不動産トピックス

今週の一冊

2021.12.13 14:08

「おかしな言動」はどうおかしいか

コロナと無責任な人たち
著者:適菜 収
発行日:2021年5月10日
発行所:祥伝社
価格:860円(税別)

 コロナ禍では誰もが驚いたはずだ。未知のウイルスの拡大という事実以外に、政治家の言動であったり、家族や友人、同僚など身近な人との認識の違いであったり、医療や緊急時体制の不備であったり、様々なことに「なぜそんな方向に」という苛立ちを感じたのではないか。
 本書は、わが国が置かれている「状況」を述べ、「無責任な人々の言動」を振り返る。
 コロナ禍では「ある程度まともな言論を続けてきた人も今回はかなりおかしなことを言い出しました」という。その「おかしなこと」はどんな発言が取り上げられているか。自分の価値観は正しいのかおかしいのか答え合わせをしたくなる。
 「新型コロナはバカ発見器だった」という第1章ではコロナ拡大のA級戦犯として政治家の発言を衣着せず批判。「陰湿なチンパンジー」、「肥大化した自己愛」、「人間そのものが不謹慎」、「イソジン詐欺師」、さらに言論人にも容赦ない。「究極の無責任社会」、「妄想世界の住人」、誰のことかおわかりだろうか。読み応え大いにあり。だが他人事として読んではならないはずだ。著者は最後に「われわれはあらゆるものを壊し続けついには人間をこわしてしまった」と述べている。「われわれ」はすなわち読者自身。国民すべてだ。

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