不動産トピックス

クローズアップ 窓ガラス編

2018.01.15 11:20

 寒さが身にしみるこの季節。室内の快適性向上に一役買ってくれる窓ガラスの存在は、身近でありつつもリニューアルが遅れやすい箇所でもある。省エネにも貢献し、ビルの付加価値を高めてくれる窓ガラス製品を紹介する。

建物規模・用途によって最適プランを提案
工事金額明記で改修の不安を解消
 オフィスビルでは断熱・結露防止に効果のある二重窓や、防犯・飛散防止の効果を備えた窓ガラスへのリニューアルが徐々に増えている。窓ガラスのリニューアルは、ビルの建築を担当した建設会社や地元の工務店などに相談するのが一般的であるが、実際に作業を行うのは下請けの専門業者であることが多く、中間コストが発生することで結果的に工費が割増になってしまう。また、窓ガラスに限らず工事金額はケースバイケースで価格が変動するため、工事金額の適正価格を知る機会は少ない。 
 建築資材の販売・施工を行うケイアイ(東京都八王子市)では、施主の視点に立ったリニューアルコストの削減プラン提案に注力。2016年にホームページを開設し、窓ガラスのリニューアルを建物規模や用途ごとにプランを項目化。それぞれのプランに応じた工事内容と想定工事価格を表記して、工事に対する施主側の不安を取り除くことに努めている。 
 「業者から勧められるまま工事を発注してしまうと、必要以上に機能性に優れた商材を購入してしまうこともあります。建物に最適な窓ガラスリニューアルの提案を行うため、電話・メールでの相談窓口を設けています」(代表取締役 清水 雅明氏) 施主側からの要望で多いのは「省エネ効果のあるリニューアル」と清水氏は述べており、予算に応じて省エネ効果の高い商材の提案を今後も積極的に行っていく構えだ。

ビルのZEB化に対応する樹脂窓
YKK APが機能性窓ガラスを発表
 YKK AP(東京都千代田区)は、JIS基準の断熱性最高等級である「H-6」を実現するビル用樹脂窓「EXIMA37」、「EXIMA77」を昨年11月より販売している。 
 日本の建築物では低炭素社会実現に向け、ゼロエネルギーの普及が進められ、2020年までに新築公共ビル建築物でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を推進、2030年に新築ビル建築物の平均でZEB化が目指されており、外皮の断熱性能向上、中でも開口部の高断熱化が重要となっている。また、 訪日外国人の増加や東京オリンピックへの対応に向け建設が増えているホテルや、高齢化社会で重要となる病院や高齢者施設では、限られた室内空間における窓辺の冷気の遮断と、メンテナンスや衛生面から防露性が求められており、窓に対してより高い断熱要求が高まっている。 
 「EXIMA37」、「EXIMA77」は、熱伝導率が低く断熱性に優れた樹脂製フレームにLow-E複層ガラスを使用することで、高い断熱性能を実現。室内の快適性向上と冷暖房の消費エネルギーの削減が可能である。また、ビル用窓に求められる高い耐風圧性能や、各種機能性も兼ね備えており、様々なビル建築へ調和するデザイン、幅広い窓種バリエーションにより、多様な建物用途の開口部として使用することができる。

断熱性が従来品から約54%向上
日本板硝子「スーパースペーシア」発売
 日本板硝子(東京都港区)は昨年10月、超高断熱真空ガラス「スーパースペーシア」の販売を開始した。 
 真空ガラス「スペーシア」は、同社が世界で初めて実用化に成功した高断熱窓ガラス。2枚のガラスの間に0・2㎜の真空層を閉じ込めることによって、一枚ガラスの約4倍、一般的な複層ガラスの約2倍の断熱性能を実現した製品で、これまで多くの建築物への納入実績を持つ。今回販売を開始した「スーパースペーシア」は、同社がこれまで販売を行ってきた「スペーシア」と比較して断熱性を約%向上させ、厚さは10.2㎜と、断熱材として使用されるグラスウール50㎜厚と同等以上の断熱性能を実現する。 
 高い断熱性能を実現する技術として、「スーパースペーシア」は2枚のガラスの間の真空層を保持するマイクロスペーサーの間隔を、20㎜から28㎜に拡大。スペーサーによる熱伝導を半減させることにより、断熱性能をこれまで以上に向上させている。

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