不動産トピックス

クローズアップ 遮熱・断熱編

2018.02.12 17:46

エービーシー商会 太陽からの熱戦を空に反射 
省エネ・環境対策に貢献するフィルム発売
エービーシー商会(東京都千代田区)は、太陽から発せられる熱線(近赤外線)を空へ反射する窓用フィルム「ソラリフレ」の販売を今月1日より開始した。
室内の温度上昇を抑制し、快適性の向上や室内の空調負荷の軽減に貢献する遮熱フィルム。従来製品は熱線を屋外の地表面に反射していたため、室内の温度上昇を抑えるものの建物外部の温度上昇を引き起こす要因となっていた。特に都市部では地表面のほとんどがアスフルトやコンクリートなどで覆われており、これらは熱容量が大きく日射量の吸収率が高いことから反射された熱線の熱が蓄積しやすく、ヒートアイランド現象の一因になっているとされる。
「ソラリフレ」は熱線を地表面に反射せず、特殊な構造の反射膜が太陽方向に熱線を反射させる「熱線再帰」を実現。熱線の室内への侵入を約70%削減する遮熱効果を持ち、明るさに関わる可視光線を67%透過する。商品開発部長の堀田一弘氏は「2020年の東京五輪を控え、日本国内には今後ますます多くの外国人の方が訪れると思います。建物の省エネや都市の環境改善に貢献する『ソラリフレ』を通じて、環境への配慮を内外に発信する助力となれれば」と語る。 
同社では既存建築物のリニューアル需要を中心に、省エネ・環境対策の一手として「ソラリフレ」の販促活動を展開していく考えだ。

住友理工 遮熱・断熱・飛散防止の高機能フィルム 
住友理工(名古屋市中村区)は、窓用飛散防止、遮熱・断熱フィルムの新製品「リフレシャインTW36」の販売を昨年4月より行っている。同製品は、材料開発を進めガラス飛散防止機能や遮熱・断熱性能、室内環境の改善及び節電効果を維持しながら、フィルム構造の見直しで低価格化を実現。また、日焼け対策の紫外線カット機能についても従来通りの効果を発揮する。
「リフレシャイン」は、特殊な透明ナノハイブリッド多層膜を素材に、室内の明るさを保ったまま太陽光の熱線を反射し、室内の温度上昇を抑えるフィルムとして、2010年8月より販売を開始。その後、2012年10月には遮熱機能に加え、暖房器具などの遠赤外線を反射し室温を保つ断熱機能も兼ね備えた、一年を通じて室内環境改善・節電効果が期待できるエコ商材として商品化されている。
 住友理工では今回販売を開始した「リフレシャインTW36」について、商業施設や病院、オフィスビルといった窓が多く、特に空調を多く使用する場所で効果を発揮し、建物利用者に快適な環境を提供できる商品としている。

環境に優しい遮熱コーティング剤 フィルムと組み合わせ効果アップ
建築資材の販売・施工を行うケイアイ(東京都八王子市)では、窓ガラスのリニューアルを建物規模や用途ごとにプランを項目化。施主の視点に立ったリニューアルコストの削減プランを提案している。中でも近年多いのが、「省エネ改修」だと同社代表取締役の清水雅明氏は話す。
窓ガラスのリニューアルに際して、同社では遮熱・断熱に高い効果をもつコーティング剤「サンコート」を販売を行っている。通常、窓ガラスに施工する遮熱塗料は塗りムラが生じないよう有機系の硬化剤と主剤の2液を混ぜ合わせて使用する。しかし、同社が開発した「サンコート」は無機系のバインダー(塗膜形成要素)を用い、1液で施工を可能とした塗料である。このため、有機系塗料特有のにおいはなく、環境に優しく快適な空間を構築することができる。
 「窓ガラスに既に施工されている遮熱フィルムの上から『サンコート』を施工することも可能です。遮熱フィルムと『サンコート』のそれぞれの遮熱効果を組み合わせることになり、より高い効果を得ることができます」(清水氏)
人体への影響もないことから、小学校などの教育施設や医療・介護施設といった公共性の高い建築物を中心に採用実績を伸ばしている同製品。清水氏は今後、民間のオフィスビルやマンションなどでも積極的な導入を促していくとのことである。

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