不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.03.11 16:21

UDS 宿泊者と地元の人々との交流を創出 安田不動産開発の複合施設に
 UDS(東京都渋谷区)はこのほど、東京・日本橋浜町に「HAMACHO HOTEL」を開業させた。
 同ホテルは都営新宿線「浜町」駅徒歩6分に位置、敷地面積1423・28㎡、建築面積1120・76㎡、延床面積1万2982・86㎡、鉄筋コンクリート造、地下1階、地上15階。客室数は170室。
 安田不動産が進める日本橋浜町のまちづくりにおける中核となるホテル・店舗・賃貸住宅からなる複合施設「HAMACHO HOTEL&APARTMENTS」のホテル部分。
 UDSも企画から関わった"「手しごと」と「緑」のみえる街"という日本橋浜町のまちづくりコンセプトのもと、そのコンセプトを具現化したホテルとして開業する。国内外から訪れるゲストや、浜町に住み、働く人々の交流とにぎわいを生み、コミュニティを創出する場となることを目指していきたいという。
 「ホームメイド」、「日本」、「モダニズム」をキーワードに現代的な日本の感覚を浜町ならではのデザインで表現した客室は、15㎡のコンパクトなダブルルームから、45㎡のプレミアムテラスルームまで幅広く用意。オリジナルで制作した有田焼の客室カップなど職人の手しごとを細部に取り入れているのが特徴。
 リラックスを重視した緑あふれる客室と、ビジネス利用の機能を重視した客室の2タイプを設け、建物の足元や各客室のバルコニーに緑を取り入れているのも特徴となっている。
 2階には東京を経由してクラフトの新しい価値を世界に広げるプロジェクトの拠点となる客室「TOKYO CRAFT ROOM」を設置する。これはデザイナー柳原照弘氏をクリエイティブディレクターに迎えて展開するもので、国内外のデザイナーが日本各地のものづくりの現場に赴いてその土地、歴史、技術、素材をリサーチし、現地の作り手とともに未来を思い描きながら現代の生活に合わせたアイテムを生み出す活動なのだという。
 この客室には、年に数点新しいデザイナーの作品が追加されていく計画だ。開業時にはアムステルダムのデザインスタジオDe Intuitiefabriek(ディー・イントゥイティファブリック)が岐阜県美濃加茂で日本の林業や針葉樹の魅力を伝えるべく活動をしているSOMAを訪れて創り上げたキャビネットと、スウェーデンのガラス・陶器デザイナーのインゲヤード・ローマンが佐賀県有田の窯元香蘭社とつくるカップが最初のアイテムとして導入される予定。
 ホテル1階にはチョコレートショップ「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」がオープン。「手しごと」と「日本らしさ」をコンセプトに、ショコラティエがベトナムの契約農家など複数産地のカカオ豆の選定から行って作り上げるボンボンショコラ"ビーントゥーボンボン"や、カカオ豆の発酵度合いによる味の違いが楽しめる商品を展開する。
 水戸の提灯の老舗つくり手、鈴木茂兵衛商店の協力のもとカカオの殻を使用して作成した"オリジナルカカオ紙"をランプシェードに使用するなど、空間にも手しごとを取り入れた店内には、ガラス越しにチョコレートが出来上がっていく様子を眺めながらるカフェも併設。ワークショップなども積極的に開催していく予定だという。
 UDSは、「事業企画」、「建築設計」、「店舗運営」を一気通貫で手がけている。まちづくりに必要な用途(住宅・ホテル・商業施設・オフィス・公共施設等)と機能(企画・設計・家具・建材・運営)を複合化させることで、各地域にオンリーワンの場をつくることを強みとしており、教育施設をリノベーションした「ホテルカンラ京都」など建物の再生活用をはじめとした不動産リノベーション事業や、子どもの職業体験施設「キッザニア東京」など、独自の仕組みをもつ施設の企画・設計・運営において数多くの実績を有している。

リビタ 「ザ・シェアホテル」シリーズ多店舗化
 リノベーションホテル「HATCHi金沢」や「LYURO東京清澄」などのホテルを展開するリビタ(東京都目黒区)は、「THE SHARE HOTELS」シリーズを今年度中に新たに3店舗を出店する予定だ。
 いずれも既存建物のリノベーションになる。
 6号店となる「TSUGU京都三条-THE SHARE HOTELS-(ツグ キョウトサンジョウ ザ シェア ホテルズ)」は春、京都市中京区に、7号店は秋に広島県広島市で、8号店は2020年春、東京都墨田区に出店を計画する。
 「ザ シェアホテルズ」は、ホテルの共用部を地域活動拠点としてまちに開いた複合型ホテル。シェアスペースには、まちの人々や様々な活動が集まり、その場所にしかない新しい出会いと体験に溢れた場となることを目指していく。このシェアスペースを通じて、ゲストはまちの今の空気を感じたり、まちの人と出会うことができたり、個性豊かな活動に参加できたり、様々なスタンスでまちと関わることができるようになる。    
 「TSUGU京都三条-THE SHARE HOTELS-」は、地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅徒歩5分、鉄筋コンクリート造地上6階建て、延床面積2407・14㎡、建築年月1983年、客室数は49室(予定)。
  同施設は、築105年の西洋建築が一部残る建物をコンバージョンするもの。京都三条は、東海道五十三次の終点として描かれた土地であり、その歴史性を踏まえ、世界からの旅人と日本のローカルとを"継ぐ"場所となることを目指していきたいという。
 このプロジェクトは、プロジェクトパートナーとして、瀬戸内・岡山を拠点とするアパレルブランド「Johnbul」とローカルカフェ「キノシタショウテン」を迎えた複合ホテルだ。 
 秋に開業する「(仮称)広島シェア型複合ホテルプロジェクト」は、鉄筋コンクリート造地上6階地下1階建て、延床面積1999・47㎡、建築年月は1990年、客室数は49室(予定)。そして「(仮称)東京シェア型複合ホテルプロジェクト2.」は、鉄筋コンクリート造地上6階地下1階建て、延床面積3764・84㎡、建築年月は1966年、客室数73室(予定)。
 同社は「くらし、生活をリノベーションする」をコンセプトに、既存建物の改修・再生を手がける会社として設立。一棟、一戸単位のマンションや戸建てのリノベーション分譲事業やリノベーションコンサルティング事業、シェア型賃貸住宅や商業施設、公共施設の企画・運営、PM・サブリース事業、ホテル事業を手がけている。
 2016年3月から本会的に開始したホテル事業では、全国で「THE SHARE HOTELS」を展開。第一号店「HATCHi 金沢」に続き、2017年に「LYURO 東京清澄」、「HakoBA 函館」、「KUMU 金沢」、2018年に「RAKURO京都」を開業させている。

FIKA 都内最大級のホステル&バーが都内に
 FIKA(フィーカ東京都新宿区)は、3月28日に都内最大級のホステル&バー「UNPLAN Shinjuku(アンプラン・新宿)」(東京都新宿区)をオープンさせる。
 同施設は東京・神楽坂に位置する「UNPLAN Kagurazaka」に続き、同ブランド2店舗目となる。東京メトロ丸ノ内線・副都心線「新宿三丁目」駅徒歩8分に位置し、敷地面積344・21㎡、延床面積1693・49㎡、建物は地上6階、地下2階建て。客室数は21室。付帯施設は、カフェ・ラウンジ、バー、レンタルキッチンスタジオ。設計はアイダアトリエ、アセットマネージャーは ゼニス・キャピタル・パートナーズ。
 地下1階ラウンジには宿泊客はもちろん、外部からも利用可能なバーカウンターを併設するほか、カップルやファミリー向けの個室9部屋、ウッドデッキを備えたルーフバルコニー、宿泊客が自由に使える簡易キッチンを備えたコモンルームなどを備える。
 コンセプトは「Urban Play(アーバン・プレイ)」で、新宿のネオン街からインスピレーションを得たカラフルでソリッドなデザインが特徴だ。
フロントスタッフは日英2カ国語対応で、韓国語や中国語が話せるスタッフも在籍する。館内は従来のホステルのイメージを覆すようなスタイリッシュなデザインで、ソーシャルな共同スペースはプレイフルに、プライベートなベッドルームはシンプルで落ち着くデザインを採用した。アイダアトリエと共同開発したオリジナルのドミトリー用バンクベッド(2段ベッド)は防音性に優れる。
 宿泊客はスマートフォン・パソコンを通じて事前チェックインシステムを利用可能。また、チェックイン当日もフロントに設置されたタブレット端末によって、自動チェックインを簡単に行うことができる。

「ホテルモンドンス京都五条」キッチン付きで開業
 ホテル・ホステル・合法民泊の運営事業を手がけるREAH Technologies(リアテック 東京都港区)はこのほど、京都市下京区で、「ホテルモンドンス京都五条」を新規オープンさせた。
同ホテルは、地下鉄烏丸線五条駅から徒歩5分、京の台所『錦市場』、鮮やかな朱塗りが見事な三重塔がある『清水寺』、京都のシンボル『京都タワー』などを近隣に有し、京都の名物観光地へ気軽に繰り出せる場所に位置する。収容人数65人、事業主は安本武司商店。
 法衣など和装生地を手掛ける安本武司商店の事務所との複合施設。リアテックでは、開業に至るまでの市場調査および事業性検証、施設コンセプトワークなどに携わり、開業後は集客・運営管理を一括で行っていく。
 ホテル名の「モンドンス」とは、織物の一種「紋緞子(もんどんす)」に由来しております。光沢のある生地に地紋が浮き出て見える、格式を感じさせる生地はパネルなどのディスプレイやクッションなどの備品に用いられている。
 部屋は全室キッチン付きで、 4つのタイプを用意する。「Aタイプスタンダードルーム」は生地の色の調和のとれた和モダンな洋室。「Aタイププレミアムルーム」は、京都の大学生のプロジェクトが内装デザインを手掛けたコンセプトルームだ。「Bタイプデラックスルーム」は、和室の畳の上にはロータイプのベッド、壁にはブラケット照明で設置した。「Cタイプデラックスルーム」は、洋室の壁にはブラケットと紋緞子生地が調和のとれた心地よい空間を演出する。
 同社は2018年11月1日付けで合法民泊の百戦錬磨の施設運営事業が分社化、独立したホテル・ホステル・合法民泊の運営専業会社。

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