不動産トピックス

今週の一冊

2021.11.22 10:36

電子化はどこまで進むか

法律のプロが教える脱ハンコの進め方
著者:戸田総合法律事務所
発行日:2021年10月10日
発行所:ジャムハウス
価格:1500円(税別)

 「新しい働き方の教科書」シリーズの第2段テーマは、「脱ハンコ」。
 契約書の電子化は喫緊の課題といえよう。緊急事態宣言下の一斉テレワークでも「書類にハンコを押すために出社」という笑えない現象が起きていた。本書は「ハンコは何のため?」、「見積書・請求書にはハンコが必要か?」、「脱ハンコの進め方」、「脱ハンコの代替措置」と、順序だてて「ハンコなしでも会社は回る」を丁寧に説得している。
 「ハンコがあれば正式な書類とドラフト案の区別ができる」、「権限ある人が作成した書類かどうか分かりやすい」と、ハンコの利点も抑えながら、法律上の義務はないとしても押印の意味ははたして何か等、きちんと考えることのなかった点にも言及し、納得のいく「脱ハンコ化」の結論へ導いてくれる一冊。
 電子印影・電子印鑑、電子契約に電子署名・電子サインを使いこなす企業はまだごく一部だろうか。技術はどんどん進んでも導入は経営者次第か。「別にまだ紙でもいいじゃないか。不自由はないし」と、社会の急激な変化を横目に現状維持を貫くことは、「まだこのワープロは使える」と言ってるようなものだ。早晩、置いてきぼりになるだろう。

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