不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.12.09 14:33

「ヴィアインホテル」26棟6400室に
 ジェイアール西日本デイリーサービスネット(兵庫県尼崎市)は、宿泊特化型ホテル「ヴィアイン下関」(山口県下関市)を2020年4月30日にリニューアルオープンさせる計画だ。
 客室レイアウトや内装デザインを一新させる。具体的には、客室家具の機能と配置を見直すとともに、共用部から客室まで一貫した上品なデザインを採用する。下関の歴史をデザインアクセントにした大浴場「維新の湯」を新設させる。
 客室は、ダブルサイズ以上のベッド割合を全客室の約5%から約83%へ大幅に増加させるほか、テレビは40型又は50型を採用し、全客室のサイズを大型化。セキュリティカメラの設置台数を大幅に増加し、範囲も館内共用部全フロアへ拡大させる。
 同ホテルは、JR「下関」駅東口から徒歩約3分に位置し、床面積は約4170㎡、客室は、シングル161室、ダブル30室、ツイン4室の合計195室。
 ホテルの運営は、現在は100%出資子会社である早鞆商事が行っているが、リニューアル開業後は、同じく100%出資子会社であるJR西日本ヴィアインが行う。
 同社はまた、広島市南区のJR「広島」駅から徒歩約3分の立地で、「ヴィアイン広島新幹線口」を2020年4月26日にオープンさせる。
 同ホテルは、延床面積約5700㎡、1階部分は、エントランス、フロント、ロビー、喫煙ブース、店舗、2~9階が客室で、シングル184室、ダブル37室、ツイン25室の計246室。10階に大浴場を配置する。
 デザインコンセプトは、デンマーク語で“居心地がいい時間や空間”という意味の「Hygge(ヒュッゲ)」。ラウンジや大浴場は、木のぬくもりを感じられる空間設計で宿泊客の旅の疲れを癒す。 
 デザイン及び設計は、大手ファッション企業ワールドグループがプロデュース。客室は、壁面や床に落ち着いたブラウンを、壁にグリーンを効かせ、間接照明の柔らかい光で自然に包まれるようなあたたかいデザインにした。
 また、ジェイアール西日本ファッショングッズ(同)と共同開発した、ファッション性と快適性を併せ持つルームウエアを用意。「トレンド感がありヒップをゆったり隠せるビッグシルエットの3色のトップスと、適度に絞りをきかせ美しいシルエットをかなえつつ気楽に過ごせるボトムスは、男女問わず着用しやすいデザインです」(同社)。
 このホテルの新規開業により、ヴィアインホテルチェーンは、全26棟、総客室数約6400室となる。

京王電鉄が高山グリーンホテルを子会社化 地場老舗のブランド力を生かし観光需要獲得
 京王電鉄(東京都多摩市)では、高山グリーンホテル(岐阜県高山市)の全株式99万6000株のうち、86・6%にあたる86万2200株を取得、子会社化した。
 両社は2017年4月に提携基本契約を締結、2018年2月に同ホテルの土産物店「飛騨物産館」を移設・リニューアルしたほか、2020年4月22日にオープン予定の新館「桜凛閣(おうりんかく)」の建設や、営業面・運営面での人的な連携を進めるなど、およそ2年半にわたる取り組みを行ってきた。更なる相乗効果を生み出すため、子会社化したもの。
 高山グリーンホテルは、高山市で40年以上の営業実績を有し、市内の中心的なホテルとしての高いブランド力に加え、地域との関係性も深い老舗ホテル。 高山市は、世界から注目を集める観光地であり、同市の外国人観光客数は、昨年、過去最高の約55万2000人となった。
 今回の子会社化により、京王電鉄グループが持つホテル業のノウハウと、高山グリーンホテルの地域ブランド力を掛け合わせ、有望市場である飛騨高山での需要を取り込むとともに、中央道を中心としたインバウンド戦略の推進と、中部エリアにおける同社の事業領域拡大を図っていく。

ビーロット 不動産投資商品としてホステルを取得
 不動産投資開発事業を展開しているビーロット(東京都港区)では、不動産投資商品としてホステルを取得した。
 対象となった物件は、ワイズアウル(東京都渋谷区)が運営している東京都目黒区青葉台のホステル「WISE OWL HOSTELS SHIBUYA」。
 同施設は、京王井の頭線「神泉」駅徒歩8分に位置、鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根7階建て、ベッド数98ベッド、延床面積779・07㎡、2017年4月開業。
 ホステルのコンセプトは、OWL(フクロウ)。“Wise as an Owl”と表現されるように「ふくろうの如く賢く東京を遊び尽くそう」といった新しいスタイルのコンセプトを掲げている。
 2名~4名までの2段ベッドルームやダブルベッドルーム、女性専用ドミトリー、男女共用ドミトリーなどの部屋タイプを用意していることから、観光やビジネスなど様々な用途で利用できる他、フロントの1階カフェスペースでは、世界各国から来るゲスト達と交流ができるミートアップ等、様々なイベントを開催しており、エンターテイメント性を重視することで近隣ホテルとの差別化を図り、高稼働を維持しているという。
 同施設は人気観光地・渋谷からも徒歩16分ほどのエリアに位置する。ホステル近隣には桜並木の名所として名高い目黒川があり、川沿いをそのまま進めば中目黒エリアにアクセスできることから、代官山や恵比寿でのショッピングや観光にも優れたロケーションだ。
 同社グループでは、訪日観光客の増加による宿泊需要をビジネス機会に宿泊施設の開発プロジェクトを強化してきた。日本を代表する観光エリアで創造性に富んだ宿泊施設は、不動産投資商品として希少性が高いと判断し、今回の取得となったもの。

グランビスタ ホテル&リゾート 「INTEGRATE HOTELS」第5号新大阪に
 グランビスタ ホテル&リゾート(東京都千代田区)は、「INTERGATE HOTELS」ブランド第5号ホテルとして「ホテルインターゲート大阪 梅田」(大阪市北区)を2020年12月にオープンさせる計画だ。
 当初計画の2021年春を予定より前倒しする。同ホテルは、JR「大阪」駅より徒歩5分に位置、地上18階、客室数は386室(予定)。
 周辺にオフィスや大型商業施設が立ち並ぶ西梅田地区にあり、交通利便性・立地の良さを生かし、ビジネス需要や年々増加する国内外の観光客の宿泊ニーズを捉えたホテル運営を計画している。
 ブランドコンセプトは、「All For Tomorrow」~『最高の朝』をお届けするホテル~。良質の睡眠はもちろんのこと、野菜をふんだんに使いひと手間加えた「ごちそう野菜の朝ごはん」や地域の「こだわりの朝のコーヒー」が旅の始まりを演出。また、地域の魅力を発見できる「人と人」「ホテルと人」「地域と人」を繋ぐコミュニケーションの場として用意したラウンジスペースでは、地域の伝統や文化を体験することができるイベントを定期的に開催する。
 滞在中、何度でも利用可能なインターゲートラウンジには、「朝1時間早く起きたくなる」地元のコーヒーショップと提携したこだわりのコーヒーカウンターを設置。ウエルカムコーヒーはもちろん、ソフトドリンクやアルコール、夜食など、利用時間によって、いろいろな飲物や軽食を提供する。
 客室には、世界各国のラグジュアリーホテルに導入されているシモンズベッド社と共同開発した「INTERGATE HOTELS」のオリジナルマットレスを全室配備する。
 同ブランドは、2018年3月の「ホテルインターゲート 京都 四条新町」(京都市中京区)を皮切りに、「ホテルインターゲート 東京 京橋」(東京都中央区)、「ホテルインターゲート 広島」(広島県広島市)、「ホテルインターゲート 金沢」(石川県金沢市)と、これまで4棟が稼働している。
 同社は、北海道で初めての本格的洋式ホテルとして誕生した北の迎賓館・札幌グランドホテルを有し、全国各地にシティホテル、ビジネスホテル、温泉旅館、総合海洋レジャー施設、ゴルフ場、ハイウエイレストランなどの施設運営を通じ、ホテル運営受託事業を展開している。

「ブティック町家」をコンセプトに エイジェーインターブリッジが新設
 エイジェーインターブリッジ(東京都中央区)では、ブティック町家ホテルをコンセプトとした「THE MACHIYA KAZAHAYA」(京都市下京区)を11月11日にオープンさせた。
 同施設は、地下鉄烏丸線「四条」駅徒歩8分に位置、客室は16㎡から48㎡の全6室。
 京都らしい趣ある町家を改修し、モダンなアート等を配したのが特徴。1階には京都にまつわる書籍や骨董などを並べ、京都のカルチャーを感じられるフリースペースを配置した。
 客室は、藍染や伝統的な沙綾形(さやがた)模様などを想起させつつ、現代的なエッセンスも併せ持つアート等が存在感を放つ。全6室のうち2室はスイートルームで、キッチン設備や洗濯乾燥機を備え、中長期滞在や家族、グループの滞在需要にも対応する。 
 1階のラウンジスペースは、宿泊者が自由に寛げるフリースペース。大きな茶筅のような照明や深い濃紺のタイル、昔の梁を大胆に使用した仕切りなどが特徴だ。大きなダイニングテーブルの周りには、骨董やアートなどが置き、京都の美を題材とした浮世絵や茶道などの和洋書などを並べた。

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