不動産トピックス

クローズアップ 防音編

2019.04.01 17:08

 「周囲の音がうるさくて仕事に集中できない」、「隣室への音漏れが心配で重要な打ち合わせができない」という経験は誰しもお持ちだろう。「音」に対する苦情やストレスは近年増える一方だ。需要増に応え、様々なタイプの防音製品が登場している。後付けで1人で簡単に設置可能な防音設備をご紹介。

ピアリビング 一人でも簡単設置「自分でできる防音空間」
 防音専門のピアリビング(福岡県宗像市)が開発したのは「ワンタッチ防音壁」。音を吸いこむ機能のあるスポンジ状の吸音材・グラスウールと、音を反射させる機能の遮音シート(不燃ガラスクロス)または鉛シートを組み合わせるため、室内からの音漏れを防ぎ、また外部からの音を遮断することができる。
 同社オリジナルのこの「ワンタッチ防音壁」は、両面テープとビスのみで簡単に接着できる。壁に傷を付けず、工事音もほとんどなく、1人でも施工可能だ。家具の後ろや壁際に立てかけておくだけでも防音効果があるため、まずは手軽に購入し、効果を確認しながら相応しい設置場所を後から決めることもできる。
 同社代表取締役の室水房子氏は、「お客様の『簡単に、防音工事をしたい』という声から開発しました。2枚の吸音材の間に、遮音材をサンドイッチのように挟んだ構造です。カット加工できるので希望のサイズに変更可能ですから、引越し先でも同様に使用できます。『音』に関するご相談は年々増えております。工事業者不要の『自分でできる防音空間』のための商品を追求しています」と語る。 同社は他に、デスクの上に設置するタイプの吸音パーテーションや、ピアノ用防音パネル、また「床」用の防音・防振のマットやカーペット、「窓」用の3重構造防音カーテンも取り扱っている。
 同社の「防音アドバイザー」が受け付けるオリジナルオーダー商品では、窓に取り付ける「ワンタッチ防音ボード」が人気だ。
 「お客様からの騒音の相談メールや、こんな商品がほしいといったご要望をもとに研究・開発していきたい」(室水氏)。
騒音には外の工事音や足音、楽器などの趣味や生活音など多岐にわたるが、それぞれに適応する防音設備で対策したいものだ。

大建工業 高性能防音ドア「防音ドア SFタイプ」展開
大建工業(大阪市北区)は、防音ドアシリーズのラインアップに、最高ランク(同社比)の防音性能を備えた「防音ドア SF(スチール・不燃)タイプ G45/G40」の2種類を新たに追加し、今月1日に発売する。不燃材料指定の開口部にも使用可能なほか、住宅・非住宅を問わず、より高い遮音性能が求められる様々な場面に利用できる。
 これまで同社はそれらの悩みを解消するために、"サウンドデザイン"と銘打ち、音響調整用壁材・防音ドア・遮音シートなど様々な建築音響製品をラインアップした。
今回発売する「防音ドア SFタイプ G45/G40」は従来同社がラインアップしてきた"木質"の防音ドアではなく、同社初の「スチール製防音ドア」となる。
 「G45」はDAIKEN史上最高レベルの遮音性能を有するスチール製防音ドア。遮音性能は自社測定で46dB/500Hzとなっている。
 「G40」は遮音性能42dBを有するスチール製防音ドア。従来の防音ドアでは対応ができなかったバリアフリー(3方枠)の特注対応が可能。床面に段差を作らずに防音ドアの設置ができる。
 「防音ドア SFタイプ G45/G40」は、ドア枠に大型気密パッキンを使用し、高い気密性を確保。ローラーハンドルで扉をパッキンに密着させることにより高い密閉性を実現している。最終仕上げは塗装・タックシートによる現場仕上げで行う。イメージに合わせた好みのデザインで仕上げることができる。
 同製品は、スチール製であることで開口部に不燃材料が指定される公共・商業建築にも導入可能になった。また、木造住宅についても、従来品の最高ランク「S防音ドア(42dB/500Hz:自社測定値)」以上の性能が求められる場合や、床面に段差を作らないバリアフリー対応で防音ドアを設置したい場合等にも使用できる。
 同社は、高い防音性能と不燃性能を満たす防音ドアを発売することで、住宅から非住宅まで様々な要望に応え、より多くの人が快適に過ごせる空間の普及に貢献するとしている。

セコムとAGCが共同開発「SECOMあんしんうち窓」販売
 セコム(東京都渋谷区)とAGC(東京都千代田区)は、高性能ガラス搭載内窓「SECOMあんしんうち窓」を昨年9月28日発売した。今回発売する同製品は新たに共同開発。既存の窓だけでは実現できなかった防犯と快適性を両立するオリジナルの内窓。既存の窓はそのままに、室内側へ一窓あたり約1時間程度の比較的簡単な設置工事で取り付けることができる。
 サッシ部分はアルミと樹脂のハイブリッド構造で、優れた耐久性と堅牢性、ならびに気密性を実現し、今回新たに開発した「SECOMあんしんガラス エコ複層(ペア)ガラス」を標準仕様としている。
 「SECOMあんしんガラス エコ複層(ペア)ガラス」は、従来の複層タイプの「SECOMあんしんガラス」に、遮熱効果のあるLow―E膜を追加したもの。このガラスを搭載することで、遮熱・断熱・防音・結露対策・紫外線対策・エコなどで高い効果を発揮する。

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