不動産トピックス

クローズアップ 国内不動産投資編

2017.12.11 17:32

株価高騰が続くなかで、投資家の視線は不動産にも移る。一方、不動産価格も「高騰気味」と言われる。この状況で有効な不動産投資は可能なのか。その方法を探った。

頭角現す不動産Venture ESTGROUP
設立10カ月で単月16億円達成 投資家のパートナーとして役割果たす

厳選した物件を紹介 順調な成長軌道に
 ミドルアッパー以上のビジネスマンの投資が不動産へ向いている。
 国土交通省が発表している住宅着工動向を見ると、貸家は43万戸。前年同月の44万戸からは微減となったが、依然として高い水準で推移する。新築物件の価格は高騰しているため、当然、既存物件への投資にも注目が集まっている。
 そのなかで頭角を現したのがESTGROUP(東京都港区)。代表取締役CEOの渡邊亮介氏はある収益不動産仲介会社の元営業部長。勤務していた4年間、NO.1の営業成績を維持。今年、独立して起業を果たし、3月より本格的に事業を開始。会社設立から10カ月にして単月の取り扱い累計額が16億円超を達成、収益物件の仲介事業者のなかで頭角を現している。v  同社が取り扱う物件は5000万円~5億円ほどの全国のマンション・アパート物件。「年収1000万円以上のサラリーマンがほとんどで、半数は投資未経験者。口コミや紹介、またインターネットからの問い合わせなどが中心となっている」と渡邊氏は話す。
 事業を拡大していくにあたって多くの事業者ではセミナーを行い囲い込むことが中心。ただ、同社では「セミナーは行わない」という。
 「当社の事業は物件を売り込むのではなく、クライアントにより良い物件を提供するものです。紹介する物件には絶対の自信を持っていますので、その質を維持し、向上していくことができれば事業は順調に進んでいくものと考えています」(渡邊氏)
 渡邊氏は以前、住宅営業も経験している。曰く「住宅営業と収益物件の営業はその仕事の質が全く異なる」とのこと。
 一生で一度の大きな買い物のひとつは「住宅」。そう言われるだけに、何度も「一生に一度の買い物」をする人はほとんどいない。一方で、収益物件は異なる。「買った収益物件で利益がでれば『次の物件を買おう』という動機につながる」からだ。そのため、収益物件の仲介業務は利回りや金利などの数字をいかに良くするか。渡邊氏は「住宅は感情で買い、収益物件は数字で買うもの」と言う。
 「当社ではセミナーや囲い込むための営業に時間を割かない分を金融機関などとの交渉に当てています。現在、ほとんどの収益物件投資への融資は2・0%~4・5%の金利ですが、当社の仲介する物件では0・4%~2・0%です。金融機関を納得させられる物件であることも私たちが大切にしていることです」(渡邊氏)
 同社の2017年度の売上に関して、渡邉氏は「取扱高200億円、売上高9億円を目標としているが、上回るペースで推移」しているという。その上で5年後、2022年度の目標には「収益物件の仲介以外の事業も含めて、全体で売上100億円を目指す」と掲げる。その目標を実現するため、早い段階で進めていくのが支店展開だ。「5年後には各都道府県に支社を設置し、47支社体制としたい。そのためにも今後、新卒採用は着実に行い、教育体制も整えていく」と渡邊氏。事業面でも仕入れ・開発をきっかけにリノベーション、長期的には「5つ星ブランドのホテル事業の開発・展開も構想している」。
 収益物件仲介事業をメーンにするベンチャー企業。そこを土台に不動産業界へどのように切りこむか。「何事でもNo.1を目指す」と信条を話す渡邊氏が敷くロードマップの行方に注目したい。

GA technoloies オウンドメディア「Renosy Journal」オープン 
 中古不動産プラットホームの運営、中古マンションに特化したリノベーションサービスを提供するGA technologies(東京都渋谷区)は7日、暮らしや不動産に関するオウンドメディア「Renosy Journal」をオープンした。
 深刻化する空き家問題や既存住宅流通活用、リノベーションブームなど中古不動産への関心が高まっている。一方でマイナス金利政策などの好材料に加え、年金などの将来不安や多様化する働き方への備えを理由に資産運用の選択肢のひとつとして中古不動産投資への関心も高まっている。
 今回オープンするオウンドメディアでは家選びやリノベーションから不動産投資など、様々な角度から中古不動産の活用を通じて情報を提供していく。

プロパティエージェント 「AIチャット」で推定価格はじく 
 プロパティエージェント(東京都新宿区)が運営する中古マンション相場情報検索サイト「ふじたろう」は4日より「チャットボット」機能LINE版のサービスを開始した。v  全国13万棟超の中古マンション相場情報を搭載し、ユーザーと自動で対話できる。昨年、「購入物件提案」機能をリリースしたが、今回は第二弾として「AIによる推定価格算出」、「不動産のプロへ価格査定依頼」機能を新たに追加した。
 今後同社では仲介サポート体制の充実や掲載物件数の増加、購入検討者向けサービスの強化を図るため、国内不動産会社とのパートナーシップ締結も検討するとしている。

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