不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2021.01.18 12:03

OYO HOTELへの加盟店が増加 コロナ禍でのフォローアップに注力
 宿泊・住宅ブランドを運営するOYO Japan合同会社(東京都千代田区)が展開する「OYO Hotel(オヨ ホテル)」の加盟店が増加しているという。コロナ禍で中小独立系ホテルの経営は非常に厳しくなっており、同社の主なターゲットとなる中小施設から相談を受けているケースが相次いでいるのだ。昨年来毎月加盟店が増加しており、現在約200か所6000室が加盟しているという。
 昨年11月には北海道のホテルテトラグループとフランチャイズ契約を締結した。テトラグループは全国に25店舗を展開しているが、このうち5都道府県に7施設、全749室がOYOブランドに加盟したという。これまでは単独ホテルが加盟するケースが殆どだったが、チェーンホテルが加盟するのは初めてとなる。
 「加盟店でのフォローアップノウハウが蓄積され、チェーンオペレーションでも可能になりました。現場のコンサルティングメンバーが更に各施設の支店長とコミュニケーションを積極的に図っていきたいと考えています」(田野崎亮太副社長)。
 コロナ禍で同社は、加盟店に対して様々な施策を行ってきた。集客ノウハウの無償提供や、独自の「あんぜん衛生措置・安心ステイ」認証プログラムの策定、GoToトラベルに合わせて15%追加のディスカウントを当社負担するなど、スピーディーな対応を行ってきた。これが加盟店の稼働率が全国平均よりも高い数字で推移しているという。
 現在、中小ホテルの経営者の多くは、事業承継問題とも相まって廃業するか、売却するかの選択肢を迫られている。同社のもとには、「実際、売却したいという経営者の方も多い」(田野崎氏副社長)。同社自体はホテルを運営することはないが、オペレーション会社と組んでこうしたホテルの支援をすることも考えているという。
 同社は昨年7月には不動産賃貸サービスを手掛けるOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANと合併し、新会社OYO JAPANとして再スタートさせた。OYO LIFEのウェブサイトでホテルの情報を掲載することで、長期滞在者など様々なニーズの獲得を目指していく考え。
 「OYO Hotel」は、テクノロジーを駆使した価格設定と予約システムにより、宿泊施設と顧客のマッチングを最適化するサービス。これまではインド本社主導でプログラムを提供してきたが、日本に合った仕組みを再構築していく。「常に加盟店とコミュニケーションを取りながら収益を最大限に高めることができるよう、常にブラッシュアップしていきたいと考えています」(田野崎副社長)。

「東急ステイ」北海道3店目オープン
 東急リゾーツ&ステイ(東京都渋谷区)では、全国で開発運営する滞在型ホテル「東急ステイ」を北海道エリア3店舗目となる「東急ステイ函館朝市 灯の湯(あかりのゆ)」として、4月26日にオープンさせた。
 同施設は露天風呂付温泉大浴場を付帯する店舗として、2020年4月に岐阜県高山市で開業した「飛騨高山 結の湯」に続き2店舗目となり、高まる観光ニーズに応えられる店舗を目指していく。東急ステイブランドの特徴である客室の洗濯乾燥機やミニキッチン設置により、ホテルにいながら“自宅の快適さ”はそのままに、ゲストの滞在価値のさらなる向上を追求した。
 JR函館本線「函館」駅徒歩4分に位置、鉄骨造地上18階建て。延床面積6294・53㎡、全175室。
 最上階18階には函館湾を一望できる男女別の温泉大浴場を用意。西側の露天風呂は絶景のインフィニティとなっており、湯船につかりながら函館ならではの風光明媚なロケーションや、海へ抜けていく潮風を堪能できる。
 ラウンジからは函館山はもちろん、函館湾や金森赤レンガ倉庫群を見渡すことができ、函館を象徴する街並みを感じながらくつろぐことができる。吹き抜け空間には、“LIGHT HOUSE IN LIVING ROOM”をコンセプトに、大きさの違うグローブペンダント照明を設置し、灯台に見立てた空間を用意した。
 客室は穏やかな海原を表現した「Calm~凪~」と、灯光の温かな光を表現した「Glow~瞬き」と2つのテーマで構成。自然との調和をCasual×Retroなインテリアで構築した。上層階のラグジュアリーツインでは、函館湾を眺望できる温泉付半露天風呂を用意した。ミニキッチン付きの部屋では、隣接する函館朝市にて購入した新鮮な食材を使って簡単な料理を楽しむことができ、家族や友人・カップルでの利用を期待している。また全客室に洗濯乾燥機を設置している。
 同社では今後、「(仮称)東急ステイ東新宿(東京都新宿区)のオープンを予定している。

and factory タブレットサービスを提供
 and factory(東京都目黒区)は、H.I.S.ホテルホールディングス(HIS.H.H 東京都港区)が2020年10月1日に開業した「ウォーターマークホテル京都」にホテル・旅館向け客室内タブレットサービス「tabii」を導入した。
 これは月額無料で利用できるホテル・旅館向け客室タブレットサービス。省コストで「客室付加価値の向上」や「業務工数・コスト削減」、「コロナ対策」などが可能になる。
 客室に設置したタブレットによるゲストへの館内案内はもちろん、周辺の飲食店や観光地、アクティビティのレコメンドなど各々のニーズに応じた情報提供ができる。また、動画や多言語ニュースなど豊富なエンタメコンテンツを用意しており、客室付加価値の向上に寄与する。オプションで内線電話やルームオーダー機能、施設内混雑表示、IoTリモコン機能の追加も可能だ。 
 ゲストが宿泊約款や客室案内、よくある質問などの情報をタブレット上で検索することもできる。例えば、複数のゲストから同様の問い合わせを受けるケースや、ゲストへの案内状配布などの業務工数・コスト削減に貢献する。もちろん多言語表示により海外のゲストにも対応できる。
 新型コロナウイルス感染症の拡大で、感染症対策へのニーズが高まっている。「tabii」は、情報端末としての非接触接客や、施設内(レストラン、大浴場、ランドリー等)の混雑状況の可視化によって混雑状態を減らし、ゲストの旅の安全に貢献する。内線電話の搭載も可能で、それらの備品や紙のインフォメーションがタブレット一枚に集約することで、タブレットのみの清掃・消毒で完結できる。
 今回、「tabii」を導入したウォーターマークホテル京都は、HIS.H.Hが運営するホテルとして、京都地区2拠点目。   and factoryでは、今後もさらに「tabii」の機能を拡充し進化させながら、導入施設を拡大させていきたいという。

チョイスホテルズジャパン 「コンフォートイン東京六本木」リブランド
 全国に「コンフォートホテル」、「コンフォートイン」、「コンフォートスイーツ」を展開するチョイスホテルズジャパン(東京都中央区)では1月12日、東京都港区に「コンフォートイン東京六本木」をオープンさせた。
 同ホテルは、東京メトロ日比谷線・都営大江戸線の2路線が利用できる「六本木」駅より徒歩約1分の場所に位置する。建物は地下1階、地上9階建て、客室は全114室。東京都内で5番目、港区では初めてのコンフォートブランドとなる。  
 「無料朝食サービス」はもちろん、ラウンジスペースでの「ウェルカムドリンクサービス」の提供、オリジナル快眠枕「チョイス ピロー」の設置、小学6年生までの子供の添い寝無料サービスなど、同ブランドならではのサービスを提供する。加えて、利用客に安心して宿泊してもらえるよう、タッチレス消毒の導入や紫外線除菌器の貸し出しなど、新型コロナウイルス感染症をはじめとした感染症予防対策を徹底している。

JR西日本デイリーサービスネット「ヴィアイン大阪京橋」開業
 ジェイアール西日本デイリーサービスネット(兵庫県尼崎市)は、大阪市都島区において宿泊特化型ホテル「ヴィアイン大阪京橋」を12月29日に開業させた。ホテル運営は、100%出資子会社であるJR西日本ヴィアインが行う。
 同ホテルは、JR大阪環状線、JR東西線「京橋」駅から大阪ビジネスパーク連絡通路にて徒歩約1分、大阪メトロ「京橋」駅「大阪ビジネスパーク」駅、京阪「京橋」駅からも近い位置にある。
   建物は明治のころには水の都とも呼ばれ、水運に支えられた経済と文化の中心的都市として発展してきた「水都大阪」の賑わいと活気をイメージした、スタイリッシュなラウンジ。また、最上階11階には露天風呂付きの大浴場を設けた。
 京橋駅からつながる大阪ビジネスパーク連絡通路沿いの2階には、コンビニエンスストアと店舗が建ち並ぶ予定。
 このホテルの新規開業により、ヴィアインホテルチェーンは、全27棟、総客室数約6600室となった。

ザファーム グランピングFCをスタート
 農業ビジネスを展開しているザファーム(千葉県香取市)はこの度、フランチャイズ第1号としてマザー牧場(千葉県富津市)に、日本初の牧場グランピング施設マザー牧場グランピング「THE FARM」を今年前半にオープンさせる予定だ。
 「オートキャンプ白書2020」によれば、2019年のオートキャンプ参加人口は前年比1・2%増の860万人。7年連続で増加しており、さらにコロナの影響により、初心者でもアウトドアで気軽に楽しめるグランピングが注目を集めている。
 同社は、人気のグランピング・キャンプ場を選ぶアウトドア・イノベーション・サミットで5年連続、東日本ナンバーワンに輝いており、コロナ禍にありながら土日の予約が3か月先まで満室、予約キャンセル待ちが年間1万8000件以上にものぼるという。
 今回、同じ千葉県にある「マザー牧場」にフランチャイズ第1号として新たなかたちのグランピング施設をオープンすることで、宿泊希望ユーザーがより気軽に、「THE FARM」グランピングを楽しめる機会を増やしていきたいという。

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