不動産トピックス

クローズアップ 緑化編

2019.10.21 13:30

 ビルの緑化にも手法はさまざま。屋上に四季の花を植えたり、グリーンカーテンにしたいrと多様化している。人々の目を楽しませ癒す効果もある緑化を取り上げる。

「コケ」はビルとの相性抜群 土壌不要、垂直施工可能、乾燥にも意外と強い
 土壌を使わず、乾燥に強いため水やりも不要という「コケ」緑化を展開しているのはモス山形(山形県山形市)。軽量で施工もしやすいため、ビルの緑化には非常に適しているといえる。屋上だけでなく、壁面でもできる緑化方法も手掛けている。庭園風の緑化方法も好評だ。「最近は、緑化から撤退する企業も多いですね」と語るのは同社代表取締役・山本正幸氏。1991年の設立以来、コケ緑化を推進している同社の取り扱うコケは日向用「スナゴケ」、半日蔭用「ハイゴケ」、日蔭用「ヤマゴケ」、「シノブゴケ」など多種多様。施工方法もコケボードや壁面のコケマットなど様々。
 また同社HPには、コケ関係の論文へのリンク等もあり、「コケ」をより社会に広めたいとの思いが伝わってくる。「屋上のコケ植栽による熱的性能に関する研究」、「壁面コケ緑化が温熱環境に及ぼす影響に関する実測研究」などの学術論文の存在は、社則や周囲の反対などの障壁などがある場合等、ビルの緑化を進める上でも大いに心強い。
 緑化には「コケ」、ぜひ一考を。

遠隔管理で植栽の状態を最適化 室内緑化オートメーション管理システム
 パーク・コーポレーション(東京都港区)の空間デザインブランド「parkERs(パーカーズ)」は、いままで困難といわれてきたBtoB向け室内緑化のオートメーション管理システム「Indoor Park Monitoring System(インドアパーク モニタリングシステム)」を開発した。
 オフィスや商業施設などでの室内緑化は年々増加傾向にあるが、それらの植栽はレンタルであることが多いため、植物の数と植栽維持管理費(レンタル費用)が比例して増えていきく。植物を多く取り入れても月々のランニング費用を圧迫してしまい、縮小または撤去されることもあった。
 同システムは、室温、湿度、土壌温度、照度、土壌酸度、画像などをセンサーやカメラで観測し、そのデータをクラウド上で管理する。それらのデータとモニタリングした植物に応じて、自動潅水(かんすい)システムと連動して給水を行う。同時に、植物の状態を遠隔から同社の専門スタッフがリアルタイムでデータとモニタリングし、PCや端末から管理。最適なタイミングで最適量の給水ができるよう微調整する。さらに、今後はその蓄積されたデータを分析し、自動潅水(給水)の精度を上げる。
 同システムを導入することで、「デザイン性」と「快適性」を保ちながら、利用者が求めるサービスに応じて月々にかかる費用と人的負担を選択することが可能となる。

土いらず、世話いらず、水と空気と電気で育てる循環式溶液栽培システム「Esola」
 中国電力(広島市中区)が大成建設(東京都新宿区)と共同で開発および実証試験を進めた、循環式養液栽培方式の「壁面・屋内緑化システム」。中国電力グループのエネルギアL&Bパートナーズ(広島市中区)が商品ブランド「Esola(エソラ)」として販売およびレンタルを展開している。
 壁面・屋内の緑化は、遮光・遮熱はもとより、安らぎや癒し、ストレス軽減、プライバシー確保の効果が期待でき、快適な空間を実現できるため、様々な場所で取り入れられている。
 「Esola(エソラ)」は循環型溶液栽培テクノロジー「e・ver(イーバー)」を搭載したはじめての緑化プランター。同商品は水と太陽と空気に加えて電気を使うことによって、土を使わず、人の手をかけず、クリーンに植物を育てることができる。また、窓枠タイプや登はんタイプなど観葉植物の種類、プランターの素材・サイズをニーズに合わせてカスタマイズが可能。
 「イーバー」は、植物を定植する培地槽と、肥料成分を含んだ養液を貯めておく培養液槽が上下二層で一体となったコンパクトで省スペースなプランターユニット。タイマー制御により養液を循環させることで、培養液を植物にむらなく自動的に散布することが可能となっている。それにより植物が安定して生育し、美観を維持することができる。さらに、軽量なので清掃等のメンテナンスも簡単である。
 今後、空間の快適化などを検討されている医療・福祉・商業施設やオフィスを中心に販売およびレンタルを展開していく予定。

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