不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.02.25 18:00

ナインアワーズが不動産開発大手と業務提携 共同プロジェクトでカプセルホテル出店加速
ビーロットと契約 大阪に第一弾開業
ナインアワーズ(東京都千代田区)では、ビーロット(東京都港区)と簡易宿泊所「ナインアワーズ」の共同プロジェクトについて業務提携契約を締結した。
両社は、これまでに3件の共同プロジェクトを行い、簡易宿泊所タイプの収益不動産を商品化する成功ノウハウを協同で創り上げてきた。今回の業務提携は、ビーロットグループがナインアワーズの新規店舗開発支援を行い、ナインアワーズは同社グループの新規顧客の開拓することで、シナジー創出を目的とするもの。
グローバル機能の拡充を図る大都市圏で、比較的安価で宿泊可能なカプセルホテルの開発は地域魅力度の向上や活性化するものと捉え、社会的意義が高いビジネスである為、業務提携に至ったという。
 ビーロットは東証一部上場。不動産投資開発事業、不動産コンサルティング事業、不動産マネジメント事業等を手掛けている。一方、ナインアワーズは「ナインアワーズ」や既存カプセルホテル等の運営・コンサルティング事業を展開している。
両社は共同プロジェクト第一弾として4月26日に大阪市浪速区の南海電鉄「難波駅」に直結する商業施設なんばパークス、パークスタワー3階で簡易宿泊所「ナインアワーズなんば駅」を開業する。
 この施設は994.67㎡、男性82室、女性83室の合計165室。所有者は南海電気鉄道、事業主はビーロット、そして運営をナインアワーズが担当する。
同施設は空港、ターミナル駅など要衝へ通じる路線の駅に直結したロケーションに位置し、利用者にとって利便性の高いサービスの提供を行っていく。
「ナインアワーズ」は、都心でトランジットサービスという独自のカテゴリーを目指し、ホテル滞在中の「シャワー」+「睡眠」+「身支度」という3つの基本行動に特化してそれぞれの機能性と品質を徹底追求する考えで開発された。「また、部屋という空間概念を捨てて身軽に使いこなすことで街とダイレクトにつながり、都心ならではの宿泊・トランジットスタイルを提案しております。このため、宿泊に限らず、 24 時間お客様のご都合に合わせて仮眠やシャワーのみでもご利用いただけます」(同社)という。
サウナを併設した 新業態も好評博す
同社はまた、独自のサウナと睡眠に特化した新たなサービス「ドシー(°C)」も展開。
例えば「ドシー五反田(°C五反田)」(東京都品川区)は、延床面積891.57㎡、敷地面積127.44㎡、客室数は男性のみ164室。
「ドシー」では、宿泊や仮眠といったトランジットサービスに加えて、“ロウリュ”とウォームピラー(冷水)をセットにしたサウナサービスを提供する。
「サウナを原点から見直し、本場フィンランド式のあり方をベースに、日本らしいクリーンで気持ちの良いサービスに再定義することで、これまでサウナにあまり縁のなかった若年層や女性にとっても、日常の中でごく手軽に味わえるリフレッシュの道具にしたいと考えております。五反田も恵比寿と並んで交通の要衝であることに加え、 ITベンチャー企業が多数集積する地域でもあります。旅行や出張でご利用の方々だけでなく、多忙な日々を過ごすビジネスパーソンにも、24時間の中で必要なシーンを切り取って、よりアクティブな都市生活の道具としてご利用いただけると考え、新しいサービスを展開することとなりました」(同社)。
同施設のサウナは、本場フィンランドに倣い、室内は高めの90°C前後に定温管理しながら、熱したサウナストーンに利用客自身でミント水をかけてじんわりと蒸気浴を楽しむ“ロウリュ”体験を提供する。また、クールダウンには水風呂ではなく、体にまとわりつくように水流を制御した水の柱が頭上から流れるTOTOのウォームピラーを、冷水専用にコントロールして提供する。
「ドシー」では、従来型のカプセルユニットをリユースするという新しいビジネスモデルをデザインで実現した。
「日本のサウナを新たに捉えなおし、寝具やアメニティに至るまで素材感や肌触りという身の回りの快適性を追求しています」(同社)という。

「ホステル泊まり放題」サービス開始
空き家問題の解決等の地域創生に取組むLittle Japan(東京都台東区)は、月額定額制のホステルパスをもつことで全国のホステルに泊まり放題になる「Hostel Life」のサービス提供を開始した。
 これは、月1万5000円からという値段で、「ホステルパス」をもつことで登録している全国のホステルに泊まり放題になるサービス。
 たくさんの家を持てる感覚で利用者がより自分に合ったライフスタイルを実現するきっかけを提供する。
 同社では、2018年2月より、東京浅草橋のゲストハウス「Little Japan」のみで、同サービスの前身となる年間パスという取組を行ってきたが、このときの利用者は、旅人でもフリーランスの方でもなく、多くは東京周辺在住の会社員だったという。また、コスト面でも、定期をもって満員電車で通う代わりに、都内で高い家賃の家に住む代わりに、と考えれば、多くが追加コストをかけることなく、より自分に合ったライフスタイルを実現できる可能性がある。 今後、「今日は静かで一人で過ごせる家に帰る。明日は、仲間と一緒に海のそばのホステルで賑やかに過ごす。その次は山のそばで。その次は都心で飲み会があるから近くのホステルに帰る」というような、日によって帰る家を選ぶ生活の提供。「週末は、もっと離れた郊外や地方で、家族と一緒に家をもって、仲間と一緒に家を持って暮らす」というように浮いたお金で、ホステルパスをもち平日はホステルから通勤するといったケース。などの利用が考えられる。
 現在の参加ホステルは、全国14箇所だが、今後も、海外も含めた新たなホステルで利用可能となる予定。
同社では近い将来には、シェアハウスと提携し、シェアハウスの家賃にホステルパスを含めることで追加のコストなく全国のホステルに泊まり放題となるシェアハウスの企画。家を出てホステル暮らしをしたい人や長期の旅行者向けに、一度の予約回数が2泊までの制限のないプランの組成。コワーキングスペースと提携し、ホステルの周辺のコワーキングスペースも利用ができたり、ホステルをコワーキングスペースとしても宿泊施設としても利用をしたりできるプランといったものも進めていきたいという。

「眠れないホテル」マンガ体験を提供
 Dot(東京都中央区)は、「眠れないホテル」をテーマに“アート″を切り口としたマンガ体験を提供するホステル「MANGA ART HOTEL, TOKYO(マンガ アート ホテル トーキョー)」を2月に神保町エリアでオープンさせる。
 同施設は、都営新宿線「小川町」駅から徒歩1分に位置、客室は男女別フロアで女性専用16室、男性専用19室の合計35室。運営事業者自らがホストとしてゲストと直接コミュニケーションすることで、マンガを介した多種多様な人と文化間の交流を目指す。
 施設内に構えられた本棚は、アートの観点でキュレーションされたマンガで埋め尽くされており、5000冊を超える全てのタイトルにおすすめコメントを用意。「店頭に陳列されているだけでは気がつかなかった魅力的なマンガとの出会いが、待っています。男性フロアと女性フロアでは、選書内容が異なる点も、こだわりのポイントです」(同社)。外国人観光客向けに、英語版のマンガも用意。 5000冊の選書とおすすめコメントは運営事業者自らが担当した。
 また人気のパジャマブランド「Nells (ネルズ)」とコラボレーション、オリジナルグッズを販売する。マンガをテーマとして、“着替えのいらない”高いデザイン性も兼ね備えたオリジナルパジャマも開発中だという。
 施設は既存建物の躯体を活かし、様々な建築素材、家具、壁一面の本棚、5000冊に及ぶ紙のマンガを組み合わせることで、“多様な生物が共生するひとつの生態系″のような空間を作り出した。具体的な空間構成は、受付のあるPUBLIC ZONE・水回りのあるUTILITY ZONE・MANGA ROOM、の3つで構成されている。

民泊運営からホテル開発へ業域拡大
  IKIDANE(東京都新宿区)ではこのほど、一級建築士事務所と一般建設業許可を取得。旅館業法と建築基準法の両方の観点に基づいた建築プランの提案、施工が可能になったという。
 同社は民泊運用代行会社として、利用者の募集から清掃まで多岐にわたる業務を進めてきた。今回の取得により、建築プランの提案から、設計・施工、インテリアデザイン、運用代行、清掃までを一括したサービスを提供していきたいという。
 同社では今後、旅館業施設の提案や、既存建物の旅館業への転用のコンサルティング、リノベーション工事の請け負いなどの他、宅地建物取引業も取得しているため、土地探し・不動産仲介・売買も進めていく。
 具体的は、利回りの良い時はホテルとして利用し、それ以外の時は共同住宅で運営出来るフレキシブルな運用が可能なコンドミニアム型ホテルなどが考えられる。
 
簡宿向けシステム機能追加
 USEN-NEXT GROUPのアルメックス(東京都品川区)では、and factory(東京都目黒区)と共同開発した簡易宿所向け宿泊管理システム「innto(イントゥ)のオプション機能として、スマートチェックイン機能を追加した。
 3月1日よりサービスを開始する。新たに開発した「スマートチェックイン」機能は、紙による宿泊者名簿をなくし、タブレット端末から宿泊者自身でチェックイン手続きができるもの。チェックインの手続きは、「予約を検索」、「宿泊者情報の入力」、「署名」の3ステップで完了する。 
 また、近年増加している訪日外国人宿泊客のチェックインにも対応し、日本語、英語、韓国語、中国語(簡体)、中国語(繁体)といった多言語での対応する。海外在住の場合には、パスポート写真を撮影。撮影した写真は予約情報に自動で保存できる。

PAGE TOPへ