不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.05.31 10:40

ポラリス・ホールディングス 「ベストウェスタンプラス福岡天神南」取得
 ポラリス・ホールディングス(旧価値開発 東京都千代田区)の子会社となる特別目的会社「合同会社天神ホテル管理」は、既に長期固定賃料型の賃貸借契約で同社の連結子会社であるフィーノホテルズが運営する「ベストウェスタンプラス福岡天神南」(福岡県福岡市)を購入した。
 同ホテルは236室を有する2020年10月開業の新築ホテル。地下鉄空港線「天神」駅から徒歩8分に位置。人気の博多中洲エリアやキャナルシティへも徒歩圏内で、福岡空港や福岡港へのアクセス利便性が高いことから、観光客だけでなく、ビジネス客に対しても訴求力がある。
 購入価格は、非開示だが、現在、流動性の低迷しているホテル物件の取引市場の状況が反映された同社に大きなメリットがあると考えられる価格であることから、将来的に多額の売却益が期待できると考えた。
 また、同社が匿名組合出資を行う予定の4月末以降、SPCの子会社化により、同社グループが同ホテルの所有者兼運営者になることで、運営者として現在の所有者と契約済みの賃貸借契約は解約され、年間約3億1300万円の固定賃料支払債務が免除となる。これにより同社の損益分岐点比率が引き下がり、ホテル需給環境の回復時には最大限の利益計上が期待できるという。
 ポラリス・ホールディングスは、競争力や利益率の高いホテル運営プラットフォームを構築。ホテル運営者として安定的かつ継続的な収益確保を目指している。一方、未曽有のコロナ禍で、一時的にホテル物件の取引市場では買手がほぼ不在となっている為、投資収益率及び競争力の高いホテル物件を割安に購入できる機会が増えている。
 同社グループはホテル所有者兼運営者として、ホテル物件を割安に購入することで、損益分岐点比率をより一層引き下げ、高い株主資本利益率(ROE)の達成を目指す。また、ホテル物件の取引市場に流動性が戻った際は、物件売却による利益計上も視野に入れる。
   同社では、スポンサーであるスターアジアグループより、新規案件に関する情報提供を受け、複数の競争力のある割安なホテル物件の購入検討を行っており、新規のホテル物件の購入等を通じて、2022年度には約19億円のEBITDA(金利、税金、償却前利益)を目指す。追加の物件購入に際しては、株主価値の中長期的な最大化を念頭に、金融機関からの借入だけでなく、資本性資金もしくはハイブリッド型での調達方法も視野に入れ、機動的に実行する予定だ。

コスモスイニシア 都市型アパートメントHをオープン
 大和ハウスグループのコスモスイニシア(東京都港区)は、家族・グループでの滞在のニーズに対応する都市型アパートメントホテル「MIMARU大阪 心斎橋WEST」(大阪府大阪市)を5月1日にオープンさせた。
 同施設は、大阪メトロ四つ橋線「四ツ橋」駅 徒歩2分に位置、客室37室でランドリールームを併設する。
 客室・エントランスを夏水組がデザイン監修し、イタリア老舗メーカーBERTOZZI(ベルトッツィ)社による手彫り木版のハンドプリントや、伊勢型紙と呼ばれる型紙を用いた内装材で装飾を施すなど、高級感と落ち着きのある客室を用意し、伝統工芸を気軽に体験できるサービスも提供する。
 客室は、約40㎡、約60㎡のプレミアムルームの全37室、和室付きタイプも多く設けており、最大9名まで宿泊できるコネクティング対応も可能だ。また、施設内では日本の伝統工芸を気軽に感じることができる「伊勢型紙を使った和ハガキづくり」、「南部鉄器などの使用体験」サービスを用意している。
 ゲストを出迎えるエントランスは、金箔を泊筒に入れ、散らして装飾する“金砂子”という技法で歌舞伎松を表現した襖絵と、重要無形文化財に指定される三重県の伊勢型紙を使ったランプシェードで装飾を施した。プレミアムルームでは、ルネサンス期から手彫木版でハンドプリントする伝統技術を継承し、ひとつひとつイタリアの職人の手によって作られた木版を制作し、福井県の越前和紙に印刷した襖紙を客室のベッドヘッドパネルと間仕切り扉に採用。キッチン、洗面、トイレなどの水回りも統一感をもたせ、モダンジャポニズムスタイルを実現させた。
 コスモスイニシアは、新築マンション・一戸建、リノベーションマンションなどを提供するレジデンシャル事業、投資用・事業用不動産の開発・仲介・賃貸管理などを行うソリューション事業、ファミリー・グループでの中長期滞在に対応するアパートメントホテルなどの開発・運営を行う宿泊事業を展開している。

OYO HotelがLINEアカウント チャットボット機能で予約を容易に
 総合的な宿泊・住宅ブランドを運営するOYO Japan合同会社(東京都千代田区)が展開する「OYO Hotel(オヨ ホテル)」はこのほど、LINE公式アカウントを開設した。今後、LINE公式アカウントを通してキャンペーン情報などを発信していきたいという。また、LINE公式アカウント経由でのOYO Hotelの宿泊予約に対応開始した。
 LINE公式アカウントでは、チャットボット機能で宿泊施設の検索をアシストする。OYOの日本全国200軒以上ある宿泊施設から希望にあった施設を簡単に検索できるようになる。また、LINE上で宿泊施設の情報を確認し、予約する施設を選択すると誘導されるOYO Hotelのページから宿泊 予約することが可能になる。
 「これまで、OYO Hotelの宿泊予約はOYOのウェブサイト、アプリ、コールセンター、宿泊予約サイトなどで対応していました。今回、新たに「LINE」がお客様との接点として加わったことを大変喜ばしく思います。リアルタイムで簡単に、全国各地にある様々なタイプの宿泊施設からお客様のご要望にそった宿泊施設をご提案できることが最大の利点です。現在、宿泊業界ではコロナ禍の状況によって非接触でのお客様の対応などテクノロジーの活用がより重要になってきています。OYOはテクノロジーを活用し、宿泊利用のスタイルをより便利にしていく事業を展開しています。今回のLINE公式アカウントに対応したチャットボットの機能はそのようなテクノロジーを利用したサービス向上の一環です」(共同代表・副社長田野崎亮太氏)。

JHAT 定額制サービスの販売開始
 「hotel MONday」、「MONday Apartment」、「ICI HOTEL」を運営しているJHAT(東京都港区)は、定額制サービス「MONday PASSPORT」の販売を開始した。
 これは同社が展開するMONdayブランドの東京と京都22施設を活用し、ホテルでの新たな過ごし方を提案するもの。
 コロナ下に於いて多様化するライフスタイルに合わせてホテルを選んでもらえるように、大浴場完備のホテルやキッチン付きアパートメントタイプなどの多彩なコンセプトを持つ施設を用意した。
 料金は月額15万円。対象ホテル・アパルトホテルの好きな施設が定額で利用可能。面倒な契約手続きは一切不要で、敷金・礼金、仲介手数料もなく初期費用を安く抑えた。
 宿泊者専用の大浴場やラウンジのほか、家具家電、水光熱費込み、Wi―Fiは無料、定期的な清掃・リネン交換など。ホテルによってさまざまな特徴ある設備やサービスを受けることができる。
 各ホテルは、JR「新日本橋」駅徒歩2分の「GATE STAY PREMIUM 日本橋」や「GATE STAY PREMIUM 浜松町」を筆頭に、銀座、秋葉原、京都駅東九条など観光、セカンドハウスやテレワークなど高い利便性と広い使用目的に対応出来る。

ukitem 歴史的老邸宅をリノベ
 ukitam(山形県白鷹町)では、山形県白鷹町の歴史ある邸宅「奥山源内邸」をリノベーション、着物の世界を起点に地域の魅力を伝える“きものリトリートホテル”をテーマとした「NIPPONIA 白鷹 源内邸」を4月29日にオープンさせた。
 同施設は山形新幹線「赤湯」駅より車で約30分に位置、客室は全8部屋、レストランを併設する。
 源内邸は明治中期から大正初期頃に建てられた建物群からなる邸宅。高橋源内からはじまる奥山家一族は二百余年にわたり、この白鷹町浅立地区に居を構え、代々町の経済や文化の発展に貢献してきたという。中でも初代高橋源内は農業に勤しみながら、ある時は読書や書道について弟子に教えを施し、またある時は貧民救済や産業助成に力を注ぐなど、村人から功績碑が建立されるほど地域の発展に尽力した人物だったという。 
 敷地内の建物は、板蔵、金庫蔵、味噌蔵など母屋を中心に様々な造りの蔵が点在している。広大な敷地には奥山家が大切にしてきた希少な樹木があり、季節感溢れる庭の景色を愛でたり、朝日連峰の雄大な風景を堪能することができる。 
 同施設は、宿泊施設として五つの建物を八室の客室、最も古い味噌蔵をダイニングとして改修した。

湯快リゾート プレミアムブランド5店目
 湯快リゾート(京都府京都市)は、「南紀勝浦温泉 越之湯」(和歌山県東牟婁郡)を4月17日にリニューアルオープンさせた。同施設は「白浜彩朝楽」・「ホテル千畳」・「白浜御苑」・「鳥羽彩朝楽」と並び、5館目の湯快リゾートプレミアムとなる。
 今回のリニューアルでは、フロントやロビー、レストランといったパブリックスペースの改修を重視、より非日常感が味わえるスタイリッシュな和モダン旅館へとした。
 館内では源泉掛け流し天然温泉のほか、飲み物を提供する「湯上がり処」や、海が一望できる「足湯付きのオーシャンテラス」、体の芯からじわじわ温め代謝を促す「岩盤浴」などを配置した。

万平ホテル 空気環境を改善
 万平ホテル(長野県北佐久郡)では、長野県内のホテルで初となる、高品質な空気環境を作り出す独自技術を取り入れた「Pure wellness room」を導入した。 同部屋は、米・ニューヨークのPure Solutions LLCにより開発された空間清浄手法「7‐step process」により、空気中の浮遊粒子だけでなく部屋中の様々な場所に潜む付着粒子も低減することでクリーンな空気環境を提供する。これををウスイ館スーペリアツインルーム7室に導入。

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