不動産トピックス

クローズアップ リユース・リサイクル編

2023.03.06 10:15

 大量消費が進み、資源乱掘や廃棄物増大による環境破壊が課題とされて久しい。不動産経営においても持続可能性の検討が必要とされているが、まずは無駄の排除、環境配慮製品への交換など、足下から見直してみたい。

タイルカーペット専門のランドリーショップ開設 セルフクリーニングは税込み1枚330円
 エムシープランナーズ(東京都江東区)は先月20日、タイルカーペット専門のランドリーショップをオープン。より多くの人へ「丸洗いリセット洗浄」の成果を知ってもらうために開始した。
 同社は石材とタイルカーペットの再生クリーニング専門施工を手掛ける。特にカーボン=CO2の排出を見直す取り組みでもある、タイルカーペット丸洗いリセット施工とリユースタイルカーペットのエシレが好評を得てきた。タイルカーペット丸洗いリセット施工は、経年劣化等で汚れが目立ってきたタイルカーペットを専用マシンで1枚ずつ丸洗い。強力なブラッシングでカーペット内部に堆積した泥・ホコリなどの汚れを洗い流す。施工費は新品貼り替えの約半分程度の金額で済み、廃棄物削減・CO2削減の双方で貢献する。一方でテナント退去に伴う原状回復工事で貼り替えられたタイルカーペットの中で再生可能なタイルカーペットを1枚1円で買い取るサービスも行っている。買い取ったタイルカーペットはリセット洗浄で再生した後に「リユースカーペット エシレ」として販売する。小規模オフィスや小スペースの床貼り替えに好まれており、ビルオーナーやデベロッパー、PM業務等を請け負うビル管理会社からも注目を集めてきた。
 これら前述の取り組みを更に多くの人へ周知するために、同社1階にランドリーショップを開設した。同ショップでは「お預けクリーニング」と「セルフクリーニング」が利用できる。お預けクリーニングは、洋服のクリーニング店と同様のサービス。同店がカーペットを預かり、リユースセンター(洗浄工場)でキレイに洗浄して返却するスタイル。預かり期間の目安は7~10日間。洗浄費用は税込みで1枚440円。裏面にフエルトを施した製品であると税込み1枚550円となる。預かり期間中には代替えのタイルカーペットの貸し出しも行っている。
 セルフクリーニングは、自身で洗浄するスタイル。作業手順や機械操作は店舗スタッフが手伝いながら、丁寧で分かりやすく説明する。セルフの場合、洗浄費用は税込み1枚330円。ちなみにカーペット枚数が10枚以下であると、洗浄時間はおよそ30分。30枚程度であると約1時間かかり、50枚程度であると約2時間となる。営業時間は10時~18時までで、定休日は毎週水曜日と年末年始。
 自社物件のタイルカーペットを洗浄して清潔に保ちたい、美観を維持したいなどのニーズに応えることができるランドリーショップ。買い替えも抑えることができるため、利用しては如何か。

廃棄された漁網を再生 オフィスチェアやカーペットに
 再生プラスチック等の研究・開発事業を展開するリファインバースグループ(東京都千代田区)の100%子会社であるリファインバース(東京都千代田区)は、自社開発の再生ナイロン樹脂「REAMIDE(リアミド)」を生産している。
 「リアミド」は、使用済み漁網を主な原料とした再生ナイロンコンパウンド。リファインバースでは、国内で廃棄される漁網をリサイクルする技術を独自開発し、2019年に専用の一宮工場を設立した。以降、マテリアルリサイクルナイロン樹脂/繊維「リアミド」として、素材メーカーなどへ販売する事業を拡大してきた。
 回収した漁網を洗浄及びフィルタリングして異物を除去し、再生ナイロン原料をベースに有機・無機材料で改質。再生ナイロンコンパウンドとして30年以上の市場実績がある。
 東レ(東京都中央区)では、生産販売するケミカルリサイクルナイロン繊維の原料として使用。スポーツ・アウトドア向けの薄地織物や、インナー・レッグアパレル向けを中心とした衣料用途に加え、自動車部品やロープ、漁網、カーペットなどの一般産業資材向けも含めた幅広い産業分野での用途展開が想定されているという。
 オカムラ(横浜市西区)では、オフィスチェア「Contessa 2.(コンテッサ セコンダ)」サーキュラーモデルの原材料として使用している。背と座の樹脂フレーム部品に使用しているほか、座面には「リアミド」の糸と再生PET糸を編み込みオカムラが独自開発したニット素材「Re:net(リネット)」を使用している。
 リファインバースでは、「廃棄物を資源としてとらえ新たな素材へと生まれ変わらせる素材メーカーとして、今後も廃プラスチックの回収網構築、独自リサイクル技術・事業の開発を積極的に進め、さらにパートナー企業と協力することにより、様々な廃プラスチックがそれぞれに最適な手法で再生され新たな素材へと生まれ変わるサーキュラーエコノミーの構築に貢献してまいります」としている。

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