不動産トピックス

クローズアップ 貸会議室編

2019.03.25 14:06

 ビルオーナーにとって保有物件の会議室を上手く生かせば、収益に繋がることは承知のこと。貸会議室がビルの魅力や稼ぎ頭になることは珍しくなくなった。今回はビルオーナーが取り組む貸会議室と最新ニュースについて取り上げる。

博多港の利用者を対象に貸会議室を提供 利用料金と利便性の高さでリピーター多い
 福岡市の第3セクターである博多港開発(福岡市博多区)が所有する「博多港センタービル」は、竣工時からビル2階に貸会議室を設置。港湾関係者を始めとした博多港の利用者を対象に、会議室の提供を行っている。
 「博多港センタービル」は、8階建てのオフィスビル。博多港の主なふ頭の整備を手がけてきた博多港開発が、1995年(平成7年)に建設した。港に立地していることもあり、通関関係者や海運事業者、市の港湾空港局などが入居している。同社は博多港地区の会議室ニーズに応えるべく、着工前から会議室の設置を決めていた。会議室のレイアウトは自由。普段はパーティションで3部屋に分けているが、全て繋げればスクール形式で約100名を収容できる大会議室になる。スクリーンやプロジェクターも付いているため、発表会・報告会にも活用可能だ。
 取締役の小栁英明氏は「主な利用者は『博多港センタービル』の入居テナント様ですが、徒歩圏内に立地するビルのテナントが利用するケースも少なくありません。お陰様で、利用者の9割はリピーターです。竣工時から継続して利用される企業も多く、大半は主に定例会議などに使用されています。また当ビル近くに『マリンメッセ』や『国際会議場』といった大会場があり、それら会場で行われる展示会やスポーツ大会の控え室、別会場セミナーとして活用されるケースもあります」と語る。
 稼働率の高い貸会議室は、少人数のミーティングなどに適した第1会議室と第3会議室。特に第1会議室は20~30名の利用に適しており、「ロの字型」で机や椅子を配置することが多い。また同じフロア内にはレストランがあり、弁当の注文も可能だ。様々な利用ニーズを考慮して、長時間使用時の割引プランも用意。通常は第1・第2会議室の1時間使用料金が税別3000円。第3会議室はその金額にプラス500円。第1~第3会議室までを合せた大会議室であると、1時間で税別9500円となる。これら会場を終日使用する際は、1時間分の料金を割引。ちなみに入居テナントは全部屋の使用料金が1時間当たり1000円引きのサービス付きだ。
 同じ地域に立地する会議室よりも、利用料金はリーズナブル。利便性も高く、会議室の規模も少人数向き。同会議室の繁忙期は3月~5月頃までの春先。新入社員の採用試験会場や入社式、研修会場などに利用される。
 「利用人数や会場レイアウトが多少変更しても当社でその都度対応致します。専用の申込書に会場レイアウトを記入して頂ければ、事前に当社が会場をセッティング致します。利用される方が早めに会場へ来て、セッティングを行う必要はございません。また終了後の後片付けも当社が行うため、これら煩わしさがない点も好評です」(小栁氏)
 リピーターが多いのも頷ける。

ハッチ・ワーク 貸会議室を格安・予約なしで一時利用可能
 ハッチ・ワーク(東京都港区)は、貸会議室アットビジネスセンターをWEB会議に最適な相席空間として提供するサービス「ひとり会議室」を開始した。30分100円~の料金でWi-Fi・電源・複合機を予約なしで一時利用可能。東京・横浜・大阪で試験運用を開始した。
 「ひとり会議室」は、「カフェでWEB会議ができない」と困っているWEB会議場所難民に対し、駅前一等地にあり、Wi-Fi・電源・複合機を備えている貸会議室アットビジネスセンターを、30分100円~という格安料金で相席にて提供するサービス。本来は予約を必要とした会議室だが、「ひとり会議室」では予約なしで簡単に一時利用可能だ。利用者の反響が良いことから、拠点を6月までに21施設に増やす予定。なお、全ての施設で実施していくと、一日210名、年間約7万5000名の利用が見込まれる。
 同社は「『個室型』は高価格で閉鎖的」というマイナス面を改善すべく、オープンな空間を共用する方式を採用。大きな会議室を相席で利用することで低価格を実現した。「ひとり会議室」は、利用後の調査結果で満足と答えた人が90%以上に達している。

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