前で60年保証を提供できるだけの体力がありますが、中小のハウスメーカーや地域の工務店、不動産会社ではなかなか困難です。そこで当法人の最長60年の長期保証プログラムをご活用いただくことで、顧客への信頼獲得につなげていただくことが可能です。このほか、住宅引き渡し後の定期点検の代行サービスも提供しており、アフターサービスについてもサポートいたします」と話す。住宅支援機構では全国対応のネットワークを構築しており、サービスを提供しているハウスメーカーや不動産会社は約400社にのぼる。
また、住宅支援機構では快適な住まい環境づくりの施策として、窓ガラスの遮熱・断熱に効果を発揮する塗料「節電ガラスコート」の提案を積極的に行っており、ビル・マンションや病院・ホテル、公共施設・教育施設など、幅広い分野の建物で施工実績を積み重ねている。100円ショップの「DAISO」店舗では2019年から2023年にかけて全国1100店舗以上において、窓ガラスに「節電ガラスコート」が施工された実績を持つ。
一般的な窓ガラス用のコーティング材はスポンジバーやスプレーガンなどを用いて塗布するが、「節電ガラスコート」はローラー工法で塗布するため、施工にあたって特殊な技能等は不要。施工中に修正・補修も可能であり、ガラス表面の膜厚を均一にすることができる。施工後の近赤外線カット率は80%前後と極めて高く、夏場は室内温度の上昇を抑え、冬場は暖房による熱エネルギーの流出を抑制。これにより、空調の運用効率が改善され電気代の削減に効果が見込めるのだ。可視光透過率は施工前と施工後で10%程度しか変わらず、「節電ガラスコート」の塗布後もガラスそのものの透明感にほぼ変化が生じないことも大きな特徴といえる。
堰口氏は「開口部の断熱性能を向上させるためにLow-Eペアガラスを設置するケースがありますが、コストは1㎡あたり約4万5000円であるのに対し、『節電ガラスコート』は1㎡あたり1万2000円程度で施工が可能です。コストを抑えて窓ガラスの遮熱断熱を実現し、快適な室内環境と空調効率の改善を目指す際には、『節電ガラスコート』をご検討いただきたいと思います」と述べている。
さまざまな場所へ設置可能 ペロブスカイト太陽電池の実証実験開始
ベイサン(横浜市港北区)は、ペクセル・テクノロジーズ(川崎市麻生区)、アキレス(東京都新宿区)と共同で、厚木市に所在する「神奈川県総合防災センター」にて次世代型のペロブスカイト太陽電池、災害用エアーテント、リチウムイオン蓄電池を組み合わせた可搬型発電・蓄電システムの実証実験を3月31日まで行っている。
展示内容は、ペロブスカイト太陽電池を連結したパネルを災害用エアーテントの庇部とテント内側の窓辺に取り付けるというもの。ペロブスカイト太陽電池とは、特殊な構造を持つ材料で製造された太陽電池のことで、従来のシリコン系太陽電池などに匹敵する変換効率を有する。またシリコン系太陽電池が設置困難とされてきたビルの壁面や耐荷重が低い屋根にも設置できるとして、今後の太陽光発電のさらなる普及拡大に貢献できると期待されている。



