不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.05.20 11:17

アパグループ 海外店舗をリニューアル 「by apa」プロジェクトを進行
 総合都市開発のアパグループ(東京都港区)は、海外FC店舗を次々とリブランドさせた。これは「Coast Hotelsのby APA化」プロジェクトとして行っていくもので、第四弾として、5月2日に「COAST prince george hotel by APA」(カナダ・BC州)、第五弾として5月3日に「COAST chilliwack hotel by APA 」(同)をオープンさせた。
 アパグループは、APA Hotel International Inc.(AHI)をカナダ・バンクーバーに100%出資の子会社として2016年9月に設立し、Coast Hotelsを取得した。 Coast Hotelsに日本発のアパホテル新都市型ホテルコンセプトを融合させた新ブランド「COAST Hotels by APA」として、順次直営ホテルの改装を行っている。
 今回のリブランドに伴い、「Coast Inn of the North」は、「COAST prince george hotel by APA」とした。ホテルはブリティッシュコロンビア州の北部の中心都市でもあるプリンスジョージ市のダウンタウンに位置。全159室の客室のほか、宴会場や会議室、鉄板焼きレストラン、フィットネスルームを備える。一方、「COAST chilliwack hotel by APA」はバンクーバーの郊外、車で約1時間半の位置にある。全110室の客室のほか、宴会場や会議室、レストラン、プール、フィットネスルームを備える。
 両ホテルともリブランドオープンにあたり、ロビーフロントの改装を実施し、TOTO製ウォシュレットや55インチ大型液晶テレビを全客室に導入するほか、日本のおもてなしの心を象徴する折り鶴や、日本で既に採用しているハイグレード・アメニティの一部を全客室に設置する。また、アパポイントの付与、アパホテルズ&リゾーツとの共通予約ページの導入等も順次行っていく。 
 同グループの元谷外志雄代表は、開業式典の席上で、「新都市型アパホテルの強みをCoast Hotelsでも展開し、更にお客様に受け入れられると確信している。APAブランドとCoastブランドの相乗効果によって集客力とブランド力を高め、地域社会の発展に貢献していきたい」と話した。
 Coast Hotels Ltd.はカナダ国ブリティッシュコロンビア州バンクーバー市に本社を置き、「COAST coal harbour vancouver hotel by APA」をはじめ、カナダ国内に直営5ホテル921室、マネジメント契約5ホテル477室、フランチャイズ契約18ホテル1910室、アメリカ国内にフランチャイズ契約11ホテル1337で総計39ホテル4645室を有する、ミッドスケール・フルサービスのホテルチェーン。
 アパグループは世界戦略を一つの目標とし、あらゆる可能性を追求しながら、海外でのホテルの展開を本格化していく。Coast Hotelsを中心に、北米エリアでの事業基盤を固めた上で、その次はアジアでの展開を目指していく考えだ。

UDS 新宿に旅館タイプの193室規模施設開業
 UDS(東京都渋谷区)は5月8日、東京・新宿5丁目に、企画・設計・運営を行う新築の宿泊施設「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿(おんせん りょかん ゆえん しんじゅく)」をオープンさせた。
 同施設は、都営新宿線「新宿三丁目」駅より徒歩7分に位置、鉄骨造、地上18階建て、敷地面積1034・26㎡、延床面積5521・54㎡、客室は193室。大浴場を併設する。開発事業主は住協、所有者はJA三井リース、プロジェクトマネジメントはコロンビア・ワークス、企画・設計・運営はUDSが担当する。
 「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」という名称は、「ことの起こり」や「由来」を意味する言葉に由来する。
 日本特有の宿泊施設である「旅館」には、その発展の過程において日本のおもてなし文化が凝縮されてきたが、同施設は、旅館の本質的な要素を見つめ直し、客室の間取りやデザイン、サービスなどを現在の宿泊者ニーズや環境に合わせて編集した旅館として、インバウンドも含めた観光マーケットにおける新たな選択肢を提案していきたいという。
 切妻屋根の平屋から続く18階建てのビル部分に展開する客室は、12㎡から51㎡までの7タイプ193室。視線を低く集め空間全体に広がりを感じてもらえるデザインなど、コンパクトな空間でも快適に過ごしてもらえる工夫を凝らしている。客室の布団の敷き込みの省略や、食事が含まれない宿泊プランも設けるなど、従来の旅館のサービスを見直すことで、手頃な料金、自由なスタイルでくつろいでもらえる滞在を提供していく。 
 入口には数寄屋門や四季を感じる庭園、手水鉢など伝統的な和のしつらえを取り入れ、ヒノキやスギなどの白木の無垢材、和紙、漆を模した天板などの「和」の素材で、「陰影」を意識した日本らしい繊細な表現を随所に施した。
 客室は靴を脱ぐ小上がりスタイル。重箱をモチーフにしたアメニティボックスには、東京狭山茶と和菓子を、また館内はもちろん外出時にも利用できる浴衣、雪駄、足袋タイプの靴下を用意する。
 最上階の18階大浴場には、箱根「小田急 山のホテル」の自家温泉「芦ノ湖温泉 つつじの湯」から運ぶ温泉露天風呂を設置。露天風呂からは新宿副都心の夜景が一望できる。
 同施設は、UDSが近隣で運営する訪日外国人向けツアーデスクを備えたインバウンド事業者向けコワーキングスペース「INBOUND LEAGUE」や、地元の商店会とも連携し、まちの魅力発信に寄与していくことを目指す。またUDSは今後各都市で「ONSEN RYOKAN 由縁」を展開すべく、検討を進めていく予定だという。

JR西日本Gが東京で「ヴィアイン」ブランド
 JR西日本グループのジェイアール西日本デイリーサービスネット(大阪府大阪市)は、東京都中央区で宿泊特化型ホテル「ヴィアイン日本橋人形町」を8月29日に開業する。ホテル運営は、100%出資子会社のJR西日本ヴィアインが行う。
 同ホテルは、地下鉄「人形町」駅から徒歩約4分、延床面積約6700㎡、1階にホテルエントランス、店舗、2階にはフロント、ロビー、ゲストラウンジがあり、客室は3階から12階。部屋数はシングル70室、ダブル79室、ツイン80室、ユニバーサルツイン1室、トリプル10室の合計240室。
 全館にWi|Fi接続無料、40型以上の大型TV、HDMI接続無料、USBポート完備、サータ製のマットレス、オリジナル枕、SHARP製プラズマクラスター加湿空気清浄機を備える。
 シングル、ダブルには機能的なデスク、広めのツインには居住性の高いクローゼットやセパレート風呂を設置。
 日本橋ならではの和食を中心とした朝食バイキングを提供する。創業320周年の鰹節専門店「にんべん」のかつお節だしを使用した各種惣菜や江戸甘味噌を使用した味噌汁といった趣向を凝らしたメニュー、シェフが目の前で作るフレンチトースト、月替わりの日本各地のご当地グルメなど約40種類を用意する。
 同ホテルが位置するエリアは、江戸時代から商業、文化の中心地として栄え、今もなお数多くの歴史的建築が立ち並ぶ場所。このため、「和」の要素を現代的な感性で重ね合わせ、館内にちりばめた。また、日本の伝統色と、古くから愛され続けている亀甲模様をモダンにアレンジし配置している。 
       このホテルの新規開業により、ヴィアインホテルチェーンは、全26棟、総客室数約6400室となる。

宅都ホールディングス 民泊5棟目オープン
 不動産管理・仲介・開発などを展開している宅都ホールディングス(大阪府大阪市)では、ホテル民泊事業5棟目となる宿泊施設「TAKUTO STAY OSAKA BENTENCHO(タクトステイ大阪弁天町)」(大阪府大阪市)を2月に、6棟目となる「TAKUTO STAY OSAKA UEHOMMACHI(タクトステイ大阪上本町)」(同)を5月1日にオープンさせた。
 両施設は国家戦略特別区域法を活用した特区民泊で、同グループがオーナーからサブリースした新築賃貸マンションを宿泊用途施設として、同社の運営ノウハウを取り入れた管理、運用全般を一括して行い、民泊サービスを提供していくもの。 
 両施設とも室内にはキッチンや洗濯機が設置されているコンドミニアムタイプで、外国人観光客はもちろん国内旅行者にとっても家族での利用や長期の滞在など幅広い旅行客に対応しているのが特徴。
 「タクトステイ大阪弁天町」は、JR大阪環状線「弁天町」駅より徒歩8分に位置、地上10階建て、総戸数は37戸、最大収容人数130名。全階宿泊可能で、部屋は1~4名宿泊可能のツインルーム、1~3名宿泊可能のトリプルルーム、1~4名宿泊可能のテラス付きツインルームの3種類を用意。関空国際空港からのアクセスや大阪の主要観光地までのアクセス利便性も良く、国内外問わずファミリー層やグループでの宿泊など幅広い利用がある。
 一方、「タクトステイ大阪上本町」は、近鉄難波線「大阪上本町」駅徒歩1分。地上8階建て、総戸数は28戸、最大収容人数147名。2階~8階が宿泊可能で、部屋は1~4名宿泊可能のスタンダードトリプルAとスタンダードトリプルB、1~7名宿泊可能のデラックストリプル、1~6名宿泊可能のスイートトリプルの4種類を用意する。民泊では珍しい全室シモンズ製のベッドを採用している。
 今後も宅都グループでは、近年の外国人観光客の急増に伴うインバウンドニーズの拡大に伴い、国内外問わず多種多様な需要を受け入れられる部屋の提供と時代の変化に対応した施設サービスの展開を予定している。

JR京都駅前カプセルホテル改装
 大王興業(東京都墨田区)では、自社が運営管理するJR「京都」駅前のスタイリッシュカプセルホテル「Smart Stay SHIZUKU 京都駅前」のラウンジフロアをリニューアル、宿泊者以外にも様々なサービスの提供を開始する。
 同施設は、2018年4月のオープン。JR「京都」駅徒歩4分に位置する。客室は男性フロア84室、女性フロア66室、大浴場、ラウンジ、レストラン、ランドリーを併設する。
 今回のリニューアルでは、好評のマンガコーナーも3000冊以上に増設したほか、コミュニケーションエリアでは、宿泊以外でも、女子会・お子様連れのママ友会・サークルの集まりなど、レンタルスペースとしての利用も可能にした。もちろん一人での利用もでき、ビジネス・学習など、コワーキングスペースとしての活用も期待している。
 ラウンジ内のレストランでは、豊富なメニューをリーズナブルに提供。オーソドックスなメニューから一品料理、自家焙煎「玉木屋珈琲」の取扱いも開始した。
 リラックスチェアのあるリラクゼーションエリアでは、マンガや雑誌など、マッサージチェア、大型テレビを完備した。

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