不動産トピックス

クローズアップ 吸音編

2021.01.18 11:56

 テレワークの定着により、ウェブ会議も広まっているが、自宅やオフィスから遠距離の相手と会話する場合に気になるのは周囲の雑音。吸音機能付のパーティーションなら背景も気にならず、会議に集中できる。最新の吸音製品をご紹介。

組み立て簡単!大きさ自在の吸音パーティーション
 パソコンを利用し、遠隔地にいる相手とウェブ上で会議をする場面が増えてきた。自宅でのウェブ会議参加では家族の声や生活音、会社から参加する場合は同僚の声などがウェブ会議の相手方にも聞こえてしまうこともあり、セキュリティ上も何かと不都合が多い。そこで、吸音パーティーションでスペースを区切り、ウェブ会議参加者だけの空間を作れば、雑音もシャットアウトし、集中して会話することができる。
 日本コパック(東京都台東区)が昨年5月に販売開始した吸音パーティーション「Officia」は、厚さ30ミリの硬質フェルト素材パネルを組み合わせ、簡単に組み立て加工できる。反響音や雑音を抑え、一人用ブースから数名用の打ち合わせスペースまで様々な大きさの「静かな空間」を室内につくることができる。
 「店舗向け以外の商品として、オリンピックを機にテレワークが広がるだろうと、2019年から開発し、2020年5月に発売開始しました。コロナの影響で、違う展開でテレワークが加速度的に導入されはじめ、引き合いが増えました。1回目の緊急事態宣言が解除される頃に、企業の総務担当者から、社員が出社再開する前に対策しておきたい、急ぎたいという依頼が多かったですね」と語るのは、企画生産部執行役員・古川孝一氏。
 同社は元々、ハンガーなどの店舗向けのディスプレイ什器を専門としていたが、協力会社の吸音製品に目をつけ、オフィス向けに改良したものが「Officia」だ。高密度のフェルト素材を用いており、反響音や雑音を抑え、マジックテープで簡単に組み立てることができる。
 「商業施設では、春夏、秋冬と季節に応じて模様替えがあり、自分たちで模様替えやレイアウト変更できる什器が求められています。高さや幅を変えたり、またいろいろな用途に使いたいという要望が多いです。そこで、当社が持っている店舗向け什器のノウハウを生かし、オフィスにも違う視点を入れてみては、と、吸音パーティーション開発では、マジックテープなどの組み立て工法を考えました」(古川氏)。
 一人用ブース、二人用ソファ席、デスクトップ用や立ち仕事のためのスタンドブースなど組み合わせで多種多様な「集中空間」ができる。4人用の打ち合わせスペースを囲むような広めの空間も可能だ。オフィス用品は一度設置するとなかなか変更しにくいが、軽く扱いやすいパーティーションなら自在に適宜、レイアウトが変更できるようになる。
 「今は使っていても、来年、同じような働き方でしょうか。一度設置したオフィス家具をそのまま使用できるか分かりません。これからは、多様な使い方ができるオフィス家具が求められると思います」(古川氏)。
 予想を大きく上回り、発売開始以来、1000枚超売り上げており、現在も引き合いは続く。
 首都圏に限らず全国の企業から、業種問わず、企業規模も数人の事務所から大手企業まで幅広い。密閉型ではないので完全に音を遮断するわけではなく、軽減する。吸音パネルの組み合わせ方にもよるが、雑音はかなり抑えられる。
 「商業施設はお店で物を売るよりリラックスして滞在していい時間を過ごしてもらうという方向になりつつあります。オフィスの在り方も変わると思います。たとえば、座り心地の良いスツールなど、我々が商業施設向けに作る製品でも、オフィスでの需要も生まれるのではないでしょうか」(古川氏)
 ウェブ会議に留まらず小規模セミナーや打ち合わせ、オフィス内での電話ボックス用途など、用途は幅広い。コロナ対策としてもパーティーションは必須アイテムだ。今後のスタンダード設備として「吸音パーティーション」は大活躍しそうだ。

林テレンプ「エアミュート」テレワーク・ウェブ会議の会話をクリアに
 林テレンプ(名古屋市中区)は、自動車用防音材で培った技術を応用した、室内の反響を吸収する吸音パネル「AIR MUTE(エアミュート)」を販売している。
 同製品は不快な音を低減し必要な音は残す「快音化」についてのノウハウを生かし「人の話し声」の周波数域に特に高い効果を発揮するよう、厚み、重さ、密度を調整。テレワークやウェブ会議の際、マイクが反響音を拾って会話が聞き取りづらい現象を改善する。
 実際に自動車用として使用される同社独自の防音材「V―Wave」を使用。表面と吸音材を一体成型する同社独自の技術により、1枚当たり、わずか380gと圧倒的な軽さを実現した。
 この軽さにより、取り付け時に壁に穴をあける必要がなく、マグネット式で簡単に設置できる。
 パネルは、業界トップクラスの吸音性能を保ちつつ、他社製品比約80%の軽量化を実現。賃貸住宅など壁を傷つけたくない環境でも、穴を開けず簡単に設置できるのが特徴。また、表面と吸音材を一体成形する同社独自の技術で立体的なデザインを施し、光の陰影を使った印象的な空間を演出する。
 カラーはピスタチオ、モカ、ビリーの3色。価格は4枚セット1万9800円(税込)となっている。

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