不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2018.10.22 14:21

フェリーチェ グループ最大規模・最上級ブランドを大阪に「ホテルフェリーチェ心斎橋」オープン
「縁」をコンセプトに全室タブレット配置
 沖縄・九州・大阪・札幌・東京にブティックホテルを展開するフェリーチェ(本社・沖縄県那覇市)では、10月11日、グループ最大規模の最上級ブランドとして「ホテルフェリーチェ心斎橋」(大阪府大阪市)をオープンさせた。
 同ホテルは地下鉄御堂筋線「心斎橋」駅より徒歩約3分に位置、観光、ビジネス、ショッピング、長期滞在の拠点としての利用を期待している。
 同ホテルは『縁』(えにし)をコンセプトにした。「伝統的な日本建築のしつらえとアートを融合させた、五感をうるおす空間デザインを施しています。安らぎある滞在をお届けするとともに、人や街、情報や文化と自在につながることができる "ご縁と幸せの広がるホテル"を目指してまいります」(同社)。
 客室はシングル・ダブル計119室、スーペリアダブル1室、デラックスダブル35室、エキストラダブル12室、ツイン34室、デラックスツイン14室、スーペリアツイン10室の合計225室。
 ウェルカムウォーター・加湿機能付き空気清浄機・オリジナル消臭芳香スプレーsuora・Wi-Fi・有線LAN・ユニバーサルコンセント・USBコンセントなどを備える。オリジナル消臭スプレー「suora」は宿泊者に1080円(税込)で販売する。
 部屋には日本語/英語/中国語/韓国語/タイ語/スペイン語の6カ国対応のルームコントロールタブレットを常設。レストラン、大浴場、スカイバー、ランドリーの混雑状況がひと目でわかるほか、レンタルサイクルや貸し出し備品の申し込み、フロントからの連絡、各種サービス問い合わせが可能だ。また、海外の方にとってわかりづらいテレビリモコンの操作説明も見ることができる。
 14階には大阪の街を一望できる60席のスカイバーを設置する。朝食は和洋ビュッフェを用意。和食はミシュラン1つ星店の監修による赤酢をつかった舎利が自慢のちらし寿司。出汁にこだわるお吸い物を提供する。
 13階は男女別の大浴場を設置。混雑状況は客室のルームタブレットでいつでも確認することができる。2階フロア以上に限定して館内ルームウェアの着用が可能で、大浴場へもウエアを着たまま移動することも可能だ。
 同ホテルの大きな特徴は、ファインバブル発生器のパイオニアメーカー であるサイエンス(大阪市淀川区)とのコラボレーションによるクレンジングミストシャワー「ミラブル」を装備したバスルームを全室に完備していること。
 「ミラブルsuora」はISO国際基準規格にも定められた0・001mm以下の極めて微細な気泡を作りだすシャワーヘッドで、浴びるだけでウルトラファインバブルが毛穴まで浸透。肌に負担をかけることなく汚れや臭いを除去することができる。更に泡の力で肌の潤いが増し、血流が促進されるため、カラダの内側からも健やかさを保つことができるという。
 また、12階にはマイクロバブルバスとシャワーを同時に実体験できる「ミラブルsuora ダブル 全身クレンジングフロア」をワンフロア全室に用意した。 
 同社は今後、グループのホテルに「ミラブルsuora」の導入を図っていく予定だという。
 フェリーチェは2012年設立。2016年にタイのセントラルグループの関連企業とホテル開発を目的にした合弁事業契約を締結し、2017年から東京エリアへも進出を図っている。
 現在、「ホテルリリーフ」「リリーフプレミアム」「ホテルストーク」「ホテルフェリーチェ」「イチホテル」の5ブランド9店舗展開しているが、11月には「イチホテル赤阪 by RELIEF」(東京都港区)、「イチホテル神田 by RELIEF」(東京都千代田区)、2019年春には「イチホテル浅草橋 by RELIEF」のオープンを予定している。

TKPが仙台に全306室を開業 アパホテルとのフランチャイズ契約で
 貸し会議室運営大手のティーケーピー(TKP 東京都新宿区)では10月12日、宮城県仙台市に全306室の「アパホテル〈TKP仙台駅北〉」をオープンさせた。
 これはアパホテル(東京都港区)とのフランチャイズ契約によるもの。JR東北本線「仙台」駅徒歩5分に位置し、敷地面積1290・58㎡、延床面積7173・76㎡、鉄骨造、地上13階建て。客室はシングル283室、ツイン22室、デラックスツイン1室。2019年2月末には仙台駅北部名掛丁自由通路と直結し、更に利便性の高いホテルとなる予定だという。
 1階には朝食会場としても使用できるカフェレストラン「Cafe Restaurant&Meeting Space FOREST」、2階には最大380名収容、天井高5mの開放的な大宴会場を有する「TKPガーデンシティ仙台駅北」を備え、3階から13階を客室として運営する。
 同ホテルは会議と宿泊の融合を目指し、新都市型ホテルと宴会場の機能を備えたハイブリッドホテルとして、主にMICE・ビジネス需要をターゲットに集客を見込む。
 「TKPガーデンシティ仙台駅北」は同ホテルの2階にあり、最大380名収容する天井高5mの大宴会場のほか、中小宴会場を備え、パーティーや式典等、多岐の用途に利用可能。また1階の厨房をセントラルキッチンとして活用することで、仙台市内にある9施設、79室、5899席のTKP会場とも連携し、料飲を伴うより大型で多目的なニーズにも応えていきたいという。
   更に同社は、「アパホテル〈TKP仙台駅北〉」の同社が所有する隣地を有効活用し、2019年2月末に会議室棟「TKPガーデンシティ仙台駅北ANNEX」の開業を予定している。こちらは1階にテナント、2~6階は約100名の会議室を各フロアに1室ずつ、7階には12~27名を収容する3室の会議室を備えたビジネス棟とし、ホテル・宴会場の「ホテルバンケット棟」と会議・研修に特化した「会議室棟」の2棟が一体型とする予定だ。
 TKPはアパホテル最大フランチャイジーとして、今回開業した仙台をはじめ、札幌・東京・川崎・大阪・福岡でもホテル運営・計画をすすめており、2020年には全10棟・2003室となる予定だ。今後もフランチャイズ契約によるホテルの運営や、アパホテル内の宴会場をTKPが運営するなど、様々な形で連携を取り、戦略的な展開を図っていく。  同社は2005年8月15日設立、資本金2億8779万5000円。売上高は2018年2月期連結で286億円。

日建ホテルマネジメントが新施設
 沖縄宮古島を中心に別荘スタイルのプライベートリゾートヴィラを展開する日建ホテルマネジメント(沖縄県宮古島市)では、「フェリスヴィラスイート伊良部島・佐和田」に、新たに一日一組のゲストのプレミアムレジデンス「~離れ~」をオープンした。   同施設は1000㎡を超える敷地に客室面積282㎡という広さを持つ邸宅。3つのベッドルームを用意し、最大8名様での宿泊が可能。  温水プールとジャグジーはもちろんのこと、リビングにテラス、本格的なキッチン、バーベキューコーナーなどを用意した。
and factoryがIoTシステム推進
and factory(東京都目黒区)は、NTTドコモ(東京都千代田区)と共同で「未来の家プロジェクト」を立ち上げているが、実証実験で活用している技術を用いて、住宅・宿泊業界に革新をもたらすテクノロジーを積極的に推進していくという。 
 このプロジェクトは、2017年6月に発足したもので、IoT機器やセンサーなどを実装した「IoTスマートホーム」を用いて実証実験を行い、将来的に人工知能(AI)を通じて、居住者にとって快適な室内環境の自動調節と健康管理もしてくれる「未来の家」の実現を目指すもの。
 「IoTスマートホーム」では、NTTドコモが開発した様々なメーカーのIoT機器を制御管理できる「IoTアクセス制御エンジン」を使用する。様々なIoT機器の遠隔管理やデータ蓄積が可能となり、多くのデータ集積が容易で、AI・ビッグデータ解析推進につなげていくことができるという。
 その「IoTアクセス制御エンジン」とand factoryのスマートホステル「&AND HOSTEL」のプロデュース経験とプラットフォームアプリ「&IoT」の開発実績を活かし、住宅における居住者や宿泊施設に滞在する宿泊客などに対して、便利で快適に生活してもらうためのサービス開発を行い事業展開していく計画だ。  まずは「&AND HOSTEL」でのサービス活用を予定しており、新たなプラットフォームとして、安定稼働や開発・運用工数の削減を進めていく。将来的にはAI/ビッグデータ解析基盤との連携を予定しており、未来の家プロジェクトで得られる実証データを活用し、様々なアルゴリズムを生成し、サービスに反映させていく予定だという。

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