不動産トピックス

クローズアップ ビル管理効率化編

2018.08.20 17:28

エムシープランナーズ 東京・神田にショールーム開設 タイルカーペット「リセット施工」の普及拡大狙う
 石材とカーペットのクリーニングを専門で行うエムシープランナーズ(東京都江東区)は、同社が推奨するタイルカーペットのリセット施工(再生洗浄工法)の周知拡大を目指し、東京・神田にショールーム「fulfill~フルフィル~」を開設した。
 オフィスフロアで広く用いられているタイルカーペットは、社員や来館者の歩行によって日々汚れが堆積する。同社の畠山文明社長は「限られた清掃費用や人員では、汚れが溜まる量に対して清掃で回収される量が追いつかず、高い美観を求める日本では平均7年で新品に貼り替えられています」と話す。
 タイルカーペットのリセット施工は、専用の洗浄機を用いるもので、一枚ずつ剥がしたタイルカーペットを洗浄液に浸け置きした後、洗浄機に投入して丸洗いする。タイルカーペットは歩行者の歩行圧によって表面の繊維が圧迫され、従来の清掃では内部の汚れまで除去するのは困難であった。しかし同社の再生洗浄ではタイルカーペットに新品同様の美観を取り戻すことが可能。新品貼り替えと比較して半分以下のコストで再生が可能で、貼り替え周期は大幅に延びて欧米並みの15年から20年は使用できることから大幅なコスト削減を実現できる。同時に廃棄物の削減と、新品購入に伴うCO2排出抑制で環境問題についても効果が大きい。
 畠山氏は今回のショールーム開設の目的について、「近年はESG投資やSDGsなど、企業やビル所有者に対して環境問題を含め、社会的な取り組みが求められています。環境問題に貢献すると同時にビル経営コスト削減につながるリセット施工の有用性を、より多くの方にお伝えしていきたいと考えています」と述べている。ショールームには洗浄機が常設されており、汚れたカーペットが再生される工程を確認する事が出来る。同社が加盟する日本カーペットタイルリセット協会の活動拠点でもあり、今後の展開が注目される。

安井建築設計事務所 BIMとIoTを組み合わせビルの最適管理を提案
 安井建築設計事務所(大阪市中央区)は、IoT環境センサーとBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を連携させた建築マネジメントシステム「BuildCAN(ビルキャン)」のサービス提供を開始した。
 「ビルキャン」は、BIMモデルを活用した従来の施設維持管理システム「建築情報マネジメントシステム」に、空間の快適性とエネルギー低減、建築データの蓄積・管理の各機能を付加したビルの一元管理システムである。ビル管理の担当者が日常点検や修繕報告をタブレット上からクラウド上にアップロードすると、暗号化通信によって「ビルキャン」のサーバーにデータが残る。集積したデータは施設管理とセンサー情報のデータベースに保管され、ビルメンテナンス会社の確認やビルオーナーの電子報告書作成などに役立てることができる。BIMが持つ三次元形状情報と、清掃・修繕・保守点検などのビルメンテナンスに関わる履歴情報を整理してデータベースとして残せることから、効率的なビルのファシリティマネジメント(FM)に貢献する。

テナントごとのエネルギー使用をクラウドで管理 検針業務効率化を実現する新システムを開発
 エナリス(東京都千代田区)は、入居テナントの電気・水道・ガスの使用データを通信によって取得し、集計を行うクラウド型検針システムを開発した。テナント先メーターの検針値取得・集計を自動化して検針業務の効率化を図り、ビルマネジメントの人件費削減と請求ミス防止に貢献する同システムは、KDDI(東京都千代田区)の法人向け「テナントメーター検針サービス」として販売される。
 近年、大型のオフィスビルなどでは中央監視システムの導入が進み、入居テナントの電気や水道の使用状況を一元的に監視している。しかし多くのビルではテナントを一件ずつ訪問して検針データを目視で確認しており、検針作業に多くの人手と時間を要しているのが現状である。
 このクラウド型検針システムは、月間のエネルギーの使用データを遠隔で取得する「自動検針機能」と、テナントごとの各料金の請求書をウェブ画面から作成できる「請求書作成機能」、過去の使用データ一覧が入手できる「レポート作成機能」などを搭載。ビル管理者は、テナントのもとを訪れることなくエネルギーの使用量を把握して請求書を作成することが可能になる。

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