不動産トピックス

クローズアップ 出店支援編

2021.07.26 14:17

 苦境に直面する飲食業界。そのなかで不動産業界などからも飲食店の出店支援の取り組みが広がっている。クラウドキッチンやキッチンカーなどはその代表例となっているが、居抜き店舗を利用した期間限定の出店サービスも現れている。

WECOOK Japan クラウドキッチン1号店を10月五反田にオープン 害アックスと韓国最大手の合弁会社
5年以内に主要都市35拠点へ 販売促進などサポートも充実
 ガイアックス(東京都千代田区)と韓国最大級のシェアキッチン事業「WECOOK」を運営するシンプルプロジェクトカンパニーが設立したWECOOK Japan(東京都千代田区)はデリバリー配送に特化した飲食店・飲食事業者が入居するクラウドキッチン「KITCHEN WAVE」の1号店を品川区五反田エリアにオープンすることを決定した。オープン日は10月上旬を予定。5年以内に全国の主要都市で35拠点に増やしていく計画だ。
 「KITCHEN WAVE」では誰もが必要な時間だけ厨房と設備を借りて調理ができて、設備投資なしに飲食ビジネスを始めることができる。立地はデリバリー商圏分析で立地を選定。飲食店側はキッチンをシェアすることで初期投資/運転資金コストの大幅減が実現できる。販売促進のサポートも行う。

激戦区で成功モデル確立へ 韓国での事業ノウハウ生かす
 WECOOK Japanは今年4月1日付で設立。その後の動向が注目されていたなかで、今般第1号店の発表となった。
 今回「KITCHEN WAVE」という名称について「アフターコロナでデリバリーフード市場が急速に成長している中で、外食業の新しい波を巻き起こす、外食事業の成長の波に乗り市場を作るという思いを込めて」命名したという。
 1号店は4店舗が入居する。配達対象のメーンエリアは品川区、目黒区、渋谷区だ。デリバリーの商圏エリアと言われる半径3km圏内に住む人口総数では約57万人。1人暮らしや共働きの家族などあらゆるカテゴリーのユーザーが集積していることから、「日本の成功モデル構築のために最適な場所として認識して」いるという。同社事業責任者の椎谷豊氏は「五反田は、デリバリー需要の高い目黒、渋谷、恵比寿など山手線西南エリアを網羅的にカバーしている激戦区となっています。このエリアで、日本より5年進んでいると言われる韓国の成功モデルや知見を導入しながら、発展途上の日本のデリバリー市場における成功モデルを来年春までに構築し、5年以内に全国の主要都市で35店舗程度に増やすことを計画しています」と意欲を示した。韓国最大手のクラウドキッチン「WECOOK」を展開する、シンプルプロジェクトカンパニーの知見やノウハウを生かしながら、この目標の実現を目指す。
 既に公式HPも開設し出店事業者の募集を開始。加えて、不動産オーナーの募集も並行して開始している。
 国内のクラウドキッチン事業には複数の事業者が参入しているものの、まだ成功モデルは確立されていないと言われている。そのなかで成功モデルを構築できるか。1号店の出足に注目が集まる。

都内居抜き物件を月額500円 3カ月限定 店舗流通ネットが新サービス
 店舗流通ネット(東京都港区)は東京・銀座の一等地に月500円の家賃で誰でも気軽に飲食店を出店できる「ANYONE/エニワン」サービスを開始し、20日、21日に出店希望者の内覧会を行った。
 「ANYONE/エニワン」は同社が管理する都内居抜き物件を月額家賃500円で3カ月間出店できるサービス。保証金や礼金、仲介手数料などの費用は不要で、個人・法人も問わない。運営が軌道に乗れば、そのまま本開業もできる。出店事業者はリスクを最小に抑えることが可能だ。
 今回の対象店舗となったのは銀座・数寄屋通り沿いの1階路面店。約15坪の和食居酒屋だ。契約期間は9月1日~11月30日までとなっている。
 数寄屋通りの店舗はすでに内覧会を終えているが、今後の展開に注目が集まる。

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