不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.09.12 10:31

アパホテル FC加盟店が2店目をリブランドオープン 1店舗目の業績好調を受けて
既存施設改装し「新都市型」仕様に
 アパホテルネットワークとして全国最大級の702ホテル10万7161室(建築・設計中、海外、FC、アパ直参画ホテルを含む)を展開するアパホテル(東京都港区)。同社は新たに2施設をオープンさせる。
 この程、西町(青森県八戸市)とフランチャイズ契約を締結、埼玉県草加市内にある既存ホテルを全97室の「アパホテル〈埼玉谷塚駅前〉」(埼玉県草加市)として、11月1日(予定)にリブランドオープンさせる。
 西町は、2015年5月にアパホテルズ&リゾーツフランチャイズに加盟し、112室の「アパホテル〈本八戸〉」(青森県八戸市)を開業。ブランド力を武器に業績が好調に推移していることから、今般2棟目のフランチャイズ契約締結となったもの。
 同ホテルは、東武スカイツリーライン線「谷塚」駅東口徒歩3分に位置。埼玉の名産品「草加せんべい」が有名な草加エリアは、食品製造が盛んな「草加柿木地区産業団地」があることに加えて、日本の道百選にも選ばれた松並木「草加松原」など観光資源も有しており、ビジネスだけでなく観光など幅広く宿泊需要を取り込んでいく。開業に当たり、客室設備は高品質・高機能・環境対応型を理念とする「新都市型ホテル」仕様にリニューアル。また最先端のIT開発として1秒チェックイン機を導入する。
 今回加盟した西町は八戸市中心街で、ホテル事業、レンタカー事業、介護事業、ビルテナント・パーキング管理事業を展開する。1630年(寛永7年)、八戸市二十八日町の地で初代の石橋徳右衛門が酒造、質店、鉄山支配を始め、駐車場、書店経営など業を変えながら。地域社会とともに歩みを進めてきた。

西日本最大級規模 大阪・梅田に誕生
 アパホテルはまた、2023年2月1日に、西日本最大級の客室を誇る「アパホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉」を開業させる。 
 同ホテルは全1704室、地上34階建の超高層タワー型ホテル。最上階に展望プールを附設しているほか、大浴殿・露天風呂、2つのレストラン、カフェ、フィットネスジム、コンビニ、エステ、雑貨店など様々な館内施設を有する。都会に居ながらリゾート気分を味わえ、滞在そのものを楽しめる「アーバンリゾート」として、大阪梅田エリアの新たなランドマークとなるホテルを目指す。
 客室設備は「新都市型ホテル」の最新仕様。客室構成はスタンダードルーム(140cm幅・1ベッド)、ツインルーム(120cm幅・2ベッド)といった標準客室のほか、スイートルーム、デラックスツインルーム、トリプルルーム、隣り合うシングルルーム同士を必要に応じ繋げて利用できるS-Sコネクトツインルームなど、10種類以上の部屋タイプを用意している。
 同ホテルは大阪メトロ谷町線「東梅田」駅徒歩3分に位置。多くの飲食店が立ち並ぶ「曽根崎お初天神通り商店街」や梅田エリアの百貨店街にも近く、ビジネス、レジャー、インバウンドなど幅広い宿泊需要を取り込んでいく。  
 同社は現在、FC、建築・設計中を含め、大阪市内で26ホテル1万1130室、大阪府内では30ホテル1万1582室を展開している。2025年に開催が決定した大阪・関西万博とその後の需要拡大を見込み、大阪エリアでは大型タワーホテルの開発に注力しており、現在「アパホテル&リゾート〈大阪難波駅タワー〉」(40階建・全2055室・2024年秋開業予定)も建築中だ。

  「ホテルインディゴ東京」渋谷の新ランドマークビルに出店
 IHGホテルズ&リゾーツ(本社・英国)ではこのほど、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスと運営受託契約を締結し、2023年9月に「ホテルインディゴ東京渋谷」を開業させることとなった。
 同ホテルは、2020年に開業した「ホテルインディゴ箱根強羅」、今春に開業した「ホテルインディゴ軽井沢」、「ホテルインディゴ犬山有楽苑」に続き、国内4軒目の「ホテルインディゴ」ブランドとなる。
 同ホテルは、渋谷文化村通りの新たなライフスタイル拠点「渋谷区道玄坂二丁目開発計画」として開発が進められている大規模複合施設「道玄坂通/dogenzaka-dori」の上層階に位置。「渋谷」駅から約5分、世界中から注目を集めるカルチャー発信地のシンボルである渋谷スクランブル交差点と、落ち着いた佇まいの住宅街である松濤エリアの中間に位置する。
 ホテル内には、全272の客室のほか、屋外テラスのある「(仮)ネイバーフッド カフェ&バー」、フィットネスジムなどの施設を予定。上層階を占める客室からは、晴れた日には富士山や東京スカイツリーなどパノラマビューの絶景を望むことが可能。渋谷の街の新たな回遊ルートの1つとなる3階のエントランス付近には、イートイン&テイクアウトが可能なコーヒーショップも併設する予定だ。 
 世界各地に開業予定を含め254軒を展開する「ホテルインディゴ」は、その街の個性とその土地ならではの歴史やカルチャーを、ホテルのデザインやアートのほか、ストーリーテラーなサービスなど、ホテル体験を通して土地にある「ネイバーフッドストーリー」をゲストに提供するライフスタイル・ブティックホテルブランド。
 IHGホテルズ&リゾーツは、日本では「インターコンチネンタル」、「キンプトン」、「ANAクラウンプラザ」、「ホリデイ・イン」、「ホリデイ・イン エクスプレス」、「ホテルインディゴ」の6ブランドのもと、開業と開業予定を含めて合計50軒のホテルを展開している。

UDS 大和ハウスグループと協業で金沢に
 UDS(東京都渋谷区)では、石川県金沢市袋町に、大和ハウスリアルティマネジメント(東京都千代田区)より企画、設計、運営業務を受託するホテル「SOKI KANAZAWA(そき かなざわ)」を今秋オープンさせる。 
 同ブランド「SOKI」が目指すのは「あるがままの自分を取り戻す、無為自然に過ごす旅」。名称は「素(す)の器(うつわ)」を由来とし、ありのまま(=素)の飾らない本質を追求し、その土地の自然や風土、素材を嗜む場所(=器)という意味を持つという。
 同ホテルは、JR「金沢」駅より徒歩15分に位置、敷地面積935・80㎡、延床面積4763・64㎡、S造、地上8階建て。客室数は130室で、大浴場、飲食店などを併設する。
 客室は、観光で金沢のまちをめぐった後にゆったりとくつろいで気分をリセットしてもらえるよう、家具や色合いを柔らかいトーンでまとめている。旅の目的や滞在に合わせて選べるように、コンパクトなタイプからファミリー・グループ向けの4名定員の部屋まで用意した。 大浴場は、加賀温泉の昔ながらの総湯(公共浴場)にみられる湯船、湯おけのデザインを地元石川県で採れる滝ヶ原石で表現した。
 同社では、2020年11月静岡県・熱海市小嵐町に「SOKI ATAMI」を開業。熱海に根付く湯治文化を紐解き、心身をととのえる養生体験を提供する現代の温泉宿として展開してきた。同ホテルは、SOKIシリーズ2拠点目の施設となる。 
 同社は、事業性と社会性を実現するしくみ=「システム」で都市を豊かに楽しくすることを目指し、国内外でまちづくりにつながる事業の企画、設計、店舗運営を手がけている。企画から設計、運営までを一連で手がける独自性に基づいたコミュニティが生まれる場づくりを強みとしており、日本のデザインホテルの先駆けとなった「CLASKA」などの不動産リノベーション事業や、子どもの職業体験施設「キッザニア東京」など独自の仕組みをもつ施設の企画、設計、運営に多くの実績を持っている。

ヒルトングループ 「ダブルツリー」国内4棟目開業
 ダブルツリーbyヒルトン富山(富山県富山市)が2023年1月18日に開業する。同ホテルはヒルトングループとして北陸地方初。「ダブルツリーbyヒルトン」ブランドとしては、那覇、那覇首里城、北谷に続き国内4軒目、沖縄以外では初となる。
 北陸新幹線で東京から2時間余りの「富山」駅から徒歩3分。地上13階建ての建物には、全201室の客室、レストラン、バー、テイクアウトショップ、宴会場、フィットネスセンターやサウナを備えた大浴場などの施設を揃えた。
 客室は、木目調の色合いと、コンテンポラリーなデザインが融合したインテリア、富山が誇る立山連峰をモチーフに描かれた壁紙やカーペットを施した。また、日本国内で水が最も美味しい県と言われる富山の水を堪能してもらいたいという思いから、各階にウォーターディスペンサーを配置した。
 全室に55インチのHDテレビとWi-Fiを完備したほか、リビングルームとベッドルームが分かれたスイートを5室用意。それぞれに65インチのHDテレビを設け、快適性と機能性を兼ね備えたスタイリッシュな空間を提供する。
 宿泊者は、ホテル4階の24時間オープンのフィットネスセンターとサウナを備えた大浴場が利用可能。1階の正面玄関横にはホテルこだわりのサンドウィッチやスープ、スイーツなどを販売するテイクアウトショップ。2階には富山の食材を取り入れながらも、インターナショナルホテルならではの料理を提供するオールデイダイニングを擁する。3階には様々な目的に多彩なスタイルで活用できる最新設備を取り入れた、100名まで収容可能な宴会場・会議室を完備した。

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