不動産トピックス

クローズアップ レンタルオフィス編

2018.01.01 14:59

 近年急速に需要が伸びているレンタルオフィス業界。サードプレイス、コワーキング、シェアオフィスなど、様々な目的で必要とされている「レンタル空間」の魅力とは何か。そしてシェアリングエコノミーの代表格でもある「レンタルオフィス」は今後更に広がっていくのか。事業者の動向を追った。

五反田オフィスサークルN
 JR「五反田」駅から徒歩3分、大通りに面した地上12階の「オフィスサークルN五反田」はビル1棟全体を使用してレンタルスペース事業を展開し今年で3年目。
 「渋谷や六本木から移動してここ五反田にIT企業拠点を構え、今やシリコンバレー化している」と指摘されることも多い「五反田バレー」エリア。成功するレンタルスペースの運営とはどういうものか。
 「オフィスサークルN五反田」13フロアの内訳は8~12階までがレンタルオフィス、1階がコワーキングスペースと自習室、2階が受付とレンタルスペースやテナント向けの貸会議室。3階から6階、13階はフロアレンタル。コワーキングスペースやバーチャルオフィスで始まったビジネスが軌道に乗りレンタルオフィスへ移行。更に業績向上で広いスペースやフロア全部のレンタルへ、そして通常賃貸の形態へというケースも少なくない。同じビル内で段々と規模の大きいスペースへ転居するテナントもある。
 「オフィスサークルN」の特長は共用スペースの充実。レンタルオフィスの顧客だけでなく、賃貸の借主も使用できる会議室や受付フロアの無料のフリースペースでは打ち合わせもできる。ここ1年はほぼ満室の稼働状態だが、オフィスサークルNを展開するSループ(東京都品川区)代表取締役の上野智子氏によると「一部ではあるが、品川区の産業助成金という融資も寄与していると捉えている」という。中には「広いスペースへ行きたいが助成金があるから品川区から離れられない」と言うテナントもいるとか。勿論、好調の理由はそれだけではない。7階にはあえてラウンジ風の広々としたフリースペースを設けており年に2回、立食形式のパーティーも企画するなど「テナントに寄り添う姿勢」に居心地の良さがあるからだろう。多くの企業が続々参入しているレンタルスペース業だが、どのエリアに腰を据えるかはこのようなソフト面の充実も必須条件といえよう。

アイビーリンクス  アイビーリンクス(東京都千代田区)は「働き方改革」や「テレワーク」、「地域コミュニティの活性化」に対応した新しいコンセプトのシェアスペース事業を展開すると発表した。地域の一軒家を活用することにより、コーヒー1杯程度の低料金で一日利用できる「ivy Cafe NEIBOR&WORK」として展開。18日に第1号施設を東京都荒川区町屋に開設した。「近所におしゃれで粋な仕事場を」をコンセプトとした会員制のコミュニティ&ワークプレイス。都心勤務者の脱「痛勤」の一助とするとともに地域に根差した運営に取り組む。
 通常月額数万円の会費が必要だが一軒家を活用することにより出店コストを抑え、スマートロックシステムの入退室管理と双方向音声通信機能付ネットワークカメラの常時録画、警備会社の遠隔監視による24時間体制の先進のセキュリティーを採用。古民家カフェのような「おしゃれで優しいインテリア空間」、「自宅より緊張感があり、会社よりリラックスできる空間」を作り、肩肘張らずにくつろいで仕事ができるよう、部屋ごとにインテリアのテーマを設定。様々なテイストで愉しめる。

モノオク
 「モノを預けたい人」と「モノを保管してくれる人」をつなぐ個人間の物置シェアリングエコノミーサービス「モノオク」を運営するLibtown(東京都港区)は、東京都杉並区高円寺にあった病院をリノベーションした建物「Bokuno」へ入居した。「Bokuno」は各部屋が宿泊施設、1階リビングはイベントスペース、それぞれシェアサービスを利用し貸出している。Libtownは「今回シェアリングエコノミーを前面に押し出す建物に大変共感し入居させて頂きました。自身が積極的にシェアリングエコノミーに貢献し取り組んでいくことで文化を体現し普及を促進させていきます」という。

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