不動産トピックス

今週の一冊

2019.09.16 15:30

耐震性の向上は欠かせない

自分で耐震診断ができる本
著者:保坂 貴司
発行日:2018年12月13日
発行所:三恵社
価格:1400円(税別)

 耐震診断は、「できればやらずに済ませたい」と思っている築古不動産オーナーは少なくないのではないか。費用がかかり、さらに、結果次第では改修工事が必要になってしまう、できれば先延ばしにしておきたいという気持ちもわかる。そして行政が無料診断してくれるなら受けてみよう、と言うのも自然な反応だろう。
 だが、そこに落とし穴がある。決してうまくいっているとはいえないと著者は言う。
 理由は、「第一に設計者・業者の知識不足、第二に無料診断ができるなら一応やってもらおうというユーザーの安易な考えによる認識不足」と手厳しい。だが耳を傾けねばなるまい。我々の家が建っている日本は現在、地震の活動期に入っているのだ。マグニチュード6・9程度の地震はいつ、日本のどこで起こってもおかしくないと言われているのだ。  さて、本書の自分でできる耐震診断のチェックリストは普段気にとめていなかったがいろいろな問題を教えてくれる。
 隣地との高低差、壁の多さ、改築のときに柱を抜いたか、結露が多いか(湿度はどうか)等で耐震判断も重要だが、メンテナンスの必要性も業者任せにしないために本書でチェックポイントを定期的におさらいしよう。

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