不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2020.01.20 14:12

ナインアワーズ JR名古屋駅前に出店 最上階にはペントハウス型ラウンジ
 ナインアワーズ(東京都千代田区)は2月10日、東京、大阪に次ぐ大都市ターミナル駅、JR「名古屋」駅徒歩2分の場所に「ナインアワーズ名古屋駅」を開業する。
 同施設は、敷地面積198・75㎡、延床面積1130・16㎡、地上10階建て、客室数は男性78室、女性78室の合計156室。
 所有はナインアワーズプロパティファンド第3号で、運営がナインアワーズ。内装・建築設計が芦沢啓治建築設計事務所、建築設計に現代建築研究所、施工は塩浜工業が担当する。同施設の開業により、全国で14店舗目の出店となる。
 同社では、東京、大阪、名古屋など、大都市圏の利便性の高いロケーションに集中的に出店することで、利用者のさらなる利便性を追求していきたいという。
 地上10階には景観を一望できるペントハウス型のラウンジスペースを設置。1階には、東京・神保町で世界レベルのスペシャルティコーヒーを提供するGLITCH COFFEE&ROASTERSの名古屋地区1号店が出店する。
 同社は気鋭の建築家と共に施設の設計を行なっている。「ナインアワーズ名古屋駅」では、2018年7月に開業した「ナインアワーズ蒲田」の建築設計を担当した芦沢啓治氏が、内装と屋上ペントハウスの設計を担当。同社が追求する機能性の高さに加え、使い心地の良さ、過ごしやすさの向上を目指していく。
 また同施設では、都会の喧騒の中にありつつも落ち着いた雰囲気で滞在できるよう、インテリアに使用する素材や色、光に注目。それぞれの細かなディテールや組み合わせに検討を重ねデザイン。「GLITCH COFFEE@9h」が入居する1階部分はランドスケープデザインを橋内智也氏「橋内庭園設計」が担当している。
 1階に出店する「GLITCH COFFEE@9h」は、東京・神保町を拠点に、新世代のコーヒー業界をリードする「GLITCH COFFEE&ROASTERS」(グリッチコーヒーアンドロースターズ)が、名古屋地区初の店舗としてオープン。同店舗は、焙煎や抽出だけではなく、産地や農園、精製方法、品種まで、全プロセスにこだわり、それぞれの産地に由来する果実味を最大限に引き出し、コーヒー豆本来の個性を伝える「価値ある一杯」を提供している。
 独自のカテゴリーを目指す「ナインアワーズ」は、ホテル滞在中の「シャワー」+「睡眠」+「身支度」という3つの基本行動の本質を捉え、 機能性と品質を徹底追求している。部屋という空間概念を捨て機能自体を提供することで、宿泊に限らず、24時間利用客の都合に合わせて仮眠やシャワーのみでも利用可能な都心ならではのトランジットサービスを提供している。

アパホテル 東京・八王子にFC新店 大阪エリアは新たに建設用地を取得

 アパホテル(東京都港区)はこのほど、MID(東京都中央区)とフランチャイズ契約を締結し、東京都八王子市に全80室の「アパホテル〈八王子駅北〉」を2月27日に開業させる。
 同ホテルは、JR「八王子」駅から徒歩5分に位置。敷地面積296・28㎡、延床面積1692・56㎡、鉄骨・鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付8階建て、客室は全80室。
 MIDは、アパホテルのフランチャイジーとして、全117室の「アパホテル〈秋葉原駅電気街口〉」(東京都千代田区)、全53室の「アパホテル〈八王子駅西〉」(東京都八王子市)を運営しており、既存2ホテルの業績が好調なことから、今回の契約締結に至った。 
 開業に向け、全室大型液晶テレビ、オリジナルベッド「クラウドフィット」、明るさにこだわったシーリングライトの導入を行い、「高品質・高機能・環境対応型」の「新都市型ホテル」仕様へリニューアルを実施する。 
 同社はまた、大阪・心斎橋エリアでホテル開発用地を取得した。取得会社はアパホーム。
 本案件地は、地下鉄堺筋線「長堀橋」駅より徒歩2分に位置する。通称「ミナミ」の盛り場「ヨーロッパ通り」に近く、関西を代表する高級ブランド街「心斎橋エリア」や、多くの観光客が行き交う大阪の名所「道頓堀」がある「なんばエリア」の二大繁華街が徒歩圏内であり、ビジネスやレジャー客のニーズを期待している。
 敷地面積は636・43㎡、完成すれば10階建て、延床面積約3150㎡、客室数202室の「(仮称)アパホテル〈心斎橋 なんば北〉」として、2021年秋開業を目指していく。
 アパグループでは、大阪主要エリアでも大型ホテルの開発にも注力しており、2025年に開催決定した大阪万博をはじめ、関西エリアでのインバウンド等の需要の拡大を見込み、34階建て全1709室の「(仮称)アパホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉」を2022年12月に、39階建て全2064室の「アパホテル&リゾート〈大阪難波駅タワー〉」を2023年秋に開業を予定している。
 同グループでは、アパホテルネットワークとして、建築・設計中、海外、FC、パートナーホテルを含む全国最大級の583ホテル9万5130室を展開しており、年間宿泊数は約2613万名にのぼる。  
 2010年4月にスタートした「SUMMIT5(頂上戦略)」では東京都心でトップを取る戦略をとり、東京23区内の直営ホテル数のみで75棟・1万8478室を達成し、東京、大阪でタワーホテル4棟・5414室を含む、53棟・1万7680室を現在、建築・設計中だ。その後、2015年4月にスタートした「SUMMIT5―2.(第二次頂上戦略)」では、国内は東京都心から地方中核都市へと展開を広げ、2020年3月末までにパートナーホテルを含むアパホテルネットワークとして10万室を目指している。

LS 外国人ターゲットにしたホステル 老朽ビルをリノベーション
 LS(東京都中央区)では、東京・上野エリアに企画・運営を手掛けるホテル事業の1号店となる「Q Stay and lounge 上野(キュー・ステイ・アンド・ラウンジ 上野)」を1月20日にオープンさせる。
 同施設は、地下鉄銀座線「上野」駅より徒歩3分に位置。敷地面積108・46m2、延床面積438・77m2、地上5階・地下1階建て。客室はドミトリータイプ42名、個室4名分で収容人数42名。
 老朽化したビルをリノベーションし、外国人観光客をメインターゲットとしたホステル。既に昨年12月より、1階に併設するカフェ&バー「Q Cafe」が先行オープンしており、周辺を訪れる人を中心に好評を博している。 
 同施設は、日本のホステル初の試みとして、多言語グループチャット「Kotozna Group Chat」を導入。自分のスマートフォン端末から母国語で打ち込んだメッセージが、AIを活用した機械翻訳技術により変換され、リアルタイムでスクリーン上に表示される。その場にいる誰もが母国語で、世界中から訪れる人とチャットを楽しめる、新感覚のコミュニケーション体験を提供する。
 ホステル内には、東京藝術大学の学生をはじめとするアートを志す若者によるアート作品を展示。施設全体を使った個展やインスタレーション、ワークショップやライブペインティングなどのイベントも、定期的に開催する。また、本人に代わり情報の発信や作品販売の代行など、その活動を支援していく。
 世界中様々な国から来日したスタッフが、数多く在籍。その国籍の総数は、延べ20カ国以上にも達する。日本語、英語のみならず多様な言語での対応が可能なことはもちろん、さまざまなバックボーンを持ったスタッフが、その個性を活かしてゲストに対応する。

FURUEL 日本文化体験型民泊施設
 FURUEL(大阪市北区)では、日本文化体験型の民泊施設「FUROSHIKI」を大阪市内にオープンさせた。
 同施設は、内装には日本の伝統文化である風呂敷をふんだんに使用し、「震えるほどの体験を」をテーマにしたもので第8弾となる。
 施設には、現代風のモダン柄や、歌舞伎や相撲、猫や犬の動物イラストなど色・柄・手触り・大きさ等さまざまな風呂敷120枚使用。利用者はその中から好きな一枚を選んで、施設内の包み体験コーナーで包み方・結び方を学ぶことができる。玄関に設置した風呂敷で作成したカバンはレンタル。滞在中に近所のスーパーに買い物に出かけたり、徒歩3分にある観光地・黒門市場に出かける際に持ち歩くことが可能だ。
 同社が手がける体験型民泊施設は、すべて空き家を再生させたもの。今後も日本酒にまみれた「SAKEHOUSE」、風呂を楽しむことができる「湯乃屋」などをオープンさせていく計画だ。

大江戸温泉物語が新潟に初進出
 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)ではこのほど、新潟県村上市にある「夕映えの宿 汐美荘」を取得した。リニューアルオープンは6月の予定。 
 同施設は、SRC造、南館6階建て2800㎡、中央館6階建て2404㎡、本館10階建て7875㎡。客室数91室。「温泉と旅の楽しさをもっと気軽に何度でも」をコンセプトに、全国に温泉宿・温浴施設を展開する同社の40カ所目の施設となる。
 県北の城下町と呼ばれる村上市は、歴史的な町屋の雰囲気が味わえ、独自の鮭文化や瀬波温泉海水浴場など多くの観光資源を有する地域。県外からの観光客も多く、村上市全体では年間約220万人が訪れている。
 同社はこの「夕映えの宿 汐美荘」を取得することで新潟県初進出となり、地元地域はもちろん、関東圏、全国の利用客を獲得していきたいという。

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