不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2023.06.26 10:16

アパホテルが東京2棟、埼玉1棟開業へ 「アパホテル<渋谷道玄坂>」は増築
 全国でホテルネットワークを展開する総合都市開発のアパグループ(東京都港区)では、新たに3棟の施設を出店させる。同グループは現在、建築・設計中、海外、FC、アパ直参画ホテルを含め、728ホテル・11万2216室を展開している。2022年4月からは新たな5カ年計画「AIM5 ~APA Innovative Movement」を始動。アフターコロナにおけるニーズの変化やDX化の波を捉えながら、国内で圧倒的なナンバーワンチェーンとなるべく、2027年3月末までに15万室展開を目指していきたいという。
西葛西駅前に起工2024年8月竣工
 同社はこのほど、「アパホテル〈東京西葛西駅前〉」の計画地(東京都江戸川区)で起工式を行った。2024年8月の開業を予定している。
 当日出席したアパグループ専務の元谷拓氏は、「西葛西ではフランチャイズの『アパホテル〈TKP東京西葛西〉』が開業した土地でもあり、ビジネスホテルも多く、ホテルの激戦区となっている。また東京メトロ東西線で都心の大手町や日本橋へもアクセスできる。さらに江戸川区は子育て支援が拡充しており、東京ディズニーリゾートにも近いため、カップルやファミリーにも人気があり、ビジネスにも観光にも利用できる至便な立地となる。来年の開業に向けて、1ホテル1イノベーションの理念の下、進化を前向きに受け止めて工事を進めて欲しい。ホテルがあるからこそ街は発展するので、経済発展の受け皿となるホテルを皆で誇りをもって作り、完成した暁にはお客様に感動を与えられるよう、全員でアイデアを出し合いながら、地域に愛されるホテルを目指して欲しい」と話した。
 同ホテルは、東京メトロ東西線「西葛西」駅より徒歩1分の駅前立地。開業すれば、江戸川区内では、2017年12月開業の「アパホテル〈TKP 東京西葛西〉」(全124室)と合わせ2棟・282室となる。
  ドミナント戦略でネットワーク拡充
 同社はまた埼玉県熊谷市「熊谷」駅にホテル開発用地を取得した。同案件は、上越新幹線、JR高崎線、秩父鉄道「熊谷」駅より徒歩4分に位置。熊谷市は埼玉県北部の経済・工業の一大拠点として栄えており、JR線で主要駅の「大宮」駅や「東京」駅へ、新幹線で「長野」駅や「新潟」駅まで乗り換えなしでアクセス可能。
 周辺には複数の工業団地や「熊谷ラグビー場」などを有する「熊谷スポーツ文化公園」も所在していることから、ビジネスやスポーツイベントなど幅広い宿泊需要を見込み今回の取得に至った。
 今後は全257室の「アパホテル〈熊谷駅前北〉」として、2025年3月の開業を目指す。
 埼玉県内では、「アパホテル〈さいたま新都心駅北〉」、「アパホテル〈埼玉東松山駅前〉」、「アパホテル〈埼玉谷塚駅前〉」の3棟を運営しており、同案件を含めると4棟・705室となる。
 都心部では、「アパホテル〈渋谷道玄坂上〉」増築棟を建設する。同ホテルは、2012年11月21日に開業し、開業当初から高い稼働率を維持しながら運営しており、ポストコロナを見据え、さらなる客室数増加を図るため、新館増築を決定したもの。
 今回、起工式を迎えた増築棟は、地上12階建、客室数74室となる。現在、運営中の既存棟と2棟合わせて全247室のホテルとなる。
 同ホテルは、東京メトロ半蔵門線、銀座線、副都心線、東急田園都市線「渋谷」駅徒歩5分。2024年11月の開業を予定している。 同社では今後も、全国的に需要が見込めるエリアにおいては、ホテル運営・人員効率の向上を踏まえたドミナント戦略を積極的に行いながら、アパホテルネットワークの拡充を強化していく。

杉乃井ホテル 露天風呂をリニューアル
 別府温泉杉乃井ホテル(大分県別府市)は、大展望露天風呂「棚湯」を7月1日にリニューアルオープンさせる。
 同ホテルでは現在、大規模リニューアルプロジェクトを進めており、2021年7月にカジュアル棟「虹館」、2023年1月にフラッグシップ棟「宙館」を開業したほか、2025年1月には「星館」の開業を予定している。
 今回、杉乃井パレスに位置する「棚湯」を20年ぶりにリニューアルし、「五感で味わう別府体験」をテーマに、温泉湧出量全国一位の別府に根付く杉乃井ホテルらしいエンターテインメント性ある温泉体験を提供していきたいという。
 「棚湯」は、5段からなる湯船を棚田状に広げており、別府湾や街の夜景、そして晴れた日には、四国佐田岬までを借景にした眺望が特徴。リニューアルでは、サウナエリアの拡充や升湯、音の湯を新設したほか、脱衣所、パウダールームを刷新。浴室の床を石肌の風合いのあるタイルに張り替える。
 サウナ室の改修では、照明を落とした室内に、アロマ水による自動ロウリュウと光の演出を行う。また水風呂を新規設置し、外気浴スペースと一体化させた。 
 同ホテルは、ORIX HOTELS & RESORTS のグループホテルで、別府八湯のひとつ観海寺温泉に位置し、山は鶴見岳の景観を仰ぎ、晴れた日には遠く四国・佐田岬までを望む、別府湾一望の高台に建つ。

共立メンテナンス 「観音崎京急ホテル」を「ラビスタ」ブランドに
 共立メンテナンス(東京都千代田区)は、京浜急行電鉄(神奈川県横浜市)が2022年9月に営業を終了した神奈川県横須賀市の「観音崎京急ホテル」を共立リゾート「ラビスタ観音崎テラス」として8月4日にリニューアルオープンさせることとなった。
 共立メンテナンスが業務委託を受けて、「ラビスタ」ブランド11棟目とする。共立リゾート「ラビスタ」ブランドとしては、神奈川県初進出になる。
   全室オーシャンビューの客室や天然温泉を使用した眺望露天風呂はそのままに、「ラビスタ(眺望)」の名にふさわしく、周辺環境を最大限に活かしたロケーションを提供する。
 また、同ホテルでは近年、新しいキャンプのスタイルとして人気を博しているグランピング施設を15棟新たに設け、多様な滞在ニーズを獲得していく。 
 2022年4月から、施設近隣地で約70haの広大な自然を有する神奈川県立観音崎公園の管理運営を京急グループの京急サービスと、公益財団法人神奈川県公園協会が指定管理者として新たに受託している。そのことから、エリア一帯で京急電鉄が推進する三浦半島のエリアマネジメントと連携し、エリア全体の観光活性化・魅力向上を目指していきたいという。
   共立リゾートとは、共立メンテナンスの運営するリゾートホテル事業。絶景を愉しむリゾートホテル「ラビスタ」シリーズやペットとの滞在を愉しむ「ルシアン」シリーズ、「和の湯宿」など、上質でありながら肩の凝らないおもてなしが味わえるリゾートホテル・癒しの湯宿。「ラビスタ観音崎テラス」を含め、全国に42ヵ所に展開している。
   共立メンテナンスは1979年に設立し、企業の給食受託業務から事業を開始。その後「ヒューマンメンテナンス」の精神を基軸に、学生寮・社員寮「ドーミー」を運営する寮事業、ビジネスホテル「ドーミーイン」・リゾートホテル「共立リゾート」を運営するホテル事業、高齢者向け住宅「ドーミーシニア」を運営するシニアライフ事業を展開している。

シナジーアイ トレーラーホテル事業スタート
 シナジーアイ(滋賀県草津市)では、年々被害が増大する自然災害に備え、防災インフラに資するトレーラーホテル事業「PB STAY」をスタート。1号店となる「PB STAY 甲南」(滋賀県甲賀市)を6月1日にオープンさせた。
 同施設は、敷地面積943・96㎡、客室は、シングルルーム6室、ダブルルーム4室。
 キッチンやトイレ、バスルーム、エアコン、冷蔵庫などを完備。車でけん引して動かせる特性により、有事の際は被災地へ速やかに出動し、現地で仮設住宅や診療所として利用することが可能だ。トレーラーハウスを「動く防災拠点」として活用することで被災者の安心と安全を守り、地域社会の防災インフラの発展への貢献を目指す。
 同社は、トレーラーハウス事業「Peace Box」を母体に、複数の事業を展開している。
 「PB STAY」は宿泊サービスに特化した「トレーラーホテル事業」。有事の際は「動く防災拠点」として活用する他、平時は市外から訪れるビジネスパーソンや観光客向けの宿泊施設として運営する。
 同社は、「防災インフラにおける住空間デザインの分野で東海道一の会社」を目指し、防災インフラに資する取り組みとしてトレーラーハウスを中心とした事業を展開している。今後、防災拠点としてトレーラーホテルを滋賀県内7ヶ所に設置し、県の防災意識の向上を促進させるなど、防災インフラの推進に努めていきたいという。
 
ルートイン 334店舗目開業
 総合ホテルチェーン「ルートインホテルズ」を運営するルートインジャパン(東京都品川区)では、長野県中野市にグループ334店舗目のホテルとして「ホテルルートインGrand中野小布施」を開業させた。
 同ホテルは長野電鉄長野線「信州中野」駅より徒歩約3分に位置し、総客室数166室、100台の無料駐車場を完備する。
 宿泊者専用の男女別天然温泉大浴場と地元食材を使用したバイキング朝食を提供する。
同社では、「ホテルルートイン」、「ルートイングランティア」、「グランヴィリオホテル」、「アークホテル」とゴルフ場を全国に展開している。

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