不動産トピックス

クローズアップ コロナ対策編

2022.01.24 10:14

 オミクロン株が広がり、全国的に第六波到来となっている。各地で感染者数が過去最高を更新するなかで、求められるのが早急な対策。最新情報をお届けする。

ゼン・デザインワークス 天井に埋め込むオゾン機器「Lyon Ceiling」の施工・設計を展開
 ゼン・デザインワークス(大阪市中央区)は、オゾン機器の設計・施工・コンサルティング等を展開している。老舗オゾン機器メーカーであるタムラテコ(大阪府東大阪市)の100%子会社として2016年に設立した。
 同社が施工・設計するオゾン機器は「Lyon3.0」をはじめとした事業用・家庭用の据え置き型のタイプから、天井に組み込むタイプの「Lyon Ceiling(リオンシーリング)」まで様々。一級建築士が設計・販売・面接を行うため、適正なオゾンの設置個数や設置箇所、場所に応じて適する商品をコンサルできる点が強みとなる。
 代表取締役の大橋善正氏も、一級建築士資格を有する建築家。元々は建築士としてタムラテコの顧客として出入りしていたという。タムラテコの製品に携わる中でオゾンについて詳しくなり、オゾン機器の施工・設計の会社を立ち上げた。
 「元々タムラテコでは工場などでコンセントに繋いで使用できるオゾン機器を展開していました。コンセント式は適正な広さの計算がしやすい一方で、盗難や破損が多いこと、広い空間には複数台設置することになるため場所を取ってしまうことなどデメリットもありました。当社の建築士はオゾンのことにも詳しいため、依頼のあったオフィスや施設に応じて組み込み式のものでも適正な設置箇所・個数などをコンサルティングできることから、据え置き型だけでなく『Lyon Ceiling』の積極的な展開を進めています」(大橋氏)。
 「Lyon Ceiling」はゼン・デザインワークスの専売商品。「埋め込み型」と「レールに取り付けできるタイプ」の2種類を展開している。一見すると普通の組み込み式ライトにみえるが、稼働中は常に微量のオゾンを降らせている。オゾンといえば、人体への影響について懸念を抱く人も少なくないだろう。日本産業衛生学会では人の作業環境下でのオゾンの許容濃度は0・1ppm以下と規定している。一方でLyon Ceilingの発生するオゾンは、50㎡の空間を常時0・1ppm以下に保つ程度。ごく低濃度で満たすように設計されているため、安全性もクリアしている。消費電力は8W、1台につきカバーできる広さは約35㎡。施工は1時間半~2時間ほどでできる。中のランプを1~2年に一度交換することを除き、メンテナンスがほとんど必要ないことも魅力だ。
 オゾンは「フッ素の次に酸化力が強いこと」、「原料備蓄の調達が不要であること」、「自然由来で反応後に酸素に戻るため後処理が不要」である点を強みとし、ウイルスの除菌に一定の効果をもたらす。医療や防衛・警察、災害対策など多岐にわたり活用されている。
 加えて新型コロナ対策にも注目されている。奈良県立医科大学は2020年5月、世界で初めてオゾンガス曝露による新型コロナウイルスの不活化を確認したと発表した。CT330(オゾン濃度6ppmで55分曝露)では1000~1万分の1、CT60(オゾン濃度1ppmで60分曝露)で10~100分の1まで不活化したことを確認。オゾンを一定の時間曝露することで、新型コロナの不活化に貢献するということが証明された。また藤田医科大学の研究グループは低濃度(0・05または0・1ppm)のオゾンガスでも新型コロナウイルスに対して除染効果があるということを、世界に先駆けて実験的に明らかにした。オゾンは空気中を漂う浮遊菌のみならず、椅子やテーブルなどに付着したウイルスの除菌も可能。そのため「Lyon Ceiling」は人の出入りの多い商業施設や飲食店など、コロナ対策に取り組む多くの事業者からの依頼が寄せられている。
 「発売から約2年が経ち、スポーツクラブやオフィス、クリニック、飲食店、幼稚園など多くの事業者様に導入頂いております。本体の色も変更することができるため、店舗やオフィスの内装に合ったものを使えることも魅力。またオゾンは自然由来のため、環境面でも優しい物質です。今後急速に普及していくと考えています」。
 変異株の台頭により感染者数が激増し、新型コロナの感染拡大への懸念がさらに高まっている。感染対策として、オゾンが活用されるケースは増えていくに違いない。

天井埋込型の除菌・脱臭機
 パナソニック エコシステムズ(愛知県春日井市)は、次亜塩素酸技術による除菌・脱臭力に、遠心破砕技術による加湿機能を加えた「天井埋込形ジアイーノ」を4月1日から発売する。
 「ジアイーノ」は、1987年から三洋電機(大阪市中央区)が培ってきた技術に、パナソニックのフィルター技術などを応用して除菌や脱臭に特化させ、2013年に発売したもの。2021年8月には出荷累計30万台を突破した。医療、教育、介護現場などで採用され、除菌・脱臭力で顧客から高い評価を得ているという。
 新製品は、加湿機能、HEPAフィルターによる集塵機能と、オプションでブースト換気機能を追加。天井に設置するビルトインタイプのため場所を取らず、フロアがすっきりする。専用ダクトから清潔な空気を室内へ供給するため、部屋ごとに本体を設置する必要が無く、複数の部屋で同時に運転可能。さらに自動で給排水を行うため給水・排水作業が不要で、手間なく連続運転ができる。
 パナソニックは、不特定多数が集まる非住宅空間でも安心かつ快適な空気環境づくりに貢献するとしている。

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