不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.03.07 18:11

アパグループ 連結売上高前期比1.4%増 営業利益300.7%増、経常利益645.5%増 今期18棟4116室計画
 アパホテルネットワークとして全国最大級の688ホテル10万5388室を展開するアパグループ(東京都港区)では、2021年11月期連結決算を発表した。
 同社によれば、グループ連結売上高が前期比1・4%増の916億5600万円、営業利益は同300・7%増の81億9000万円、経常利益は同645・5%増75億2200万円と、前期対比増収増益となった。
   同年度は昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響で、売上高がコロナ前の2019年11月期と比べて3分の2程度の水準に留まったものの、グループ50周年キャンペーン企画による新規需要の喚起や、自動チェックイン機の導入等によるコスト削減に努めたことなどで、「厳しい経営環境の中でも昨年度以上の黒字を確保することができた」(同社)という。 2022年11月期もホテルの開発は計画通り進め、18棟4116室の開業を予定している。 
 同社は2010年4月にスタートした「SUMMIT 5(頂上戦略)」では、東京都心でトップを取る戦略を開始。現在、東京23区内で直営ホテル83ホテル・1万9863室を展開している。2015年4月にスタートした「SUMMIT 5―2.(第二次頂上戦略)」では、東京都心から地方中核都市へとエリアを広げ、大型タワーホテルの出店も積極的に進めていき、アパホテルネットワークとして10万室展開を達成。現在、首都圏・関西を中心にタワーホテル2棟・3764室を含む18棟・7078室を建築・設計中だ。
 2020年4月にスタートした「SUMMIT 5―3.(第三次頂上戦略)」では、国内で圧倒的なトップホテルチェーンとなるべく、2025年3月末までにアパホテルネットワークとして15万室展開を目指していく。 同社は、新たに大阪に大型施設を開業させる。このほど、「(仮称)アパホテル&リゾート〈大阪難波駅タワー〉」(大阪府大阪市)の計画地で起工式を行った。これにより大阪府下では30棟目の新築ホテルの着工となる。2024年10月下旬の開業を予定している。
 同ホテルは、西日本最大級の客室数となる全2060室、地上40階の超高層タワー型ホテル。客室構成はシングル、ダブル、ツインといった標準客室のほか、スイートルーム、デラックスツインルーム、トリプルルームやコネクティングルームなどを計画し、幅広い層の需要に対応する。
 館内設備として、最上階に展望レストランや展望プールを設け、大浴殿・露天風呂、大型レストラン、フィットネス施設のほか、カフェやエステ、コンビニ等を計画。都会に居ながらリゾート気分を味わえ、滞在そのものを楽しめる「アーバンリゾート」として、大阪難波エリアの新たなランドマークとなるホテルを目指す。
 グループ代表の元谷外志雄氏は話す。「本ホテルは、最上階に展望レストラン・プール、大浴場や大規模レストラン等を設け、単に泊まるだけでなく滞在そのものを楽しんでもらう、複合利用のできるホテルを目指し設計建築している。このホテルに行ってみたいと思う需要を喚起し、大型ホテルといえども高稼働が期待できる。当ホテルは2025年の大阪万博前の開業を予定しているが、今後インバウンド需要は回復し、海外からの観光客も年間3000~4000万人程度期待できる。なお、ホテルができることによって、宿泊による需要創造が地域活性化にも寄与するものと考えている。現在の低金利下においては、投資に対する金利負担が小さく、事業拡大のチャンスである。この低金利時代、事業は早く始めるほどそのメリットが得られる。良い条件の土地があれば引き続き事業拡大を図っていきたい」。
 大阪市内のアパホテルは、23ホテル・7169室が稼働しており、現在建築・設計中の全1704室で2023年1月開業予定の「アパホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉」や、全202室・2022年4月12日開業予定の「アパホテル〈なんば心斎橋東〉」等を含め、26ホテル・総客室数1万1135室となる。大阪府下では、30ホテル・総客室数は1万1587室となり、大阪市内・大阪府下の展開客室数はエリア最大級となる。

ホテルニューオータニ ”ホーム・イン・ホテル”プラン開始 長期滞在需要見込む
 ホテルニューオータニ(東京都港区)では、紀尾井町でのホテル暮らしを叶えるホーム・イン・ホテル「ホテルニューオータニ サービスアパートメント」を開業させる。
 同ホテルでは2020年夏より、コロナ禍で海外旅行などの遠出が叶わない人に向けて、また政府や東京都が推進するテレワークやワーケーションへの支援事業として長期連泊プランを販売したところ、昨年1年で2連泊以上の利用がコロナ前と比べて約5倍に上がったという。そこで、高まり続ける長期滞在のニーズに応えるべく、新たな客室の改装や専用フロアの増設を実施したほか、長期滞在者向けの新サービスを開始し、さらなる快適なホテル暮らしを叶えるため、今回の新サービス開始となったもの。  セカンドハウスやテレワーク、長期出張など生活とビジネスの拠点として、自宅のリノベーションや転居前の仮住まい、また、通院や子息の受験期間の滞在など、コロナ禍で多様化するライフスタイルを支えるサービスアパートメントでは、それぞれのニーズに合わせて選ぶことができるラインナップを用意する。
 同ホテルではまた、ホテルサービスと長期滞在に適した付加価値を高め、長期連泊を叶える専用フロアを提供する。洗濯脱水乾燥機の設置のほか、電子レンジやトースターなど、生活に最低限必要な設備をフロアに揃えることで、セカンドオフィス、セカンドハウス、ワーケーション等幅広い用途に対応する。
 賃貸住宅とは異なり、繁雑な手続きや審査、手数料なども不要でスムーズに予約でき、室内には滞在に必要な最低限の設備が整っており、到着したその日から利用することが可能だ。

「ホテルヒソカ池袋」オープン
 ヤスダでは、東京都にあるJR「池袋」駅から徒歩2分の立地に「hotel hisoca ikebukuro(ホテルヒソカ池袋)」を、3月1日に開業させる。
 同ホテルは、7階建て、客室32室、カフェテリア、駐車場を併設する。
 客室は全室大型バス・個室サウナ付で、「自分らしく、心穏やかになれる場所」をコンセプトとした。ダスティカラーを基調としたシンプルなデザインの客室は、グループや家族単位でも利用しやすい設計となっている。
 同ホテルでは、各客室にダイニングテーブルを設置。徒歩圏にある東武百貨店や西武百貨店などからデパ地下グルメを調達し、客室内に持ち込むことが可能だ。共有ラウンジにて貸し出している盛り付け用の食器・グラス類を使うことで、卓上を華やかに演出することもできる。朝食は、指定時間に部屋に届けるデリバリースタイルを取っており、部屋でくつろいだまま、朝の時間を過ごすことができる。
 同ホテル客室の一番の特徴は、バスルームの空間の広さ。大型バスに加え、ドライサウナもしくはミストサウナを全室に設置。バスソープとともにブロアバス機能を用いて泡風呂を楽しむこともできるほか、バスソルトなどを用いて、ゆっくりスキンケアに時間をかけることもできる。
 全32室のうち11室にドライサウナブース、21室にミストサウナブースを設置。全てのドライサウナブースは、サウナ愛好家に人気のセルフロウリュに対応している。
 更にスイートルームでは、2名まで入れるドライサウナと、屋外には露天風呂や外気浴用のチェアも設置している。

ワシントンホテル 22年ぶりに「ワシントンプラザ」
 ワシントンホテル(愛知県名古屋市)は、3月1日に全259室の「札幌ワシントンホテルプラザ」(北海道札幌市)を新規開業させた。
 同ホテルは、将来の北海道新幹線延伸や駅前再開発により、一層の利便性向上が期待されるJR「札幌」駅から徒歩約2分に位置する。
   同社は近年、「R&Bホテル」ブランドを中心に出店してきたが、同ホテルは駅前立地を活かして、ビジネスユースのみならず、観光目的で訪れる幅広い利用者のニーズに対応するホテルとして、22年ぶりに「ワシントンホテルプラザ」ブランドでの開業となる。  
 現在全国でワシントンホテルプラザ、R&Bホテルを合計43施設運営しており、札幌市での出店は、「R&Bホテル札幌北3西2」に次ぎ2施設目となる。 
 ホテルのデザインコンセプトは“北海道の空気を感じる心地よいくつろぎの空間”とし、利用者に北海道の豊かな大地の空気感を感じてもらえるような空間であると同時に、旅先の慌ただしさから抜け出し、安らぎを感じてもらえる様なデザインをイメージした。

グランビスタ H&R 高齢者支援で新プラン提供
 グランビスタ ホテル&リゾート(東京都千代田区)は、東京都で運営している2施設(銀座グランドホテル、ホテルインターゲート東京 京橋)にて、東京都及び東京観光財団が実施する都内観光促進事業「高齢者を感染から守る宿泊施設への滞在支援事業」に参画。東京都内在住の65歳以上を対象とした6泊7日の滞在宿泊プランの販売を開始。
 これは、高齢者の家庭での感染を防ぐため、同居家族から一定期間離れて都内宿泊施設に滞在することに東京都が定額の支援をする事業。 
 両ホテルとも1名1泊につき3000円で利用可能。さらに銀座グランドホテルでは1名につき3000円分の館内利用券をセットで提供。ランドリーサービスや館内レストランで利用することができる。
 同社は、北海道で初めての本格的洋式ホテルとして誕生した北の迎賓館「札幌グランドホテル」を有し、全国各地にシティホテル、ビジネスホテル、温泉旅館、総合海洋レジャー施設、ゴルフ場、ハイウエイレストランなどの施設運営を通じ、ホテル運営受託事業を展開している。

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