不動産トピックス

クローズアップ 改修・修繕編

2020.05.18 17:03

 建物を長く運用するためには適切な修繕や改修工事が必要だ。加えて温暖化対策などの環境への貢献も、現代の建物が担う役割の一つとなっている。工事には多額の費用を投じなければならないことから、慎重な判断が求められる。

CONZ ビル・マンションの修繕コスト最適化 建設業界出身者の目線で提案
 CONZ(神奈川県横須賀市)では、不動産オーナーの視点に立ち改修工事や修繕工事の内容を精査し、工事費削減の提案を行っている。同社の臼井健吾社長は全国で事業展開を行う建設会社の出身。多くの工事現場を経験する中で、施主の費用負担を軽減できる可能性を感じてきたという。
 「既存ビル・マンションの改修工事や修繕工事は、建物管理を行う会社が元請けとなり、管理会社が工事の施工業者を選定するのが一般的です。工事の実務を下請け・孫請けが担当することで中間コストも上乗せされ、施主の費用負担増大を招いてしまいます。また、必要な工事の有無も第三者が精査することでコスト削減を図れる場合があります」(臼井氏)
 同社は臼井氏はじめ建築・設計に精通した専門家が現地を調査し、必要な工事内容を分析。先述したような従来の手法による工事に比べ、費用を平均1~3割削減することが可能だという。同社ではこのほかにも、オーナー側の指定業者で実施されることの多い入居者負担のB工事のコスト削減提案も行っている。建築工事は専門性が高く、費用の透明化が難しい。同社のような第三者の知見を加えることによって、オーナー側もテナント側も費用の無駄を最小限にする。

国際航業/日比谷総合設備 民間初、自治体省庁のZEB化に着手
 国際航業(東京都千代田区)は、日比谷総合設備(東京都港区)と協同で、兵庫県赤穂郡上郡町と民間企業として初めて庁舎のZEB化に向けた改修工事に着手する。
 両社は昨年11月にこの改修工事の優先交渉権者に特定され、設計業務及び設計フェーズにおけるコミッショニング業務を推進してきた。今回のZEB化工事では、省エネルギー設備更新と建物の断熱性能の向上により、地球温暖化対策と施設の長寿命化対策という2つの目標を掲げ、実現に努める。両社はこの取り組みを先進的なモデル事業として位置づけ、今後もZEB化の普及に全国で取り組むという。

都市部のビルをドローンで点検 「中野サンプラザ」で実証
 建築研究所(茨城県つくば市)、西武建設(埼玉県所沢市)、日本ツーバイフォー建築協会(東京都港区)は3月17日、JR「中野」駅前の高層ビル「中野サンプラザ」でドローンによる点検調査実験を実施した。
 この実験は、「中野サンプラザ」の外壁をドローンで調査するというもの。ドローンが上下にカメラで撮影しながら一定速度で移動した。使用されたのはラインガイド式ドローンと呼ばれるもので、ドローンをラインで係留し、ドローンが電波異常などで操作不能に陥ることによる事故を防ぐ検査方法である。安全性や精度、効率性に優れた方法として都市部のビルでの活用が期待されている。都市部でのドローンの活用は安全性の確保が障壁となり普及を妨げてきたが、今回の実験により点検調査への活用が実証されることで、普及促進が期待される。
 ラインガイド式ドローンは西武建設での実用化が予定されており、今後は同社以外の建物においても展開していく考えである。

オンラインでインテリアコーディネート
 Praemio(東京都渋谷区)は、Zoomを使ったオンライン対面専門のインテリアコーディネートサービス「zoom interior(ズームインテリア)」を開始した。新型コロナウイルス感染拡大により厳しい状況に置かれているインテリアコーディネーターと、住まいのインテリアをコーディネートして欲しいユーザーを結び、全国のインテリアコーディネーターを応援する。
 「zoom interior(ズームインテリア)」は、インテリアデザイン会社に所属、またはフリーランスとして活躍するプロが、オンラインビデオ通話のZoomを使用して理想の部屋を一緒に作り上げるインテリアコーディネートサービス。全国どこからでも、リアルタイムでプロのインテリアコーディネーターに相談ができる。家具の購入も全てオンライン上で完結でき、家具の発注や納品をすべて任せる(料金別途)ことも可能だ。
 サービス開始時に予約時のアンケートを元に、プロが直接オンライン対面ヒアリングを実施。悩みや要望についても細かくヒアリングをすることで、「好きなインテリアが分からない」、「予算の組み方がわからない」という場合でも方向性を明確化する。リアルと変わらない丁寧なヒアリングにより、コーディネートの「質」を担保できるという。

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