不動産トピックス

クローズアップ ドアロック編

2018.06.04 17:49

 防犯対策の第一歩といえばドア周りであろう。IoT技術の進歩によって、ドアロックにも商品の多機能化の波が広がっている。

電池錠の信頼向上に向け商品開発 設置個所に応じた提案を行う
木村工業 代表取締役社長 木村政治氏
 木村工業(千葉県市川市)は1922年の創業から、部材や塗料などの建築資材の製造・販売を手掛けている。近年では県内の工務店と協力しながら、住宅リフォームのトータルコーディネートサービスにも注力している。
 「協力会社との連携で一都三県をカバーし提案を行っています。クライアントからの要望として多いのは二世帯・三世帯同居のためのバリアフリー化や、ペットに配慮したリフォームなどです。廃業した店舗をカフェや雑貨店などにリフォームする事例も数多く経験してきました」(代表取締役社長 木村 政治氏)
 また、同社は指紋認証式の電池錠「アットロックGT」の販売を行っている。木村氏によれば、電池錠に対する信頼は消費者によって大きく異なるという。
 「乾電池の電池切れに対する心配が消費者の不安要素として非常に大きいようです。頻繁に人が出入りをする箇所については電源工事を行って電気錠を設置するのが有効であると思いますが、オフィスの内の倉庫や更衣室など、入室する人物がある程度特定され、かつそれほど人の出入りが多くはない箇所については、電池錠でも十分に対応できると思います」(木村氏)
 セキュリティ機器の精度向上とともに、IoTの進出によって効率性・利便性にも特化したアイテムが次々と誕生している。スマートロックや電気錠・電池錠といった様々な錠の中から設置箇所ごとに最適なアイテムを選定し使用することが必要であるといえる。

エアホスト 民泊新法への対応急ぐ
 ホテルや民泊の運用代行サービスや宿泊管理システム「AirHost PMS」を提供する合同会社エアホスト(川崎市宮前区)は、Wi-Fi接続型の電子錠「RemoteLOCK」との連携を開始した。
 同社は民泊新法の施行に合わせ、無人チェックイン運用に対応するためのシステム開発を推進している。今回の連携はその一環として行うものである。「RemotoLOCK」は暗証番号とテンキーの操作で施錠・開錠ができるスマートロックであるが、Airbnb以外からはセキュリティコードの発行を手動で行う必要があった。今回の連携により無人チェックインの流れにおいてセキュリティコードを自動発行が可能となる。

電池切れでも角型乾電池で開錠可能 セキュリティ強化に役立ち電子ロック
 スマートフォンなどの通信端末を用いて鍵の開閉操作を行うスマートロック。開閉の状況はサーバー上で管理され、近年では民泊ビジネスにおいて一般的に使用されるようになっている。海外では普及が進んでいるものの、国内では民泊のほか、会議室やレンタルオフィスといった場面での普及が現在のところ進んでいる状況で、一般家庭やオフィスでは従来のシリンダー錠やICカードなどを用いた電子錠が多くを占めている。
 電子ロックシステムの開発・販売を行うソニックブレイン(東京都千代田区)のプロジェクトマネージャー・今井修氏はスマートロックの現状について次のように話す。
 「民泊というビジネスモデルが浸透している海外では、スマートロックは非常に利便性の高いセキュリティシステムとして受け入れられている。一方、日本国内では街の治安が海外に比べて良いというイメージが私たちの中にあり、また、従来の鍵を用いて『自分で鍵を閉めた』という感覚による安心感を求める方も多い。賃貸物件ではアピールポイントとしての効果があるものの、従来の鍵を併用できるスマートロックを自宅にわざわざ導入しようと考える方は、まだ少ないのではないか」
 同社が販売している電子ロック「アイタッチスリム」及び「ロックイット」は、他の多くの電子ロックやスマートロックと同様に、既存の錠前の構造に手を加えず設置することが可能。事前に登録されたICカードや携帯電話のFeliCa機能を用いて解錠する。解錠は機器内部の単3乾電池で作動するが、乾電池の残量が少なくなった際にはメロディが流れ、電池切れを起こしてもコンビニエンスストアなどで購入できる角型乾電池があれば、非常給電端子に接続すれば解錠することができる。
 今井氏は「玄関ドアだけではなく、マンション入口のオートロックシステムにもそのまま設置することが可能で、二重三重のセキュリティ強化につなげることもできます」と述べている。

ドライバーで交換可能なドアロック 最新のICカードキーにも対応
 東邦金属工業(東京都江戸川区)では、ドライバーで交換が可能な主錠タイプのドアロック「GATEMAN Nero」を販売している。
 同社は韓国の鍵メーカー・アイレボ社の正規日本総販売代理店である。アイレボ社は複製が不可能な半導体IDや推定不可能な暗号アルゴリズムなどを取り入れた暗号化技術を採用しており、高品質な商品な韓国国内でも広く知られている。同製品は高感度タッチパネルを採用。一般的なレバーハンドル錠から、ドライバーのみで交換が可能である。また、最新型ICカードキー認証システムにも対応しており、カード認証や暗証番号入力で快適な操作性を実現している。

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