不動産トピックス

ビル業界ミニトピックス

2018.02.19 16:33

■1936年竣工の馬車道大津ビル(横浜市中区)。一般的に古いビルが価値を持つことは少ないだろう。しかし歴史的建造物が多い横浜エリアにおいて、その「古さ」こそが大きな価値に繋がっている。そのため、同ビル内にも竣工当時のままの設備が存在する。中でもその一つがトイレにある水栓器具だ。
 いわゆる蛇口を捻って水を出すタイプのものだが、あまり古さは感じない。むしろ約82年前のままと思うと、当時では新しいデザインであったことが想像できる。試しに捻ってみると「キュッ」と静かな音と共に水が流れて、とても懐かしい気分にさせられる。馬車道大津ビルのオーナーである大和興業(横浜市中区)の代表取締役社長・大津裕氏は「いま同じタイプの物はなかなかありません。とても貴重です」と語る。
 竣工当時の設備がいまだ元気に機能していることは、すなわちそれだけ多くの人々から大事に扱われてきたという証だろう。都市部の再開発で次々と新築ビルが建つ現在。レトロビルに一歩足を踏み入れると昔の懐かしい空気に包まれて、まるでタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。馬車道大津ビルはそんな気分が味わえるだけでなく、その歴史において関わった人々の温かさが感じられる魅力的な建物だ。

■1596年に酒問屋として内神田に誕生してから400年以上の歴史がある神田豊島屋(東京都千代田区)は、創業の地で運営・管理する「豊島屋ビル」に入居するテナント向けに懇親会を開催した。
 昨年11月に開催した懇親会は40名近くが参加し、同社が製造するオリジナルブランドの地酒「利他」のほか、様々なアルコール類が大活躍。入居テナントに加え同社が運営するシェアオフィス「RITA OFFICE」の利用者も集まり、3時間近く盛り上がりを見せた。普段付き合う機会のないテナント同士の情報交換の場になり、初参加の企業からの反響も良かったとのことだ。
 ちなみに同社は内神田や神田美土代町界隈のビルオーナー・シェアオフィスの運営会社を中心にして構成された「カンダビルヂング協会」のメンバーでもある。そのメンバー同士が集まったミーティングや懇親会の際にも自社で製造する自慢のアルコール類を振る舞っており、場の盛り上げに貢献している。代表取締役の木村倫太郎氏は「飲酒した人からの反響は良く、今回の懇親会でも評判は上々です」と語る。が「お酒が飲めるせっかくの機会とは言え、飲みすぎにはご注意を」とのことだ。

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