不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2020.10.26 10:32

(財)宿泊施設活性化機構 経営支援の相談窓口開設
 宿泊施設関連団体の財団法人宿泊施設活性化機構(東京都港区)ではこのほど、「緊急救出作戦」と題する宿泊業のための経営・運営支援の緊急相談窓口を開設した。
 昨今のコロナ禍や、ここ数年の客室供給過剰によって、経営状態が苦境に陥っているホテルや旅館からの所有経営運営に関する相談が増加しているという。同時に、新規に宿泊施設を取得もしくは運営受託・送客受託等を希望する投資家・ファンドや運営企業からも案件発掘の依頼も目立ってきた。同財団ではこうした状況を鑑み、この情報集中を活用した無償マッチングを軸とした「緊急救済」を展開することにしたもの。 
 対象者は現業から緊急脱出したい宿泊業経営者。具体的には、「アフターコロナの集客の見当がつかない、財務、労務に自信がない」「金融機関やオーナーから抜本的な改革を迫られている」「できれば最低限の投資もしたい」「有料のコンサルティングには抵抗がある、かといって安易に売却はしたくない」といった経営者。
 4つのコースを用意する。「賃貸借コース」は相談無料、仲介料など全て無料。
 「先祖代々の旅館やホテルの所有権を手放すことはできないけれど、もう運営からは抜けたい。月額賃料で誰かに貸してしまうコースです。月額固定、月額変動、固定+変動、いずれもあり。御社にとって最適な借り手を数社見つけてきてご紹介します」(同機構)。 同じく相談無料、仲介料など全て無料の運営委託コースは、「経営権は手放しませんが、コロナ禍の中でも耐えられる経営環境のお手伝いをしてくれる運営受託引受企業を数社探してご紹介します」(同機構)。 
 こうした相談に対し、競合に勝てるマーケティングのサポートや、コストカットを含めたオペレーション全体の委託、オペレーション会社の紹介、コーディネート等を行なっていく。
 また、フランチャイズ委託コースでは、同機構がFC希望の提携先候補を紹介する。「宿泊の集客についての責任を全て負う形で、宿泊売上の10%前後のフィーからご相談です。軽く改装を実施した場合には、宿泊売上の20%前後のフィーからご相談です」(同機構)。
 M&Aコースは、「不動産および会社も含め宿泊業から脱出したいという方には、最適な購入者候補をご紹介します」(同機構)。

東急リゾーツ&ステイ デイユース販売を強化
 東急リゾーツ&ステイ(東京都渋谷区)では、全国で開発運営する滞在型ホテル「東急ステイ」の一部の店舗で、宿泊を伴わない新たなホテル利用として開発したデイユース客室のさらなる販売促進を図る。
 このほどSBイノベンチャー(東京都港区)が提供するスマートフォン用ワークスペース予約アプリ「ワークスルー」のベータ版に、デイユース客室の掲載を開始した。今回「ワークスルー」サービスには、「東急ステイ銀座」、「東急ステイ新宿」、「東急ステイ池袋」の3店舗が参画する。 
 出張や旅行等でホテルに宿泊する場合は、事前にホームページ等で予約に至ることが多い。今回のデイユース客室を提供するにあたり、「“思い立ったら” “気軽に” “ふらっと”」というフレーズをキーワードに、「宿泊を伴わないホテル利用」という新たな価値を提案する。外回りをしている最中に急な打ち合わせが入り個室環境が必要となった、雨が降ってきて屋外のテラスでの仕事ができなくなった、等の突発的なシチュエーションに際し、ワークスペースの選択肢としてホテルのデイユース客室をもっと身近に利用してもらおうというもの。
 屋外で雨に降られた際には、客室内の洗濯乾燥機で衣服を乾かしながらシャワーを浴びてリフレッシュする等、「東急ステイ」ならではの設備が活かされることを期待している。 
 「ワークスルー」は、2020年7月28日にベータ版がリリースされた、レストランなどのアイドルタイムにおける空席をワークスペースとして貸し出す予約アプリ。希望する店舗と利用日時、カウンターやテーブル席、個室などの席タイプをアプリ上で選択し、レストランなどの空席をワークスペースとして30分から予約することが可能。予約したワークスペースを確実に利用することができるため、外出中にパソコン作業などを行う場所を探す時間や手間が掛からず、業務の生産性の向上を促す。
 「東急ステイ」ブランドは「ビジネス」から「観光」、「転勤等の一時住まい」まで、海外からの旅行者も含め、「1泊でも中・長期滞在でも快適な空間」を提供することをコンセプトとして洗濯乾燥機・電子レンジ・ミニキッチンなどを客室内に設置したホテル。現在全国で28店舗4521室を展開している。

タップ 非接触型アプリサービスを開始
 タップ(東京都江東区)は、生産性向上を目的とした次世代のホテル旅館オペレーションを推奨する観点から多言語対応した「スマート PMS」の開発を進めているが、このほど第一弾として、非接触対応型・ホテル旅館向けアプリ(Web及び、モバイル)サービスを提供する。
 宿泊施設の利用者が予約からチェックアウトまで自身のモバイルで実現可能な非接触対応のソリューションを提供するもの。
 第一弾として、「モバイルチェックイン・QRコードによるカードキー発行」「モバイルチェックアウト精算・電子レシート発行」「宿泊約款などモバイルでの参照等客室ペーパーレス化の実現」「カフェ・レストラン利用時のモバイルオーダー」「モバイル端末による飲食店舗や大浴場など、パブリックスペースの混雑状況把握」といったサービスを提供する。
 同アプリは、衛生管理対策として対面接触サービスの削減、三密回避、コロナ禍における感染症リスクを軽減し、利用者と事業者双方に安心と安全を提供する。
 来たる2021年に予定されている東京2020オリンピック・パラリンピック開催時において、諸外国からのホテル利用者に対しても非接触型ホテル旅館サービスを体験してもらいたいという。
 今後同社では、「ホテル客室・電化製品の遠隔コントロール機能」「NFC(近距離無線通信)、生体認証情報などを活用した様々なスマートキー)「AIを用いた多言語対応のチャットボットやマップ機能を活用した観光情報との連携」機能を追加していく計画。  
 将来的に様々な企業アライアンスを広め周辺観光施設との相互連携やタクシー配車などの交通インフラとも繋がる「旅の統合アプリ」としてバージョンアップを進めていきたいという。
 同社はこれからも「安全・安心・清潔・エコ・コンビニエンス」を追求し、より価値ある体験(ユーザー・エクスペリエンス)を提供するべく活動していく。
 アプリ利用料に関しては、昨今の経済状況を真摯に受け止め、コロナ禍における観光産業の経済回復を支援していく観点からタップユーザーには「コロナ対策キャンペーン」として、月額利用料を数万円にて提供を予定している。
 導入初期費用は最小構成20万円から。
 同社では2017年に30周年を機に、創業者の代表取締役会長林悦男氏が「マイホテル・マイオペレーション」を掲げ、全てがセルフスタイルでホテルや旅館を利用する未来構想を発表すると共に、同社がPMS会社からホテルエンジニアリング会社に変わっていくと提唱した。

霞ヶ関キャピタル 地域創生の一環で開発プロジェクト
 霞ヶ関キャピタル(東京都千代田区)はこのほど、同社がホテル事業に係るアセットマネジメント業務を受託している岐阜県高山市におけるホテル開発プロジェクトについて、「FAV HOTEL TAKAYAMA」(岐阜県高山市)を2020年10月26日に開業させた。
 同社では地域創生ソリューション(東京都千代田区)を無限責任組合員とする「ALL―JAPAN観光立国ファンド投資事業有限責任組合」を出資者として招聘し、協働の取組みを行ってきたが、今回同社初の自社ブランドである「FAV HOTEL」の1号店として、「FAV HOTEL TAKAYAMA」を、岐阜を中心とする地域経済活性化の後押しを目指し、周辺地域の建設業者、金融機関と連携して開発した。 
 今回の取組みのように、ホテル開発事業を通じて観光立国の実現や地域創生に貢献し、地域経済の活性化。日本の経済成長に資する活動を引き続き推進していく。 
 同ホテルは、岐阜県高山市の中心地である高山駅から徒歩約6分の好立地に位置し、約35㎡の部屋を中心としたインバウンドや家族、グループ旅行等の需要に対応したホテルで、最大6名まで宿泊できる客室を用意し、家族でも大人4人の仲間でも利用できる。
 各部屋にはキッチン、洗濯機、冷蔵庫、カードキー不要の暗証番号式の客室ロックを完備し、シモンズ社製のベッドで上質な睡眠環境を提供する。
 また、ホテルフロントでは飛騨山脈を源流とする水や、寒冷な気候のもと生まれた高山の「地酒」をはじめとした日本酒なども提供する。
 近年の日本において、観光立国の実現に向けて様々な政府目標や施策が推進されており、訪日外国人旅行者が増加を続けている一方で、家族・グループ旅行に対応した宿泊施設はまだまだ十分ではないのが現状だ。
 こうした背景を受け、同社は、4名以上のグループで泊まれる客室の需要に対する供給の少なさに着目し、広く・安く・便利に多人数で宿泊できる新たなタイプのホテルの提供に向けた取組みの一環として、「FAV HOTEL」ブランドを創出した。

Zedan 特別美容プランを提供
 Zenden(京都府京都市)では、同社が運営するホテル「La Viola」は、美しくありたい女性の為の特別美容プラン「セルフエステプラン」を期間限定で提供した。  
 同プランでは、国内で超人気アイテムのデンキバリブラシや韓国で超人気のLEDマスク、脂肪の吸収を抑えるサプリメント等、身体の内外から美しくなるための全11種類を用意。
 毎日仕事や家事、育児に追われて疲れている女性を癒し、美しくしてくれる美容アイテムだが、次々と新しい製品が登場し、どれを選んでいいか分からない、という人も多い。今回の特別プランは女性オーナーならではの視点で美容に焦点を当て、日常では中々体験する機会の少ない美容アイテムを取り揃えた。

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