不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2023.03.13 10:24

アパグループが2022年10樂期決算発表 連結売上高前期比50.8%増1382億円
 総合都市開発のアパグループ(東京都港区)ではこのほど、2022年11月期連結決算を発表した。
 これによれば、グループ連結売上高は、前期比50・8%の増1382億円、経常利益前期比369・5%増の353億円と、前期対比増収増益となった。
 依然として新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、まん延防止等重点措置が2022年3月に解除されてからは、ホテルの需要が徐々に回復に向かっている。特に10月からは、全国旅行支援やインバウンドの全面解禁により、急速に需要が拡大した。こうした需要の回復や感染者受入等のための一棟貸しが想定よりも長期化したことで、当期は大幅な増収増益となった。
 2023年11月期については、引き続きホテルの需要回復が見込まれるほか、分譲マンション「ザ・プレミア〈新潟駅 万代〉」の引き渡し等もあり、増収が見込まれる一方、水道光熱費や外注費、人件費等のコストの大幅な増加も予想されることから、減益となる見込みだ。
 同社はまた、東京都台東区で16棟目となる「アパホテル〈浅草 蔵前北〉」(全218室)を開業させた。  同ホテルは、都営大江戸線「蔵前」駅から徒歩3分に位置。1階には24時間利用可能な無人型ミニコンビニ「スマートマルシェ」を併設している。「浅草寺」など浅草の中心部へ徒歩圏内であり、上層階のビュールームからは隅田川や浅草周辺の景観を楽しむことができる。また、羽田空港・成田空港へ乗り換えなしでアクセス可能であり、ビジネスのみならず、国内レジャー、インバウンド、イベント需要など幅広い宿泊需要を取り込んでいく。
 客室設備は高品質・高機能・環境対応型を理念とする「新都市型ホテル」の最新仕様。同社は、「Even Better! APA HOTEL -さらによりよく-」を掲げて宿泊者の利便性・居住性を追求し続けており、同ホテルでも新たに改良を行うことで、今まで以上に快適な客室空間へとイノベーションを行った。
   同グループ社長兼CEOの元谷一志氏は話す。「当ホテルは台東区16棟目の開業。浅草エリアはインバウンド人気が高く、今後益々需要が増えていくと見込み先手を打って拡大戦略を図ってきた。アパホテルでは『1ホテル1イノベーション』『アパホテルはラボである』を掲げ、当ホテルにおいては、キャッシュレス決済対応のコインランドリーの導入やユニットバス内のシャワーホースなどを一部改良しており、小さなことであっても積み重ねていくことで、他のホテルとの差別化を図っていく」。
 台東区では、上野・浅草エリアを中心にドミナント戦略を図っており、現在16棟3663室が稼働中だ。今後さらに上野エリアで2棟の開業を控えており、建築・設計中を含めると18棟4187室となる。

ソラーレH&Rが初の温泉宿を開業
 ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(東京都港区)では、同社初となる温泉宿「ホテル桜」(佐賀県嬉野市)を今春に開業する。同施設は、A.P.アセットマネジメント(東京都千代田区)がアセットマネジメントを手掛ける所有者と契約を締結、日本三大美肌の湯である嬉野温泉に所在する既存施設をリブランドする。
 同施設は、地上11階建て、敷地面積2828・66㎡、延床面積7798・41㎡、客室数55室、温泉(男女別)、レストラン、ラウンジ、喫煙スペースを併設する。 
 嬉野温泉は、奈良時代初期に編纂されたとされる肥前国風土記に記載されるほどの古い歴史をもち、長崎街道の宿場町として栄えた江戸時代の頃から歓楽温泉として知られてきた。
 庶民の生活と共に発展する中で、「嬉野茶」や「肥前吉田焼」などの伝統文化が息づき、レトロな雰囲気が残る街並みも魅力的な温泉街だ。
 その嬉野温泉の地に、このたびオープンする同施設は、嬉野温泉の街の魅力と伝統に、現代の感覚を取り入れた空間で、熟年世代にとっては懐かしく、若い世代にとっては新しい、あらゆる世代の方にときめきを感じてもらえる温泉宿を目指す。
 同施設では、嬉野温泉の魅力を最大限に提供するため、最上階の大浴場をはじめとした大規模なリニューアルを実施。大浴場の内風呂には、男湯と女湯ともに、歓楽街として栄えていた嬉野をイメージしたカラフルで華やかなタイルアートを配した。
 ソラーレホテルズは宿泊施設や地域経済の活性化と再生支援のため、事業再生支援チームを発足。国内外のホテル運営で確立した独自の運営モデルと複数ブランドを活かし、運営会社の変更を伴う事業再生や承継支援、運営会社を変更せずに収益向上を図る運営支援、送客支援なども行っていく。その他、ネットワーク(金融機関、投資ファンド等)構築や、宿泊施設の雇用維持や、地域経済の活性化についても積極的に取り組んでいる。
 同社では、「雨庵 金沢」「ザ・スクエアホテル」「ホテル・アンドルームス」「ロワジール」「ロイヤルパインズホテル浦和」「チサン」など17のホテルブランドを有し、国内64カ所、海外1カ所で、9677室のホテル宿泊部門および売店部門・料飲部門・大浴場・スパの運営、フランチャイズ運営などの事業を展開している。

ワールドワイドベース デザイン民泊をオープン
 北海道内に宿泊施設を展開するワールドワイドベース(北海道札幌市)では、北海道上川郡美瑛町で民泊施設「UU HOME」をオープンさせた。
 同施設は、「センスあふれる空間でゆったりとくつろげる」をコンセプトに、デザイン事務所が監修したアットホームでありながら洗練された空間で、家族や友人と楽しくリラックスした時間を提供する。
 近年、ワークスタイルにおける人々の価値観は多様化し、リモートワークやワーケーションといった自由な働き方への関心が高まっている。市街地にありながら、少し足を延ばせば広大な自然を体感できる同施設は、ワーケーションを実現する環境として提供する。
 同施設は「札幌」駅から約2時間半に位置。全4室(2階2室・3階2室)。ダイニングテーブル・キッチン・回転式乾燥機・電気ポット・電子レンジ・冷蔵庫・洗濯機・洗濯物干し・クローゼット・エアコン等を完備する。非接触でのチェックイン・チェックアウトが可能となっている。

ANAクラウンプラザ札幌 デイユースプラン開始
 ANAクラウンプラザホテル札幌(北海道札幌市)は、3月1日より「ロングデイユースプラン」の販売を開始した。
 これは最大8時間利用可能のデイユースプラン。持ち込み自由で浴室も使えるので様々な用途に使える個室となる。大きなデスクで会議や勉強、プロジェクターでゲームや動画鑑賞、家族などと食事を楽しむなど、自由利用することができる。
 同ホテルの全412室の客室は、ナチュラルカラーを基調とした快適なインテリアを配置。様々な用途に対応できる大小合わせて18室の宴会場も設置している。23階と24階にある天空の宴会場と札幌最大級の本格的な数寄屋造りの座敷は、音響と照明が完全にシンクロし、あらゆるイベントに最適な空間を目指している。
 
オペレーションズ SiSりんくうタワーに新施設
 オペレーションズ(大阪府泉佐野市)では、「オディシススイーツ大阪エアポートホテル」を開業させた。
 同ホテルは、「SiS りんくうタワー」(旧りんくうゲートタワービル)内(1階・2階・15・16・19~24・26階)にあり、関西空港まで電車で約5分、JR・南海電鉄が乗り入れる「りんくうタウン」駅直結、国内外のブランド約250店舗を擁する「りんくうプレミアム・アウトレット」をはじめ、「りんくう公園」「マーブルビーチ」にも近いロケーションに位置する。
 日本の伝統色を添えつつ、現代的な機能性を備えたスタイリッシュなインテリアデザイン。落ち着いたブラウンとナチュラルなホワイトの2タイプでフロアごとにコーディネート。部屋には、シモンズ社製ベッドをはじめ、4K多機能TVを完備。YouTube、Netflexなどの動画サービスも見ることが可能だ。客室の約60%がリビングとベッドルームに独立した、30㎡以上の家に居るような広々としたゲストルームを提供する。

霞ヶ関キャピタル 開発用地を取得
 霞ヶ関キャピタル(東京都千代田区)ではこのほど、アパートメントホテルの開発用地を取得した。
 同社は観光立国の実現や地域創生への貢献を目的にアパートメントホテルの開発に取り組んでおり、全国で展開を行っている。取得用地は、同社グループのホテルブランド「FAV HOTEL」を開発する。
 「FAV HOTEL」は3人以上のグループステイのために「広く、快適で、スタイリッシュ」な客室をリーズナブルな値段で提供するホテルブランド。ゲストの「『Fav』orite」な空間でありたいとの願いを込めてこの名称とした。
 同社は不動産コンサルティング事業(物流施設開発、アパートメントホテル開発、ヘルスケア関連施設開発、ファンド事業、海外投資)、自然エネルギー事業を展開している。

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