不動産トピックス

クローズアップ 働き方改革編

2019.10.07 14:17

 不動産・建設業界でもニーズの高まる働き方改革。最新テクノロジーを活用して、労働時間の短縮と生産性向上を両立させようという動きが活発化している。そのニーズに対応したソリューション提供も活発になっている。

オフィスの業務効率化・生産性向上につながる「VACAN FOR OFFICE」
 IoTとAIを活用した空席情報配信サービスを展開するバカン(東京都新宿区)は9月26日より「VACAN FOR OFFICE」の展開をスタートした。
 同社ではこれまでトイレの空席や会議室の利用状況などIoTやAIを駆使してリアルタイムの空席情報をスマートフォンやデジタルサイネージで確認できるシステム「VACAN」を展開。昨年11月には日本経済新聞社(東京都千代田区)と共同で開発したお弁当の取り置きサービス「QUIPPA(クイッパ)」の展開も始めていた。今回の「VACAN FOR OFFICE」はこれらのサービスをパッケージとして提供するものになっている。
 背景にあるのは「働き方改革」だ。業務の効率化や長時間労働の減少などが企業のニーズとしてある。代表取締役河野剛進氏は「企業側にとって時間を有効に活用することでひとりひとりの生産性を向上させることが課題となっています。『VACAN FOR OFFICE』はIoTを駆使することで、その課題に対して最適なソリューションを提供することが可能です」と話す。
 同社は「いま空いているか1秒でわかる、やさしい世界をつくる」を掲げる。このミッションのもと、オフィスとともに商業施設や空港、観光地などでも同社のサービスを展開している。
 今年4月には中国上海に現地法人「空探科技(上海)有限公司」を設立した。日本市場だけでなく海外市場のシェアも獲得していく構えで、その第一弾は中国市場となった。「人口が多いアジア圏では当社のミッションとマッチするところが多いと考えています。その第一弾として中国での展開に注力し、アジアの他の国や欧米への進出の機会もうかがっていきたい」(河野氏)とのこと。
 先端技術を駆使した日本発のソリューションが世界の混雑を解消できるか注目だ。

ACCESS 「建設SIGNESS(TM)に音声読み上げ昨日
 ACCESS(東京都千代田区)とジャパンギャランティサービス(JGS、東京都千代田区)は共同で企画・拡販している、建設業界向けクラウド型デジタルサイネージサービス「建設SIGNESS(TM)」(サイネス)に音声読み上げ機能を拡張。10月1日より提供を開始した。
 「サイネス」はACCESSの「オーサリング機能」、「管理機能」、「コンテンツ配信機能」が全てクラウド上で管理されたサイネージサービスであるソフトウェア「SIGNESS(R)」と緊急地震速報や熱中症予防情報などの「防災コンテンツ発信サービス」にJGSが開発した屋外用の自立型大型ディスプレイ「J―Vision」を組み合わせたオールインワンのサイネージサービス。ネット接続環境さえあれば、複雑な設定作業などは不要で、本格的なサイネージサービスを導入したその日から利用開始することができる。建設現場での多元朝礼や近隣の住民や通行人へ向けた広報活動にも採用することができる。「建設サイネス」はJGSより主に建設会社を対象にレンタル提供されている。今回、東芝デジタルソリューションズが提供する文字から人間の声を人工的につくる音声合成技術を活用したサービス「コエステーション(TM)」とAPI連携させることにより、音声読み上げ機能を拡張した。音声読み上げ機能は静止画や動画に高品質なナレーションの付加を容易に可能にする。また国内で初めてスライド編集画面での音声読み上げファイルの生成に対応。従来の属人的な音声収録に伴う、人選に要する時間、読み上げミスによるやり直し、品質の不均一性がなくなり、作業効率を大幅にアップできる。音声読み上げスライドはサイネージサービス上で保存・共有することもできるため、本部でひな型作成後に個別の読み上げテキスト編集によりう効率化も可能だ。

CAMI&CO.がRPAHDと提携 IoT×RPA分野で協業
 IoT製品のプロデュース・設計・開発、コンサルティングを手掛けるCAMI&CO.(東京都品川区)とRPAホールディングス(東京都港区)は2日、資本業務提携を締結した。
 生産労働人口の不足による働き方改革が求められる中で、ホワイトカラー業務の効率化・自動化を行うRPAが解決策として期待・注目されている。特に労働力が不足している全国の中堅・中小企業ではニーズが高まる。いしかし、既存のRPAユーザーは端末にてはツールを導入したものの、部署・会社全体への展開の際に高コストになるなどの問題がある。またAIやIoTなど他の最新技術とのスピーディーな連携が難しいなど課題に直面している。
 今回の業務提携ではCAMI&CO.が提供する「IoT―DX―kit」とRPAHDの子会社でRPAのベーステクノロジーを提供するRPAテクノロジーズ(東京都港区)が提供するRPAソリューション「BizRobo!」を連携させて従来の課題の解決に努める。

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