不動産トピックス

日本橋特集 街を彩る名店探訪 日本橋弁松総本店

2020.03.02 17:40

室町 「日本橋弁松総本店」 江戸っ子が好んだ「濃ゆい」味は変えない

 日本橋弁松総本店は1810年(文化7年)、越後生まれの初代・樋口与一に始まる。食事処「樋口屋」は日本橋のたもとの魚河岸のすぐ近く。盛りの良さで繁盛していたが魚河岸の忙しい人にはゆっくり最後まで食べ切る暇ない。そこで残った料理を経木や竹の皮に包んで「持ち帰り」としたところ、これが大当たり。最初から「持ち帰り」の注文が入るようになり、3代目の当主、通称「弁当屋の松次郎」の時代に食事処を辞め、折詰弁当専門店「弁松」となった。
 8代目当主、樋口純一氏は1997年、26歳で後を継ぎ、新工場や新本社店舗を建て新しい時代の体制を構築する一方で、老舗の「濃い」味を守ってきた。「今後もこの味を変えずにいきます食材や折詰資材も値上がりしてきましたが質を下げることはありません」と気概を見せる。江東区の工場では毎日午前一時から仕込みが始まる。めかじきの照焼、野菜の甘煮、生姜と昆布の辛煮などが職人の手により丁寧に作られる。里芋などは数時間煮こみ、芯までしっかり味をしみ込ませる。デパートや学校などへの卸しやイベント向の注文が多いが、室町の本社ビルでは限定ランチ弁当を販売している。近隣のワーカーに好評で昼12時にはほぼ完売。「日本橋ではまだまだ新参者です」(樋口氏)と語るが、これからも「弁松」の味を変えずに令和時代以降も続くことを願う。


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