不動産トピックス

クローズアップ ビル緑化編

2018.11.26 15:01

 デスクやパソコンだけが並ぶオフィスでの長時間勤務は、社員のパフォーマンスの低下や画期的なアイディアを生み出す機会の減少にも繋がる。その改善策として注目されるがビル・オフィス内の「緑化」。緑が持つ癒やしの効果を社員に与えて、パフォーマンスの低下を防ぐことは非常に重要だ。

施工・メンテナンスが簡単 山崎産業の「パネルシステム」
 建物の壁面・屋上などの緑化に実績を持つ山崎産業(大阪市浪速区)。特に壁面の緑化においては、同社の壁面緑化ブランド「パネルシステム」を販売する。
 「パネルシステム」は、450mm角で構成された緑化パネル。2種類の組み立て式パネルによって作られ施工とメンテナンスが簡単。更にパネルは難焼性で燃えにくく、高所の風圧にも耐えられる高い耐風性も完備する。風による飛散などの被害もなく、金物やボルトもしっかりと固定。パネルは耐候性が配合されているため、経年劣化にも強い。また「パネルシステム」は、芝生などの地被植物を使用した「地被用パネル(約46kg/㎡)」と、花・ヘデラ・観葉植物など植栽した「花卉用パネル(約51kg/㎡)」2パターンを用意した。シーンに合わせて設置が可能である。
 建物の設置事例においては、商業施設やマンションなどのエントランス。または外壁や屋上、空調機の吹き出し近くに設置するケースもある。見映えが良いため建物の意匠性向上やCO2削減に効果を発揮し、また壁面を緑で覆うことで直射日光から外壁を守り、外の温度と室内温度の差の解消にも繋がる。その結果、空調負荷の軽減にも繋がり、空調費の削減も成功する。

内装をトータルでコーディネート 壁面に緑を施した「セットアップ・オフィス」
 「区分所有オフィスR」を主軸に資産形成コンサルティングを行うボルテックス(東京都千代田区)は、自社保有ビルのフロアの内装をトータルでコーディネートし「セットアップ・オフィス」として展開する。
 今回、「セットアップ・オフィス」として展開するのはボルテックスが所有する「VORT浜松町2.」。都営浅草線・大江戸線「大門」駅から徒歩3分、またJR山手線・京浜東北線・東京モノレールが利用できる「浜松町」駅や都営三田線「御成門」駅からは徒歩6分という好立地に位置する。その4階をエントランス、ラウンジ、ミーティングルーム、執務室などの内装を「クリエイティブ・ガーデン・オフィス」をテーマにトータルでコーディネート。「セットアップ・オフィス」として貸し出すことにより、同フロアを賃貸にて利用するテナントの手間やコストの圧縮、入居までの時間短縮、従業員のモチベーションアップが図れることになった。同社の賃貸オフィスの新しい形として位置付け、あらかじめ働く環境を意識 した内装を施していくハイレベル・バリューアップ・プロジェクトの第一弾となる。
 ソリューション部・建築企画課・課長の山下博章氏は「当フロアは、『クリエイティブ・ガーデン・オフィス』をコンセプトにしたファニチャー付属のフロアです。クリエイティブ環境で会社のイメージや社員のやる気アップ、そして、初期費用の節約にもつながります」と語る。
 その中でも注目を集めるのがオフィスの緑化。ファニチャー付属のオフィス内の壁面に緑を施し、癒しの効果や集中力の持続に繋げている。そもそも人間には緑を見ることでの「安らぎ」や「落ち着き」の効果があり、それも15~35%が最適な量。少なすぎはもちろんのこと、多すぎても集中できない。同社はその緑の持つ効果に着目し、内装を緑を中心にトータルでコーディネートした。内覧者からも反響は上々で、引き合いも頂いている。
 山下氏は「今回の『セットアップ・オフィス』は、ハイレベル・バリューアップ・プロジェクトの第一弾です。今後は今回の経験を活かして、デザイン性の高い賃貸オフィスの構築や働く環境を重視したリーシング事業にも積極的に踏み出して行く姿勢です」と語った。事前にオフィスのデザインを施す、新しいリーシングのスタイルは更に広がっていくと思われる。今後の展開を引き続き、追っていきたい。

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