不動産トピックス

ビル業界ミニトピックス

2017.12.25 17:58

■不動産開発や空き家事業を展開しているジェクトワン(東京都渋谷区)。今年は初の「空き家開き」を行ったり、エンドユーザー向けに「終活」の展示会に出展するなど、積極的に動きを見せた年となった。
 そんな同社では2018年用のカレンダーを制作。関係者や得意先に向けて配布しているという。代表取締役の大河幹男氏は「業界で一番使いやすいものと自負している」と話す。企業のカレンダーといえば、社名や事業などのアピールをしているのも多いが、同社のものは「JECT ONE」と入っているのみ。「企業のアピールよりも、使いやすさを重視しています」と大河氏は言うが、このような誠実さは一番のアピールになるかもしれない。

■不動産競売流通協会(東京都港区)が13日に開いた「FKRカンファレンス」。作家の猪瀬直樹氏が行った講演の内容は代表理事の青山一広氏との関係性を明かした部分を除いては不動産にも競売にも関係のない内容であったが、そこには政界の第一線で活躍していた時代の様々な秘話があった。
 元政治家ならではの恨み節は横に置くとして、聴衆の注目を集めたのは東日本大震災での一件。かいつまむと、福島のある児童園で取り残された子どもたち数十名と園長がいた。携帯電話で消防署に連絡を取ろうにもなかなか取れない。周りは火の海。そのなかで、この園長はロンドンに住む息子に、祈る思いで、SOSのメールを送ったという。その息子がメールを受け取り、ツイッターに投稿、それが何度もシェアされて当時東京都副知事だった猪瀬氏のもとまで届いたという。
 「消防の責任者と話して、『これはデマではない』と判断し、翌朝救援のヘリコプターを飛ばした」
 この判断によって奇跡的に犠牲者を出すことはなかった。恨み節は聴衆の笑いを誘っていたが、この話ばかりは笑い声もなく、真剣に聞き入る会場だった。

■五反田エリアで貸ビル経営を行う後藤商事の後藤氏。同氏が代表取締役に就任したのは2008年である。それまで同社の代表は後藤氏の父である後藤康治氏が務めていた。
 「先代社長は良い言い方をすれば『人情に厚い昔かたぎの人間』で、入居テナントとの関係を最優先で考え、先代社長を慕う人も多かった。悪い言い方をすれば『頑固一徹』。自分で決めたことは誰に何を言われようが絶対に変えない人でした」(後藤氏)
 父の背中を見ていて学ぶことは非常に多かったというが、「今の時代に合わせることも必要」と後藤氏は苦笑いする。

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