不動産トピックス

クローズアップ オンラインサービス編

2020.09.23 13:28

 テレワークや在宅勤務が身近な勤務体系になった今日において、どこに居ても気軽に利用・活用できるオンラインサービスへの注目度が高まっている。不動産においては「3DVR」をはじめとするサービス。不動産仲介業者やオーナーの双方が利用でき、共に業務の効率化かつ快適さにも繋がる。

バーチャルホームステージングサービス「VHSS」リリース オンライン内見よりもより印象的に
 キャドセンター(東京都千代田区)は、xR技術を使い内見時に入居後の生活イメージをタブレット等のデジタル端末内に合成してリアルタイム表示するバーチャルホームステージングサービス「VHSS」の提供を開始した。
 VHSSはタブレット端末を通じて内見時にバーチャルで家具の配置を再現。「購入後の生活イメージ」を容易にし、ポジティブな印象を与えることで売却を円滑に進めるためのサービス。新築・中古を問わず活用できるのが特徴。「せっかく現地まで足を運んできたのに、ホームステージング(家具やインテリアの設置)されていないと入居後のイメージがつきにくい」という物件購入検討者のニーズと、「集客に成功しているが、内見しても入居後の生活のイメージがわかないという理由から歩留まりが上がらない」という不動産仲介業者のニーズに応えるサービスだ。
 キャドセンターは1987年の創業以来、3DCG技術を使ったデータモデリング技術をベースにアニメーション・映像、xR技術を使った体験型ビジュアライゼーションコンテンツの提供をしてきた。設立当初から建設・建築・都市計画といった分野、中でも特に不動産・住宅関連分野への造詣が深く、培ってきたノウハウを活かして、不動産テック領域において新しいソリューションを複数開発、展開している。
 VHSSの開発に要した期間はおよそ半年。代表取締役の鈴木俊郎氏は「新築マンションの販売業者の方より、『お客様がせっかく足を運んでも成約にまで至らないことが多い』という声を聴きました。そういった事業者様へのお手伝いとなるようなツールとして、現地での対面接客時はもちろん、現地へ行かなくてもバーチャルで使用でき、かつリアリティある内覧が可能な同製品の開発に踏み切りました」と背景を語る。
 同製品を通して内見をする住宅検討者のメリットも大きい。「VHSSアプリ内には、部屋のサイズに合わせて3Dデータ化したホームステージングセットを複数登録してあります。部屋に配置したマーカーをiPadで読み込むだけで、実際の空間にマッチングするハイクオリティ家具がバーチャル配置される仕様になっており、顧客の新しい生活イメージの解像度を上げる助けになる他、家具購入検討にも活用しているという声を頂いております」
 「『VHSS』は今後、登録家具や機能追加などを定期アップデートしていく他、お客様からのニーズもヒアリングしながら、賃貸・新築住宅以外にも、オフィスでの利用ニーズや店舗空間における活用など、幅広い領域に広げていく構想です」
 また鈴木氏は、「今の『VHSS』はリアルな空間における家具配置や内装をイメージするためのものですが、今後はフルCGで構成されたバーチャル空間上で住宅購入や賃貸契約に関わるあらゆる検討ができるアプリのリリースを考えています。具体的には、3LDK等の専有空間自体の3Dデータや、家具・建具・床・壁のテクスチャーなどを全て3Dライブラリとして登録。選択した間取り内で自由に掛け合わせ、カスタマイズシミューションできるといったものです。
 今後も、不動産領域におけるデジタルやデータを活用した施策展開により、業界のDX推進に寄与したいと思います」と今後を展望した。

COMPASS AI不動産経営シミュレーター今月11日より提供開始
 COMPASS(東京都新宿区)は、不動産オーナー向けに人工知能(AI)による投資不動産の将来キャッシュフローとリノベーション効果予測が行える新サービス「AI SCOPE」を、今月11日より提供開始した。
 「AI SCOPE」は、不動産物件情報のビッグデータをもとに保有不動産の資産価値や将来の賃料、空室率などの予測に加え、業界初となるAIを活用したリノベーションの効果予測を行うことができるサービス。これまでの賃貸経営では知ることができなかった情報を手に入れることができ、キャッシュフロー分析や不動産ポートフォリオ管理ツールとして活用できる。
 同サービスを活用すれば、保有不動産の現在・将来における課題を早期発見し、賃料見直しのタイミングや売却など、計画的な不動産経営を行うことができる。
 また、AIを活用したリノベーションの効果予測から同社の親会社であるCasa(東京都新宿区)が提供するリノベーションサービスへつなぐことで、物件オーナーは効率的に物件価値を高めることが可能となる。
 物件周辺エリアの相場は都道府県、沿線、駅名の3つを選択するだけで、簡単に分析可能。指定の駅周辺エリアの賃料、賃料単価、専有面積・築年数などが分析できる。

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