不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.04.22 11:54

スクウィーズ 大阪でIoT宿泊施設
 SQUEEZE(東京都港区)では、「暮らすような宿泊」を提供するIoTを活用した宿泊施設「Minn(ミン)」の第4号店となる「Minn Osaka―North ―your second home」(大阪府大阪市)を4月にオープンさせる。
 同施設はJR環状線「福島」駅より約900mに位置。居室数全20室、1部屋あたり最大宿泊人数8名、最大収容人数88名。全室25㎡以上の空間に、調理器具を備えたキッチン、ベッドなど、自宅にいるようにくつろげる場所を用意する。8名まで宿泊できる50㎡のコネクティングルームには洗濯機も備えた。
 ネイチャーをテーマにした5つの部屋タイプは、シンプルな部屋から明るい日差しが差し込むボタニカルな部屋までラインナップした。新しい取り組みとして、バイクシェアや予約制駐車場の展開を予定しており、利用客の利便性向上を追求していく。  同社のプロダクトとIoTを連携させることでオペレーションの最適化を実現、宿泊者の満足度を落とさずに、省人化されたスマートな施設運営を進める。 
 旅行者のチェックイン時には安心・効率的な事業運営を可能とする「あんしんステイIoT」を導入。フロントに設置したタブレット端末上でパスポートと本人確認を行う。これにより、現地から離れた場所からも全国各地のゲストのチェックイン対応を可能にした。予約の決済は全て事前決済での対応となり、キャッシュレスな運営を行っていく。
 全ての部屋には、Airbnb社の公式パートナーで同社が日本の代理店となっている「igloohome(イグルーホーム)」のスマートロックを活用することで、実際に鍵やカードを受け渡す必要がなく、暗証番号だけで入室が可能。また、ゲストごとに新しい鍵コードを自動的に生成するシステムにより、高いセキュリティを実現。管理者側の手間を省くことはもちろん、グループの複数人数での利用でも鍵を持ち運ぶことが不要となり「キーレス滞在」を可能にしている。
 同社はグループや家族の「みんな」で泊まれること、宿泊施設を意味する「inn」を掛け合わせた独自ブランドである「Minn(ミン)」の1号店を大阪十三にオープンして以来、難波・心斎橋と、大阪を中心に展開している。現在、平均稼働90%以上、毎月延べ5000人以上が利用している。

東急ホテルズが渋谷エリア4店舗統合営業
 東急ホテルズ(東京都渋谷区)が運営する渋谷エリアの4つの東急ホテル(セルリアンタワー東急ホテル・渋谷 エクセルホテル東急・渋谷ストリーム エクセルホテル東急・渋谷 東急REIホテル)では、4月1日に販売促進業務を統合し「渋谷エリアセールスオフィス」を新設した。
 今回の統合により、渋谷内での商機拡大、ゲストのニーズに合わせた滞在先の提案に加え、訪れる価値のある街、デスティネーションとしての渋谷の魅力を全世界に発信し、グローバル規模のMICEの誘致、地域ブランディングの活性化を推進していきたいという。
 渋谷エリアは、国際的な会議の開催場所として、渋谷から発信することの意義、魅力が世界に認知されつつある。今回の新オフィス発足により、渋谷に集う魅力を「Attraction、Scale、 Cuisine、Access」とし、4つのホテルがもつそれぞれの特色、特徴を活かした営業活動を展開していく。
 "Attraction"では渋谷は、人、モノを魅きつけるエリアとして、集客力を生かし、新たな情報発信にふさわしい街として、魅力ある空間、時間の過ごし方をアレンジしコーディネートする。 
 "Scale"では4ホテルの連携・統合により客室合計1218室、レストラン施設12店舗、宴会場31室の受け入れが可能となることから、幅広い客室料金の展開でゲストのニーズに合わせた多角的な提案を行う。同時に、窓口が複数に分かれる不便を解消し1人のセールススタッフがワンストップで案内することでゲストの利便性向上を図る。
 "Cuisine"では、フランス共和国政府より「農事功労章-オフィシエ」を受章しているセルリアンタワー東急ホテル副総支配人・総料理長 福田順彦が東急ホテルズ総料理長に就任。"食の東急ホテルズ"として料理を提供する。
 "Access"では、パーティー開催において最大の価値ともいえるアクセスの良さを世界にアピールしていく。

大江戸温泉物語グループが志摩に新店オープン
 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)では、4月19日に温泉リゾート「TAOYA志摩」(三重県鳥羽市)をオープンさせた。
 同施設は、鳥羽駅よりシャトルバスもしくは車で約25分。総客室数・定員数は123室・473人。「ゆったりと、たおやかに」をコンセプトとした温泉リゾート。  大浴場には、内湯から露天風呂、海へと続いて見える「インフィニティ風呂」を用意。温泉は、三重県津市に湧く「新美里温泉長寿の湯」を使用した。"美人の湯"として女性に人気があり、無色透明なアルカリ性泉の温泉水は入浴したときに感じる滑らかな肌触りが特徴。 
 シャンプーなどのアメニティは、「DHC オリーブゴールド」、「ペリカン石鹸 プロバンシア」、「MIKIMOTO」などオーガニックコスメも含めた3種類。館内着は、幅広いラインナップの浴衣。既存の大江戸温泉物語グループの施設で人気のデザインに加え、男女や親子でペアルックを楽しめるラインナップも追加した。
 客室は全ての部屋がオーシャンビュー。全室にウォーターサーバーと加湿清浄機を設置した。2~4名が宿泊できるスタンダードルームに加え、デラックスルーム、上層階スタンダード、上層階デラックス、コーナーデラックス、最上階コーナーデラックス、また新しい試みのコンセプトルームとして和室の「だんらん」、2段ベッドが特徴的な「KATARAI」の全123室を配置した。
 「だんらん」は、部屋から国立公園の森林と青い海を眺めることができる「TAOYA志摩」で唯一の和室となっている。大人二人と添い寝の子供も一緒に寝られるデイベッドや、子供の身長に合わせて設計された"親子シンク"などを設置した。
 同社は「東京 お台場 大江戸温泉物語」をはじめとした温泉宿や温泉テーマパークを全国で36カ所運営している。東海エリアでは、下呂新館(岐阜県)と伊勢志摩(三重県)の2施設を運営している。

TKP 福岡・温泉を取得 研修との組み合わせを提案
 ティーケーピー(TKP 東京都新宿区)はこのほど、博多駅から一番近い天然温泉郷で、"博多の奥座敷"と言われる「久山温泉 ホテル夢家」(福岡県糟屋郡久山町)を取得した。同社の宿泊研修ブランド「レクトーレ博多 久山温泉」(仮称)と組み合わせ、ハイブリッド施設として新規顧客の獲得を狙い、6月から運営を開始する計画だ。
 同施設は博多・天神地区から都市高速で約20分、博多駅から車で約25分に位置。約5000坪の敷地に、天然温泉はじめ12種の温泉とサウナ、44室の和洋客室を構え、施設には10名~120名収容の宴会場・会議室10室を併設、ダイニング、アクティビティホール、売店等を完備する。
 周辺には、昭和レトロをイメージした横丁を再現したクジ引きや駄菓子など懐かしさを楽しめる「久山温泉横丁」、ワールドカップクライマー渡辺数馬氏が監修した「ボルダリング」やシミュレーションゴルフ・VRなど、体験できるアクティビティがある。 
 同社は「温泉」、「旅行」、「ミーティング」をキーワードに、熱海・箱根強羅・軽井沢・湯河原・葉山・高松で宿泊研修施設「レクトーレ」シリーズを7拠点展開。これまで「レクトーレ」シリーズは、平日は企業の研修、週末は個人客を中心に稼働することで、宿泊と会議のハイブリッド化を実現を推進してきた。今回の博多を加えて、同ブランドは8拠点目の運営となり、九州では初めての展開となる。
 同施設では、館内の宴会場・会議室、温泉、客室、アクセスの良さを有効に生かし、TKPの強みである企業の宿泊研修として展開する。同社は福岡博多市内で全12施設、99室、5898席の会議室有しているが、これらの施設を利用する法人企業への宿泊研修を販売促進し、新たなオフサイトミーティングの需要を取り込む見込み。 この施設では初年度売上約7億円、3年後の売上約9億円を見込んでいる。

沖縄で高級リゾートホテル
 カトープレジャーグループ(東京都千代田区)では、7月20日に新たに「GLAMDAY STYLE HOTEL&RESORT OKINAWA YOMITAN(グランディスタイル 沖縄 読谷 ホテル&リゾート)」(沖縄県中頭群読谷村)をオープンさせる。
 同施設は那覇空港より車で約53分に位置。敷地面積4278㎡、鉄筋コンクリート地1階、地上4階建て。客室はスーペリア20室、内1室ユニバーサルルーム、デラックスツイン25室、プレミアムコーナージュニアスイート5室、プレミアムセントラルスイート4室の合計54室で平均平米数は50.32~78.70㎡。
 付帯施設はレストラン・カフェラウンジ・バー・プール・スーベニアショップ。平均単価は3万5000円から。事業主はIMD Alliance、販売代理は東急リゾート・グランディスエステート、運営はカトープレジャーグループ。
 読谷村は沖縄本島の中部西海岸に位置し、マリンアクティビティやゴルフだけでなく、自然・文化・歴史が混ざり合うエリアだ。同社では小規模だからできる高クオリティのパーソナルホスピタリティサービスを提供していきたいという。

ホテルの賃貸物件情報サイト
 ホテル物件に特化した賃貸物件情報サイト「YADORY(ヤドリー)」を展開しているのが、スターリゾート(東京都渋谷区)だ。
 同サイトはホテル物件に特化した賃貸物件情報サイト。賃貸物件を借りるように、ホテルなど旅館業または簡易宿泊所物件のみを掲載し「貸したい人」と「借りたい人」をマッチングさせるもの。「貸したい人」も「借りたい人」も基本サービスは無料で利用できる。
 民泊新法が施行されたが、その条件は厳しく、既存で民泊サイトに登録されている数万室の宿泊施設が一時的に無くなった。民泊新法だけに頼るのではなく、既存ホテルや古民家、オフィスビルなど365日営業可能となる旅館業・簡易宿泊所の許可取得をできる物件の流通を活性化させることで、現状の問題を改善していきたいという。




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