不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2020.11.30 10:54

アパホテル 新宿エリア9棟目をオープン 既設と合わせて2棟一体運営を行う
 アパホテル(東京都港区)はこのほど、新宿エリア9棟目となる「アパホテル〈東新宿 歌舞伎町タワー〉」2棟・全747室を開業させた。
 同ホテルは、東京メトロ副都心線・都営大江戸線「東新宿」駅徒歩4分に位置し、JR「新宿」駅も徒歩圏というビジネスやレジャーに適した立地となる。昨年7月に開業した全217室の「アパホテル〈東新宿 歌舞伎町西〉」の隣地に新たに地上20階建てのタワー棟を建築し、2棟合わせて総客室数747室の「アパホテル〈東新宿 歌舞伎町タワー〉」として開業するもの。一体とした管理・運営を行うことで人員面も含めた効率化を図っていく。
 開業にあたり、同社グループの元谷外志雄代表は話す。
 「当社は昨年より3年間で64棟1万7791室のホテル開業を計画しており、コロナウイルスに負けることなく来年のオリンピック開催後、日本の観光大国化に向けて計画通り進めている。我が社は所有にこだわる経営を続けてきたおかげで、ホテル業として利益率30%に近い世界最強の収益力により短期間で一大ホテルチェーンを作ることが出来た。引き続き2020年4月から始まった第3次頂上戦略の15万室達成に向けて事業を展開していく」。
 同社では現在、建築・設計中を含め、新宿エリアでは8棟2540室を運営しており、同ホテルを合わせると9棟3070室となる。
 客室は全室禁煙で、同社独自仕様の「新都市型ホテル」として、全室50型以上大型液晶テレビを設置。館内案内をテレビ画面上に集約表示した「アパデジタルインフォメーション」では、自身のスマホからYouTubeで動画や写真などを大画面のテレビに映すことができる「ミラーリング機能」や、テレビリモコンでチェックアウト時間の延長手続ができる「セルフ延長機能」などを備えている。
 また、全室に空気中の花粉やカビ菌、ウイルスなどを無効化し、脱臭効果のある「ナノイーX」を搭載、従来機より人にやさしい風の流れを追求した新型エアコンや、客室の明るさにこだわったLEDシーリングライトを導入した。  ホテル外装には、カナフレックスコーポレーションと共同開発した、世界でも珍しい全面断熱一体工法「APA ECO UNIT SYSTEM」を採用。炭酸ガス排出量を抑える環境に配慮した構造となっている。 
 その他の全室標準仕様として、ベッド下に荷物の収納スペースを設けたオリジナルベッド「Cloud fit grand(クラウドフィット グラン)」や、リュックサック等を掛けるフックを設けた多機能姿見を設置し、空間を立体的に活用しているほか、照明スイッチ類、空調リモコン等をベッドの枕元に集約し、携帯・スマホの充電に便利なUSBポート・コンセントを枕元に設置しており、機能性・利便性を追求した客室空間としている。 
 最先端のIT機能として、全予約経路対応、8種類のスマホ決済にも対応するチェックイン機に加え、クレジット決済に特化した小型の卓上型チェックイン機を導入。同社公式サイトやアプリにて事前にクレジットカード決済することで、当日のチェックイン手続きが大幅に簡素化することができる。
 また、チェックイン専用機を1台導入することで、完全非接触による「待たない」「並ばない」チェックインを実現。その他、ルームカードキーを投函するとリアルタイムでチェックアウト処理が行われるエクスプレスチェックアウトポストを設置し、チェックアウト処理の自動化も行っている。

ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ 「チサンホテル」ブランドで施設再生
 ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(東京都港区)は「チサン ホテル 蒲田」(東京都大田区)を2021年1月1日にオープンさせる計画だ。同ホテルは、既存ホテルをリブランドし、ソラーレホテルズのブランド「チサン ホテル」として新たにリブランドするもの。
 「チサン ホテル」のコンセプトは“訪れた土地の思い出と共に、素敵な旅のワンシーンとして記憶に残れるホテル”。「知産地笑」という考え方のもと、地域の魅力を宿泊客に提案する。
 同ホテルは、JR「蒲田」駅より徒歩4分に位置、総客室数105室、レストランと会議室を併設する。利用客が自由に選べるアメニティの「スマート・セレクト」や、快適な無料Wi―Fi、「ご飯をおいしく」をコンセプトにした朝食サービスを提供し、さまざまなシーンで利用できるホテルを目指していく。
 同社はまた、宿泊施設が所在する地域経済の活性化と再生を支援するため、事業再生支援チームを発足した。国内外のホテル運営で確立した独自の運営モデルと複数ブランドを活かし、運営会社の変更を伴う事業再生や承継支援だけでなく、運営会社を変更せずに収益向上を図るための運営支援、送客支援なども行い、事業の再生支援を展開する。
 金融機関、投資ファンド、コンサルティング会社等を含むネットワークや、支援スキームの構築なども必要に応じて行っていく。その他、宿泊施設の従業員の雇用維持を含め、地域経済の活性化についても積極的に取り組んでいく計画だ。
 同社は、「雨庵 金沢」「ザ・スクエアホテル」「ホテル・アンドルームス」「ハタゴイン」「ロワジール」「ロイヤルパインズホテル浦和」「チサン」などのホテルブランドを有し、国内51カ所、海外1カ所、7422室のホテル宿泊部門および売店部門・料飲部門・大浴場・スパの運営、アセットマネジメント、フランチャイズ運営などの事業を展開している。

JR西日本 「ヴィアイン赤坂」2年後秋に
 JR西日本不動産開発(大阪府大阪市)とジェイアール西日本デイリーサービスネット(兵庫県尼崎市)は、東京都港区赤坂2丁目において、「ヴィアイン赤坂(仮称)」の開発計画を、2022年秋の開業に向け進めている。 
 同地は、東京メトロ「赤坂」駅より徒歩約3分の利便性の非常に高いエリアに位置。同計画では、国内外からビジネスやレジャー等で訪れる宿泊客に快適に利用してもらえると共に、宿泊客の安心・安全を最優先に、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底したホテルを目指していく。
 同ホテルの土地所有者は日の丸自動車興業、敷地面積約1385㎡、延床面積約9000㎡、建物は鉄骨造地上16階建て、客室数は約345室。

湘南レーベルが鎌倉に新ホテル
 DDホールディングスの連結子会社である湘南レーベル(神奈川県藤沢市)は「KAMAKURA HOTEL(カマクラホテル)」を、鎌倉市御成町にグランドオープンさせた。
 同ホテルは「鎌倉」駅より徒歩2分に位置、客室数は全室ツインの16室。 
 「お茶」をテーマにしたサウナは、まるで茶室のような完全貸し切り制のプライベート空間となっている。通常は水で行うロウリュも「お茶」を用意する。屋上では星空を眺めるドームテントを宿泊者限定オプションで提供する。 
 1階スペースは夕方17時から国産酒専門の「和酒BAR」に。特に日本酒はシーズンごとに仕入れを変え、その季節でしか味わえない逸品を提供する。
 鎌倉の歴史、知識を熟知したコンシェルジュが、宿泊客一組一組の滞在の全てをサポートする。 
 ディナーの提供は行わず、ゲストへスタッフ一押しの地元飲食店を紹介することで、「鎌倉の名店から隠れ家的なお店まで味わっていただくことができ、そのような取り組みを通じて、地元地域への貢献を目指します」(同社)。

志賀高原リゾートが8億円で大規模改修
 志賀高原リゾート開発(長野県下高井郡)は、今冬シーズン営業開始にあたり、8億円規模の投資による大規模改修を行う。
 目的はスノーレジャー人口の減少、コロナ禍という背景の中で、スキー・スノーボードを始めるまでのステップの簡略化、アクセシビリティ向上および志賀高原全体を考えた回遊動線の改善、近年の温暖化に対する雪量雪質の担保など、利用客の利便性の向上と集客力の確保にある。
 蓮池―ジャイアントスキー場間の新ゴンドラ「志賀高原リゾートゴンドラ」を新設する。志賀高原では18年ぶりのゴンドラの新設であり、2011年の蓮池ロープウェイの廃止以来、スキー場の出入口機能が失われていた蓮池・山の駅エリアに再度志賀高原中央エリアのハブ機能を復活させる。蓮池スキー場―ジャイアントスキー場間を新設ゴンドラで結ぶことにより、蓮池・丸池エリアから東館山、西館山エリアへの導線を改善、宿泊客だけでなく駐車場が必要な日帰り利用のさらなる獲得をめざす。
 また、志賀高原山の駅内の施設を拡充する。志賀高原リゾートゴンドラの新設により、志賀高原山の駅の位置的な重要性と利用価値が高まることになる。それに伴い喚起される各種需要に応えるべく、スキーヤーの利便性向上のための施設の拡充を行う。新たに、レンタルショップ、ロッカールーム、チケット売場の3つの機能を備えたスペースを改修・拡充する。
 更に人工降雪機を新設。近年、温暖化により自然降雪が遅くなる傾向がみられる中、オープンの予定日に滑走できないスキー場が多くなっており、スキーシーズンの到来を楽しみにするスキーヤー・スノーボーダーの間で、オープン日の安定化のニーズが高まっている。
 志賀高原一ノ瀬エリアでは標高1600mと高い標高による人工降雪環境の優位性を最大限に活かすべく、最新鋭の降雪設備を導入する。

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